「エミオテラス」・物を売る場所から事を売る場所へ
西武線所沢駅西口前の車両工場跡地に進められていた再開発ビルが
この9月に竣工するそうです。
計画内容は
「敷地面積約34,000m2、店舗面積約43,000m2、延床面積
約129,000m2の規模となる。
建物は地上7階建て・最高高さ37.4m、
商業フロアは下層部4層。
142店舗の多様なテナントを集積し、利便性を高めるため約1,700台の
駐車場を設置する」
名称は「エミオテラス」です。
駐車場が1,700台と異常に多いように思いますが、
隣接する狭山市、東京都東村山市・・・の所沢駅勢力圏を統合すれば
100万人近くになると思われますので、そうした人たちの「パーク&ライド」
を想定しているのでしょうか。
しかしこの今回の開発計画は今までの西武グループでは考えられないような
コンセプトで進められています。
まず道路計画について見てみると、駅から1ブロック置いて建物は
建っているのですが、
これまで敷地の面していた既存東側道路は往復2車線の1本だけだったのですが、
それが大幅に増幅され、その道路を往復4車線に拡幅しただけでなく、右折車線
も設けられています。
既存道路から右折しての西武線を横断する道路は開かずの踏切だったのですが、
線路の下を潜り抜けるアンダーパスの道路が設けられました。
敷地の北、西、南面には新たに2車線道路が設けられただけでなく、
建物の四方からは、道路からは直接駐車場に入れるスロープが
設けられています、
殆どの店舗は2~4階に設けられているようです。
道路に面した1階には数軒の店舗があるだけで、あとは駐車場へ
アプローチするスロープとコンクリートの壁だけです。
東側の4車線とコンクリートの壁の前にはかなり広いスペースが
設けられていますので、
各種イベント広場となることも想定しているのだろうことが伺えます。
コンクリートの壁は最近流行りの緑化がされるのでしょうか。
近代建築の権威ル・コルビジェの有名な言葉に1階を車のスペースにする
「人工地盤」という考え方がありますが、
今回はそのコンセプトを実現しているとも言えそうです。
今までの中高層ビルでは、1階は路面店として最も人が立ち寄り、買い物
をし易いスペースであるとして、店舗にし、賃料も1番高い階として
扱われてきましたが、
このビルではそのスペースがコンクリートの壁、駐車場へのスロープの
スペースとなっているのです。
ちょっと考えられないことをやっています。
駅からは、前面にあるデパートの2階の中を通り抜けるか、ペディストリアン
デッキを通ってこの「エミオテラス」の店舗ビルに繋がっているというわけです。
西武は資金的に相当余裕があるからでしょうか、売却スペースとなる
マンションもなく、建物そのものは7階建のかなり低層の建築です。
隣接する超高層のマンションの建設は別の企業です。
エミオは「物を売る場所から事を売る場所に」に変換しようとしているようです。
開発コンセプトは極めて斬新ですが、
所沢の街に新しい息吹きを創りだすだろうことは確かです。
新生西武が池袋ー秩父を結ぶ新しい特急電車「ラビュー」を走らせましたが
それに続く、
「エミオテラス」は新しい街の拠点となるだろうことが期待されます。
元安川
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