シェアリングエコノミー・友人からのメール
先日書いた「共用を」について、友人から下記のような素晴らしいメールをいただきましたので、載せさせていただきます。
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「共用」や「コモン」という思想は魅力的ですし、情報空間におけるシェアハウス的な自治という発想も、まさに今必要とされているものだと感じます。ただ、日本社会の現実を見たとき、私には少し別の難しさも見えてきます。
シェアリングエコノミーという言葉が広がってから、すでに相当な時間が経ちました。東南アジアでも10年以上前から当たり前になっているライドシェアですら、日本では本格的には広がっていません。民泊は制度的に整備されつつありますが、それでも厳しい制約の中での限定的な展開にとどまっています。かつて私も利用していた個人間カーシェアリングは、数年で姿を消しました。
いずれも、技術的には特別に難しいことではありません。既存のITで十分に実現できるものです。それでも広がらない。
ここに、日本の構造的な問題があるように思います。市場や国家の「線」に依存しない「面」としての共用を育てようとしても、現実には既得権や制度の壁が非常に厚い。既存の業界構造、規制、利害調整の力が強く、新しい仕組みが根づく前に抑え込まれてしまいます。
つまり、日本ではまだ「共用」を実験する土壌そのものが十分に整っていないのではないか、という懸念があります。
情報空間でコモンを作るという発想は、物理空間よりは抵抗が少ない可能性があります。しかし、もし現実社会の構造が変わらなければ、デジタル上のコモンも、やがて同じ力学に回収されてしまうのではないか。
思想は重要です。ただ同時に、それを支える制度設計と、既得権をどう乗り越えるのかという現実的な議論も不可欠だと感じています。
理想と構造、この両方をどう接続するのか。そこにこそ、これからの本当の課題があるのではないでしょうか。
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いかがでしょうか。
元安川
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