今年(2018年)台風21号による被害で最も注目されたのが関西国際空港の被害ですが、これは明らかに人災です。

関西国際空港は、政府が半分以上の資本を持ち、運輸省からの天下りで後に収賄で逮捕された東大法学部出身の社長の経営する会社が、1984年から10年がかりで作り1994年に開港した海上空港です。
当初から、経路が連絡橋一本だけという脆弱性だけでなく、大阪というより和歌山ではないかと思うような大阪の中心部からは遠い=不便な場所で、埋立地で地盤沈下は避けられないため連絡橋を含め自然災害に弱く、加えて大阪湾という船の航行も多く、今回のような事故も十分に想定されていた空港です。
つまり、運輸省からの天下りで後に収賄で逮捕された東大法学部出身の社長の経営する会社が、わざわざ、そうした不便で危険な場所に作った空港であり、最大のメリットは豊洲市場や森友学園と同様に、大量の土を動かす=裏金を作り易いということだったわけです。
それがまさに「想定どおり」の事故を起こしたわけですから、人災そのものです。
また、強風で起きた多くの被害も、決して自然災害ではなく、人災です。
日頃から太陽光発電に批判的な人たちは、ここぞとばかりに、ソーラーパネルが飛んで被害が出たことを「それみたことか」と書いていますが、それも的外れな批判です。
これはソーラーパネルに限りませんが、モノ=電子機器から建築物あるいは土地の造成にしても、人工物を作る場合、技術者は必ず安全基準に従って設計をして作るもので、それが建築物であれば、建築基準法という法律があります。
さらに、安全に関することは、経年劣化や、施工のバラツキなどを考慮して、少なくとも2倍から3倍の余裕=安全率をもって設計するのが普通です。(食品なら100倍ということもあります)
大阪の建築基準法による基準風速は32m/sから34m/sですから、設計上は64m/sから102m/sまでは大丈夫なはずで、大きな被害をもたらした先週の台風では「50年ぶりに45m/s以上」の風が吹いたと報じられていますから、普通に作られたものであれば、壊れたり飛んでいったりするような風ではありません。
敢えて言えば、こうした安全基準は50年に一度くらいのことは想定内のはずですから、それを超えることが50年間に2度も起きたとすれば、この基準風速がまず問題で、更に設計なのか施工なのか、いずれにしても人為的な過失が重なったということですから、今回の災害の多くは明らかな人災だということです。
原発に関しては、その被害があまりに大きいために、過酷事故は10万年に一度という設計のはずで、福島原発が爆発するまでは「格納容器が壊れる確率は1億年に1回」とすら公言する著名な学者までいましたが、10年に一度の周期で過酷事故を起こしているということは、あまりに酷い手抜きが何重にも重なっているのか、そもそもの設計に問題があるのか、いずれにしても自然災害のせいにできるものではありません。
ついでに、経済的な闇の部分は経済ジャーナリストの須田慎一郎氏が解説していますので紹介しておきます。
https://www.youtube.com/watch?v=5SLpbvw3osQ
ちなみに、関空連絡橋に衝突のタンカーは現在、広島の金輪島で修理の検討が行われています。
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現代のビッグシステムのリスクですね。
だからといって、国土強靭化計画なんてのはリスクの上塗り、お金の無駄遣いのように感じます。
その点、インターネットはハードとしては素晴らしいシステムですね。
その思想を、もっと拡げて欲しいですね。
投稿: リスク | 2018年9月11日 (火) 10時07分
リスクさん
関空のトラブルは1つや2つの欠陥で起きたことではなく、いくつもの欠陥が重なり、しかも台風接近にも関わらず欠航の判断が遅く、タンカーにギリギリまで給油させ、イベント対応に長けているはずの空港の対応があまりに杜撰であるなど運用上のミスも重なって起きたことだと思いますが、関空の事故だけでなく、最近の災害全般で懸念するのは、明らかに過失であることが、「かつて経験のない」とか「観測史上最大の」などと、意図的に誤った印象を与える情報で満ちていることです。
その結果、誰も責任を問われず、根本的な改善が全く行われていません。
強風で構築物が飛ぶのは設計ミスか手抜き工事か管理上の過失であって風のせいではありません。
そういう意味では、インターネットで少し調べれば「かつて経験のない」とか「観測史上最大の」という形容詞が全く意味のないデタラメな印象を与えるものでしかないことは分かるはずで、若者がオールドメディアと呼ぶ新聞や地上波だけの情報に頼ると大きな思い違いをして、判断を誤ることになるのだと思います。
投稿: 工場長 | 2018年9月11日 (火) 10時27分
地震予知で確率の低いところにばかり大地震が起きるの話どうしてなんでしょうね。
投稿: 上村 | 2018年9月11日 (火) 11時52分
上村さん
問題なのは地震予知ができないのに、意味がなく外れっぱなしであることも実証済みの確率を公表し、それに従って予算が配分されていることだと思います。
今の科学技術では地震が起きる一部の要素しか測定できないことは物理の知識があれば分かることですし、人間に対する被害という面では、今回、北海道で起きたように、東日本大震災の100分の1のエネルギーでも大きな被害を及ぼすわけですから、今のようにエネルギー量を中心に考えても意味がないわけです。
ですから、首都で起きれば被害が大きいから手厚い対策を行うのであればまだわかりますが、意味のない確率を割り振って、それによって対策費を配分するのは明らかな間違いであることは、流石に、もう分かってもいいのではないでしょうか。
投稿: 工場長 | 2018年9月11日 (火) 12時09分
あのタンカーの船長もその会社もそして関空も、まったく危機管理ができていなかった完全なら人災ですね。
あの周辺の海底では、アンカーのききは悪かったでしょうし、アンカーの角度は、小さい程効きが良く、異常な高潮で高波なら、アンカーは持ち上げれて効かないのはわかりきっていた事です。
非常に大きい台風なのはわかっていたのですから、前日に瀬戸内海を西に避難しておけば問題はなかった。
また係留場所が、関空に対して風上なんてありえませんね。
そして船長は、風速が60mを超えるなんて思わなかったと、危機管理能力の無さを露呈してましたね。
投稿: やんじ | 2018年9月17日 (月) 16時12分
やんじさん
もともと自然災害に弱い空港であり、あの台風接近の中、空港を閉鎖することなく給油作業をさせていた空港も空港ですし、こうした事故は1つや2つの過失では起きないものですが、どれ一つとってもやむを得なかったものはなく、それが重なったということは杜撰としか言いようがありません。構造的なものを感じますし、全てのことに対して徹底した原因の究明と責任の追求の必要性も感じます。
投稿: 工場長 | 2018年9月19日 (水) 16時24分
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