DeepSeekって何?
今週初めに友人から下記のようなメールをいただきました。
1週間もしないのにその後の動きはもうハチャメチャ、私の理解のレベルを超えています。
孫正義氏が、トランプ氏の大統領就任式の翌日、1月22日にChatGPTのアルトマン氏、オラクル社の代表の同席のもと、トランプ大統領に「アメリカでAIのインフラ投資に78兆円投資する」と発表しました。
と思っていたら、なんと28日には「DeepSeek」というモデルが発表され、エヌピデアの株価は91兆円も下落し、マイクロソフト、メタ・・・の株価も同様に下落しました。
日本の国家予算とさして変わらない額のGAFAMの株価が上がったり、下がったりしているのですから呆れます。
そんな時の1月21日に、友人から、下記のようなメールをいただいていたというわけです。
DeepSeekってなんぞやということについて、このメールは大変参考になると思いますので、ここに改めて掲載したいと思います。
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最近、中国のAIが急速に進化しており、その煽りで、AI関連の株価が急落していることはご存知でしょうか。その台風の目になっているDeepSeekはChatGPTなど米国AIに比べて桁違いに安いハードと開発費で、ChatGPTの有料版に匹敵する性能を実現し、無料で開放しています。それで利用者数でChatGPTを抜き、アップルのAppStoreでもダウンロード数でトップになっています。
最近のAIは、質問者についての細かな情報を明記しなくても、与えられた文章だけから、その人の立場や背景、問題に対するスキルレベルを推定した上で回答を行います。さらに、質問者が何を目的としているのか、どのような結論を求めているのか、どの視点から説明するのが適切かを判断し、それに基づいた回答を提供します。AIがこうした洞察力を備えてきたことで、細かいプロンプトを書かなくても、より人に寄り添った、的確で実用的な回答が可能となっています。
この推定のプロセスは確認可能であり、特にDeepSeekにおいては、その洞察が非常に鋭く的確であるという印象を受けます。
アメリカはトランプ大統領のもとでデータセンターへの莫大な投資を計画している通り、一般的にはAIの進化に大規模なデータセンターと膨大な電力が必要とされます。しかし、この中国AIは必ずしもそうした巨額の資源を要さずに進歩を遂げています。自動車産業でも、中国メーカーは日本やドイツの大手を引き離し、もはやテスラ以外に太刀打ちできるメーカーはありません。AIの分野でも株価が大きく反応しているのは、まさにこうした背景があるからです。
その中国AIのサイトは以下のリンクにアクセスし、「Search」ボタンを押して質問すると、ネット上の情報をもとに回答を得られます。また、「DeepThink(R1)」ボタンを押して質問すると、より深く考えた内容が返ってきます。
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私もちょっとDeepSeekを使ってみましたが、chatGPTとそっくりな感じです。
それが無料というのですし、
こんなモデルが中国発というのもちょっと恐ろしくもあります。
フジテレビ事件、八潮の道路陥落事件・・・
今年はとんでもない激変の時となる予兆を感じます。
元安川
また、政治的な話題について質問すると、回答を控える傾向が見られるのは、中国製のAIだけでなく、AI全般に共通する特徴です。たとえば、今話題の日枝久氏、笹川陽平氏、森喜朗氏、安倍晋三氏、麻生太郎氏らが一堂に会する写真を提示し、その会合の性質やそこで話し合われた内容について推測を求めた際、米国製のAIは全て回答を拒否しました。一方で、DeepSeekは非常に興味深い考察を示してくれました。
ChatGPTもDeepSeekも、プログラミングスキルの向上が驚くほどの速さで進んでいます。わずか2~3週間でその能力が2倍に向上していると感じます。GAFA各社がプログラマーの新規採用を見合わせている状況を踏まえると、プログラマーが現行の100分の1の人数で十分になる時代が間近に迫っているのではないかと考えています。逆に言えばAIを使わなければ100倍不利になるということでしょうか。
DeepSeek-R1モデルについての技術的評価は様々ですが、元Microsoftエンジニアである中島聡氏は「知的労働のコストがゼロ化する瞬間を目撃している」と言いました。注目すべきは、こうした技術革新が「スモールヤード・ハイフェンス」(技術囲い込み政策)を突破して中国で発展しつつある現実です。同様に排除されていたHUAWEIの自動車はテスラ以外に対抗できないと思えるレベルになっています。翻って我が国の科学技術のレベルは、昨日、身近でもエラーを連発しているモビリーデイズをみても、ただ情けないばかりです。
http://hiroshima.moe-nifty.com/blog/2024/09/post-10101b.html
そんな社会はちょっと想像できませんね。
AIの進化は、特にこの2-3年、私たちの想像をはるかに超える速さで進んでいます。孫正義はかつて「AIが人間の知性を超える特異点は後10年」と予測していましたが、昨年にはその予測を「後2~3年」に短縮し、今年は「もう目の前に来ている」と発言しています。そして、ソフトバンクグループが年間4500億円を通じて、様々なシステムをAIで再構築する計画を発表したことは、AIが既に多くの業務において、人間よりも遥かに優秀で、速く、効率的で、安いことを示唆しています。
もちろん、知的労働という分野は非常に多岐にわたります。AIが得意な分野もあれば、まだ課題が残る分野もあります。しかし、これまで「これは人間でなければできない」と考えてきた仕事でさえ、近い将来AIに置き換えられる可能性は十分にあると言えます。たとえば、囲碁という最も難しいとされるゲームにおいても、AIが指導した結果、人間が教えた場合と比べて明らかに優れた成果が得られ、性別による成績の差も解消されたという報告があるように、AIの能力は想像を超えて進化しています。
私はフォートランやダイナモが流行った頃、私自身は全く使えませんでした。
ChatGPTは盛んに使っています。
人と話をしている感じです。
AIは凄まじい普及をするでしょうね。
ChatGPTのo3モデルですら「まだまだ仕事には使えない」と言っていた人が、Deep Researchモデルについては「これまでとは次元が違う」と驚き、「これで仕事が3倍できる」と言っていました。現在、Deep Researchは月額3万円のプランでのみ提供されていますが、今後数ヶ月のうちには、同等の機能が無料で利用できるようになる可能性も十分に考えられます。そして、その頃、有料プランのユーザーはパーソナルエージェント、つまり情報だけではなく、実際に行動できるAIを使えるようになっているのだと思います。週単位で状況が変化しているように感じます。
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DeepSeekが中国製であるため「怖い」という反応がありますが、主要なAIトップ3(ChatGPT、Gemini、Claude)はすべて米国製です。すなわち、データの扱いに関しては、米国と中国のどちらに渡るかということで、日本に対する影響力や支配力を考えれば、むしろ中国製の方が安心だという考え方もできます。さらに、ChatGPTの最新版はクローズドになり、DeepSeekはオープンソースで、その思考過程も詳細に確認できます。
また、政治的な話題について質問すると、回答を控える傾向が見られるのは、中国製のAIだけでなく、AI全般に共通する特徴です。たとえば、今話題の日枝久氏、笹川陽平氏、森喜朗氏、安倍晋三氏、麻生太郎氏らが一堂に会する写真を提示し、その会合の性質やそこで話し合われた内容について推測を求めた際、米国製のAIは全て回答を拒否しました。一方で、DeepSeekは非常に興味深い考察を示してくれました。
ChatGPTもDeepSeekも、プログラミングスキルの向上が驚くほどの速さで進んでいます。わずか2~3週間でその能力が2倍に向上していると感じます。GAFA各社がプログラマーの新規採用を見合わせている状況を踏まえると、プログラマーが現行の100分の1の人数で十分になる時代が間近に迫っているのではないかと考えています。逆に言えばAIを使わなければ100倍不利になるということでしょうか。
投稿: 工場長 | 2025年2月 3日 (月) 06時54分
昨日、歯がとれてしまい(根折)受診前に、治療方針を検討するためDeepSeekとやりとりしました。特に注目すべきは、中国語で書かれた思考プロセスで、単なる医学的知見に留まらず、日本の医師が提案しそうなこと、私の年齢、生活習慣、嗜好性、医学知識までを細かく推定していることでした。このような多角的な患者視点に立った検討は、これまでのAIどころか、私が接してきた多くの臨床医師でも稀だと感じました。
DeepSeek-R1モデルについての技術的評価は様々ですが、元Microsoftエンジニアである中島聡氏は「知的労働のコストがゼロ化する瞬間を目撃している」と言いました。注目すべきは、こうした技術革新が「スモールヤード・ハイフェンス」(技術囲い込み政策)を突破して中国で発展しつつある現実です。同様に排除されていたHUAWEIの自動車はテスラ以外に対抗できないと思えるレベルになっています。翻って我が国の科学技術のレベルは、昨日、身近でもエラーを連発しているモビリーデイズをみても、ただ情けないばかりです。
http://hiroshima.moe-nifty.com/blog/2024/09/post-10101b.html
投稿: 工場長 | 2025年2月 4日 (火) 08時21分
工場長様
オープンソースのdeeoSeekが突如クローズドになったら大勢ですね。
投稿: 元安川 | 2025年2月 4日 (火) 15時31分
工場長様
知的労働がゼロになる、
そんな社会はちょっと想像できませんね。
投稿: 元安川 | 2025年2月 4日 (火) 15時37分
かつてはChatGPTも、OpenAIという社名が示す通り、オープンソースで開発されていました。しかし、商用化の流れの中で、そのオープンな精神が損なわれたことに、創設者の一人であったイーロン・マスクは激怒していると言われています。ただし、当初は無料で公開し、まずシェアを獲得した後に有料化するというビジネスモデルは、ネット上では一般的な手法でもあります。
AIの進化は、特にこの2-3年、私たちの想像をはるかに超える速さで進んでいます。孫正義はかつて「AIが人間の知性を超える特異点は後10年」と予測していましたが、昨年にはその予測を「後2~3年」に短縮し、今年は「もう目の前に来ている」と発言しています。そして、ソフトバンクグループが年間4500億円を通じて、様々なシステムをAIで再構築する計画を発表したことは、AIが既に多くの業務において、人間よりも遥かに優秀で、速く、効率的で、安いことを示唆しています。
もちろん、知的労働という分野は非常に多岐にわたります。AIが得意な分野もあれば、まだ課題が残る分野もあります。しかし、これまで「これは人間でなければできない」と考えてきた仕事でさえ、近い将来AIに置き換えられる可能性は十分にあると言えます。たとえば、囲碁という最も難しいとされるゲームにおいても、AIが指導した結果、人間が教えた場合と比べて明らかに優れた成果が得られ、性別による成績の差も解消されたという報告があるように、AIの能力は想像を超えて進化しています。
投稿: 工場長 | 2025年2月 7日 (金) 19時28分
工場長様
私はフォートランやダイナモが流行った頃、私自身は全く使えませんでした。
ChatGPTは盛んに使っています。
人と話をしている感じです。
AIは凄まじい普及をするでしょうね。
投稿: 元安川 | 2025年2月 8日 (土) 13時11分
ChatGPTのo3モデルですら「まだまだ仕事には使えない」と言っていた人が、Deep Researchモデルについては「これまでとは次元が違う」と驚き、「これで仕事が3倍できる」と言っていました。現在、Deep Researchは月額3万円のプランでのみ提供されていますが、今後数ヶ月のうちには、同等の機能が無料で利用できるようになる可能性も十分に考えられます。そして、その頃、有料プランのユーザーはパーソナルエージェント、つまり情報だけではなく、実際に行動できるAIを使えるようになっているのだと思います。週単位で状況が変化しているように感じます。
投稿: 工場長 | 2025年2月 8日 (土) 15時32分