先週、日本では「ノーベル賞、日本の3氏」「日本人3名がノーベル物理学賞を受賞!」「青色LED開発、ノーベル物理学賞に輝く3人の日本人研究者」「青色LEDで日本人3人にノーベル物理学賞!」というニュースで湧きました。
一方で、海外のメディアを見ると、米ニューヨーク・タイムズでは「アメリカ人1人と日本人2人がノーベル物理学賞を共同受賞」と伝え、英インディペンダントでは「日本人科学者の赤崎勇氏、天野浩氏とアメリカ人科学者の中村修二氏がノーベル物理学賞を受賞」と伝えています。
現在の国籍で言えば、中村修二氏はアメリカ人であり、スウェーデン王立科学アカデミーが出しているプレスリリースでも「American citizen」となっています。

現在、中村修二氏は日系アメリカ人であり、研究のために日本を見限って、有能な若い研究者に米国へ来るように呼びかけているアメリカ人であり、これまでもノーベル賞で発表される国籍は、受賞時の国籍です。
ノーベル賞受賞に関する記者会見でも、中村修二氏は、日亜化学会長を務めた故小川氏に感謝しながらも、SCSBのヘンリー・ヤン学長が「ノーベル賞受賞に向け最大の支援者だった」と述べています。更に「アメリカには一生懸命努力すれば誰にでもアメリカンドリームを手にするチャンスがあるが、日本にはこのようなチャンスはない」とも語っています。
以前、米国籍でノーベル賞受賞者の国籍としても「USA」と書かれている南部陽一郎氏を「日本人」としてカウントし「日本人三人がノーベル賞受賞」「日本人研究者が独占する初の快挙」と報道されていました。
日本で生まれ、日本で育った人が世界に認められるというのは同じ日本人としては嬉しいことですが、外国籍の日系人を日本人と報道することには違和感があります。
また、科学技術の世界だけでなく、音楽などの芸術分野やスポーツでも、日本では認められない、報われないがために、中村修二氏のように、日本を見限って海外で活躍している人も少なくありません。
そうした日本人を、まるで「日本が生み出した」かのように報道し、日本人のノーベル賞受賞者としてカウントするというのは、どうなのでしょうか
それは、日本で彼らが活躍できなかったり成長できない報われないという問題点を隠そうとしているようにさえ思えます。
全米オープンテニスで「日本人選手初の準優勝」と騒がれた錦織選手も13歳で渡米しフロリダを活動拠点として育った選手であり「日本が生み出した世界的プレーヤー」と報じられることには違和感があります。
そう言えば、18歳で広島を離れて人生の大半を東京などで過ごし、ヒロシマや被爆者のために何もしてこなかった人が定年になって、下手な広島弁だけで「広島出身の被爆二世」を売りにして戻ってくることに広島市民は違和感を持たなかったのでしょうか。
*お願い
この文章の下にある《広島Blog》というバナー(画像)を クリックしてください。


今回は,村瀬さんが私と同い年,マララさんが私の子どもと同い年ということで,親しみを感じると共に,すごいなという驚きも感じています。
投稿: もみじ日記 | 2014年10月13日 (月) 11時21分
某氏は戻ってきたのでしょうか?
出稼ぎ期間の終了と共に、さっさと広島から引きあげていくのではないでしょうかね。
投稿: 台風 | 2014年10月13日 (月) 11時37分
アメリカの強さ、凄さ、魅力は、
世界中からの移民を受け入れていることですね。
アメリカンスタンダード=グローバルスタンダードになるのも、
その故でしょうね。
投稿: 宇品灯台 | 2014年10月13日 (月) 13時11分
故郷に錦を飾るということでしょう。
日系といのもありますから。先祖まで遡りますからね。
投稿: やんじ | 2014年10月14日 (火) 14時00分
もみじ日記さん
私も同姓、同世代だというだけで親しみを感じることはありますし、他県に出れば同じ広島県人、海外に出れば同じ日本人というだけで親しみを感じるものです。
同じ日本に生まれ日本に育った人の偉業を讃えることに何の異論もありませんが、同じメディアが、ある時は米国籍の人を「日本人」として扱い、ある時は「日系」外国人として扱うダブルスタンダードには違和感を覚えます。
ところで、ふと思ったのですが、中村氏は「予算獲得のために米国籍を取得したが、日本国籍を捨てたわけではない」とも語っています。それは「積極的に日本国籍を捨てたわけではない」という意味だとは思いますが、現在の国籍法では「自己の志望によつて外国の国籍を取得したときは、日本の国籍を失う」とし、国籍喪失から3ヶ月以内に国籍喪失届の提出が義務付けられてはいます。ただ、罰則はなかったようにも思います。
もし、国籍喪失届を出していなければ、戸籍は残っているわけで、まだ日本国籍もある、という解釈は成り立つのでしょうか。
投稿: 工場長 | 2014年10月14日 (火) 18時03分
台風さん
来年は待ちに待った市長選ですが、それでも候補者について明るい見通しはなく、保守系の会派ですら苦慮しているようです。選ぼうにも選ぶべき人がいないという最悪の事態にならないことを祈っています。
投稿: 工場長 | 2014年10月14日 (火) 18時06分
宇品灯台さん
もともと移民の国であり「人種のるつぼ」とも言われる米国で、多民族の大国でありながら民主主義をある程度うまく機能させている国ですから、国際化を目指せば、見習うところは多いと思います。
投稿: 工場長 | 2014年10月14日 (火) 18時08分
やんじさん
中村氏は日本の良い点(ゴミが少なく町が綺麗だとか)もあげてはいますが「故郷に錦を飾る」という意識であれば「予算獲得のため」という理由で、日本国籍を捨てることはなかったように思います。
そして、中村氏が記者会見で述べた「アメリカには一生懸命努力すれば誰にでもアメリカンドリームを手にするチャンスがあるが、日本にはこのようなチャンスはない」という言葉は、これまでの講演などでも何度も繰り返されてきたことで、若い研究者に「米国に来るべきだ」という彼の姿勢は一環していますから「泣く泣く日本国籍を手放した」わけではないようにも思います。
中村氏は日本を離れてからも多くの研究成果を上げ、数々の賞も取っていますが、それらの研究が日本でできなかったという事実を日本政府には考えて欲しいところです。
投稿: 工場長 | 2014年10月14日 (火) 18時09分
工場長様
天野さんの名前が間違っておりました。
失礼いたしました。
さて,国籍法などめったに見ることはないので調べてみましたが,正直言って正確なことは分かりません。
ただ,11条2項により,アメリカの法律に従ってアメリカ国籍を取得したならば,日本国籍は失っているものと思います。
従って,安倍総理はまたチョンボということでしょうか→http://www.huffingtonpost.jp/uniuni/person-with-dual-nationality_b_5969438.html
投稿: もみじ日記 | 2014年10月15日 (水) 00時59分
アメリカで生まれたという私の友人の22歳の女性は、
「まだアメリカ国籍を放棄していないので、
二重国籍です」
と言っていました。
国際結婚も増えていますから、
これからますますこんがらかってきますね。
投稿: 元安川 | 2014年10月15日 (水) 10時50分
もみじ日記さん
調べて頂き、ありがとうございます。
法律には条文だけでは解釈の余地があり、判例によらなければならないことも多いですね。
安部首相は憲法ですら解釈で変えようという方ですから、何でもアリなのでしょう。
投稿: 工場長 | 2014年10月15日 (水) 11時35分
元安川さん
20歳以前から米国籍を持っている場合、22歳までにどちらかを選ばないと日本国籍を失うこともあるようですが、もみじ日記さんの示されたリンクにあるように、どの段階でそうなるのかは裁判でもやってみないと分からないのかも知れません。
投稿: 工場長 | 2014年10月15日 (水) 11時37分
最近のコメント