V2H ヴークル・ツー・ホーム
東日本大地震の時、長期の停電の時には、スマホの充電に車のバッテリーで大変助かったとの話を聞いたことがあります。
「今ではEV電気自動車を家庭用電源として使う ヴークル・ツー・ホーム V2H の計画に
パナソニックや多数の民間企業が進出しようとしている。
太陽光パネルと蓄電池と繋げて再生電力の促進にも役立てようと考えている」
との記事が、先日の日経新聞に載っていました。
こんな話を友人にしましたら、
「我が家もFIT(固定価格買取制度)が終了したらV2Hを考えていましたが、実際にFITが終わっても儲けが少なくなっただけで、マイナスにはなりませんでした。
発電は屋根の上の小さな太陽光パネルだけですが、オール電化住宅にEV(電気自動車)が2台でも、高断熱住宅に省エネ家電ばかりということもあり、消費電力以上の電力を発電しています。
今の電力収支ならV2Hで電力会社の電力系統から切り離して完全な電力の自給自足も可能ですが、まだそれは考えていません。
ただ、EVのトップメーカーであるテスラは当初からV2Hには否定的でした。
それは住宅と自動車では必要とされる充放電の特性もかなり違い、自動車用に「最適化された」バッテリーを住宅にも併用するということには充放電のロスなども考え、今でもV2Hには否定的な立場をとっています。
そして住宅には住宅用のバッテリーを販売しており、この価格も国産の住宅用バッテリーとは桁違いの安さです。私も国内の住宅用バッテリーが適正な価格になれば、そちらの方が良いとも思っています。
EVに長く乗っているとEVにとって最も重要なことは、充電性能=バッテリーの制御技術だということがよく分かります。
テスラは当初からそれが念頭にあり、いくらバッテリー製造をパナソニックに任せても、肝心の制御技術はテスラ社内に留めています。
そして世界中で次々に発売されているEVを見ると、日本の自動車メーカーには未だに、その技術が大幅に遅れている(というより全くない)ことがよく分かります。
EVは充電に時間がかかりすぎる、冬場は走行距離も落ちるし充電にも更に時間がかかる、逆に夏も高速走行と急速充電を繰り返すと「熱ダレ」で充電に制限がかかる、などEVの弱点と言われるものの多くは、国産EVにおいて特に大きな欠点となっていますが、テスラや中国メーカーはかなり克服しているところです。
これは逆の言い方をすれば、自動車に最適化されていない国産EVのバッテリーなら住宅に使っても大きなデメリットはない、とも言えます。マイナス30度という地域で行われたEVの性能評価でも、圧倒的な最下位はトヨタが本気のEVとして開発したbZ4Xであり、上位はテスラや中国メーカーが占めていました。」
とのメールをいただきました。
成程、
EVの蓄電池と住宅用蓄電池とは、その目的が異なれば、自ずとその性能も、使い勝手も異なるでしょうから、それぞれ別々に作った方がいいということのようです。
日本の能力を結集して考えれば、そうした違いを克服できるでしょうか?
それはそれでまた大変なのでしょうね。
元安川
投稿: 匿名希望します。 | 2022年8月16日 (火) 13時27分