この記事は、先日の記事へのコメント「EVは普及しないと断言」というコメントに答える記事です。
蒸気機関車が電車になったように、自動車もいずれは全てEVになると確信したのが10年前、このブログで間違いだらけのEV-1、間違いだらけのEV-2を書いてからでも5年近く経ちますが、未だにEVに対する認識は低く、誤解や意図的な間違いの流布は止まりません。
まず先日のコメントの殆どは間違いですし、多くのガソリンで走る自動車しか経験のない人が考えがちであるように、ガソリン車では不可能な多くのことは頭の隅にもないようで、これはガラケーしか使ったことがない人が、通話ということだけでスマホを評価していることと同じですが、その「通話」=「移動する」という基本機能だけについても大きく間違っていることを指摘しておきます。
1.EVの航続距離は短くありません。
かつては一回の充電で100キロしか走らないEVもありますが、それは極めて特殊なEVといえます。昨年、アメリカでコンパクトEVの比較がありましたが、日本車では航続距離の長いリーフでさえあまりに短いので比較対象外となり、アメリカ、韓国、中国の車種での比較でした。日本で最も早くに発売されたEVであるiMiEVは海外にはない軽自動車というカテゴリーですが、その中でも航続距離100kmは最も短い車種です。私は100円で買ったスマホも持っていますが、そのようなスマホを見て、スマホ全体を評していることと同じです。(もちろん用途次第で100kmでも全く問題ありませんし、100円スマホも重宝しています)
2.EVの電池はエンジンより長持ちします。
これも初代のリーフのバッテリー管理があまりに杜撰だったことから出ている「都市伝説」だと思いますが、テスラのバッテリーが80%に劣化するのは170万km、タクシー会社でテスラ(EV)を採用しているところは100万kmで計算しています。いずれにしてもエンジンの耐用年数を遥かに越えています。先の最も小さく一回の充電で100kmしか走らないEVでも、7年乗って、劣化は2-3%しかありません。モーターはもちろん、バッテリーの寿命もエンジンより遥かに長いもので、初代リーフのように数年で交換の必要のあるバッテリーは不良品と言えるでしょう。
3.充電にかかる時間はありません。
これもEVの経験がないと勘違いしていることですが、EVはわざわざ充電するものではなく、駐車のついでに充電します。何かの都合で駐車するついでに充電するので、そのために使う時間は1分以下です。広島市内ですら、充電設備はガソリンスタンド以上にありますが、充電設備はガソリンスタンドと違い、自宅を含め、駐車場にあるもので、わざわざ給油のために時間や手間を使うガソリンと違い、駐車のついでに充電するEVでは、燃料補給に使う時間は極めて短くなり、いずれスマホのように無線充電になれば、充電時間はゼロと考えられるようになります。さらに、ガソリンスタンドは減少の一途ですが、充電設備は増加の一途です。
4.EVは夏でも冬でも快適に、上り坂でも楽で快適です。
EVなら乗る時間を設定していおけば、その時刻に最適の温度になるようにできますし、炎天下駐車しておくのに1時間や2時間はエアコンをつけっぱなしでも大した電力消費にはなりませんから、ガソリン車のように暑い思いや寒い思いをすることはありません。EVは家まるごとの電力を何日分も持っているのです。これほどの大容量のバッテリーを持っているということで、災害時にも走る電源として活躍しており、いずれはエネルギーインフラの一部になることが期待されているわけです。
5.EVは安い乗り物です。
自動車換算の燃費はiMiEVの場合、10kWhで100km走ります。
つまり深夜電力なら1円/1km、昼間の電力でも2円/1km、ガソリンとは2桁違います。
また、エンジンもミッションもありませんから、壊れるところもなく、点火プラグ、オイル、フィルター、ベルトなどもなく、回生によりブレーキの使用も激減するため、交換部品は殆どなくなります。
だから、タクシー会社がテスラのような高級車を導入しても十分に採算が合うというわけです。
何より、走行性能がまるで違います。
新幹線と蒸気機関車の違いです。
ガソリンのように高価な燃料を、エンジンというエネルギー効率の極めて悪いものを使って駆動するような自動車は、モーターで駆動するEVと比べて何のメリットもありません。
しかも、こうしたことは、単に「通話品質」についての比較に過ぎません。スマホにはガラケーではできない多くの機能があるように、EVにはガソリン車では到底できないことが多くあります。残念ながら国産EVでは、それらを感じることはできませんが、いずれは、誰でも実感できるようになることです。
全固体電池ができれば多くの電池を使う機器は、より便利になることでしょう。しかし今でもリチウムバッテリーで、利用状況によっては1日もたないようなスマホが普及しているように、今のEVもガソリン車とは比較にならない価値があるものです。
自動車を基幹産業としている日本の大手メーカーが無視し続けている現実は、間違いなくやってくる未来です。
サイバートラックの発表で株価が下落した瞬間だけ報じられたテスラですが、実際の株価は上がる一方です。

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熊野道路・西の先。オンランプ供用開始。。1年以上前です。想像すら、していないため、驚きました。関係者は、いろいろと、考えているものですね。まだまだ、オンランプのことを、知らない人・多数と、思います。