インフルエンザとの違いー問題はクラスターです
専門家会議の言っていることをわざわざ書く必要もないと思っていましたが、どうも報道や専門家と称する人の解説を聞いていると間違っていると感じることが多いので、敢えて追加で書くことにしました。
新型コロナウイルス(COVIT-19)と季節性インフルエンザの最も大きな違いは、感染の仕方です。
季節性インフルエンザは症状のある人が、一定の割合で感染を拡げていきます。これは既に多くのデータから分かっていることで専門家会議でも説明していますが、例えば感染者が5人いたとして、その5人が1人か2人ずつの人に感染させる、5人とも感染させる側になる、そんなイメージです。ところが新型コロナウイルスは5人の感染者のうち、感染を拡げるのは1人だけです。感染させる側になるのは一人だけです。ただ、その一人は多くの人に感染させます。それも症状がなくても感染させてしまうのですが、後の4人は感染を拡げることはありません。それが従来の感染拡大モデル=シミュレーションが当てはまらず、それを前提とする専門家と称する人の解説がズレている点でもあります。
どうして、その一人だけが感染させるのかについては、少なくともウイルスの違いによるものではなく、感染者の違いによるというところまでは分かってきていますが、そこから先はまだまだ仮説です。
また、高齢者の重症化率もインフルエンザよりは、かなり高いものになっています。風邪でもインフルエンザでも高齢者にとってはリスクの高いもので、肺炎で亡くなる人も多いのですが、それよりもっと高い重症化=死亡リスクが高齢者にはあります。
インフルエンザによる死亡も年間1万人と言われますが、これは超過死亡数というもので、もともと病気がある人にインフルエンザが加わって死に至るケースや、インフルエンザに合併症で他の病気が加わって重篤になるケースが多く、新型コロナウイルスもそういうケースはありますが、インフルエンザに比べると、新型コロナウイルスだけで死に至るまでの肺炎を起こすケースが多いということが分かっています。
そこでクラスターが重要になります。今回、問題になっているクラスターは、換気が悪い場所で、多くの人が集まり、手の届く位置で、会話や発声をする、という三条件を満たした場所で生まれるので、そこを避けることが重要だというのが専門家会議の提言です。
つまり、公園などのような戸外はまるで問題がありませんし、室内でも換気をすれば良く、少人数だったり、手の届かない距離であったり、会話や発声がなければ問題ではない、ということになります。
ただ、飛沫、接触による感染はありますから、従来の感染症予防=手洗いは重要ですし、それに加えてクラスター対策が重要だという局面だと思います。
事態はいつごろ収束するのでしょうか。
一つ前の記事のコメントで同様の質問があり答えていますが、収束も終息も、まだ誰にも分かりません。
ただ、今分かっていることから考えると、日本では、高温多湿になることより、春になって暖かくなることで、換気し易い環境になり、感染を防ぎ易くなるとは思います。ただ、専門家会議は年単位になる可能性も示唆しています。
そこでも前提は、皆さんがきちんと手洗いをすることです。
休校より、出張の自粛を求めるべきだと思ってました。3月に入ってやっと各企業は自粛したようです。潜伏期間が長いのた発症しても軽いから、クラスターになるのでしょうね。
(このクラスターってクラスター爆弾の名前と同じですよね)
感染拡大を防ぐのはほとんど無理なのではと思います。
それより重症化する人への対策として、マスクや消毒液は、病院で薬と同じように処方したら良いのではと思います。お薬手帳に記載して、お薬手帳が無いともらえないように。
それと質問ですが、保健所は厚労省の指導で検査を厳格化してますが、保健所は自治体の組織だと思うのですが、自治体の長がこのハードルを下げて民間での検査もできるようにすべきではなかったのかと思うのですが無理なんでしょうか?
政府は健康保険を使うと言いますが、健康保険を使えば健康保険の財源が厳しくなり、保険料の値上げや保険適用を減らすとなるのではと思います。今、花粉症の薬を保険適用から外すように言われてますが、市販の薬では私は花粉症の症状を抑えられず、眠くならない薬はほとんどありません。だから行政検査をやり易くしてもらいたいですね。
国の専門家会議は最も効果的な閉鎖空間として山の手線をあげましたが、学校には誰も言及していませんでした。
PCR検査は保険適用になりましたが、自己負担分は政府が負担するので本人負担はありません。ただ、ハードルを低くすることは財源の問題だけではなく、様々な問題があり簡単ではありません。
現状ではクリニックで検査ができるわけでもありませんし、クリニックの医師の判断はステップの一つに過ぎません。少なくとも肺炎症状があり、除外診断があった上で、医師が必要と考えるということは単なる一歩で、それだけで検査ができる体制ではありません。
韓国ではドライブスルー検査まで登場していますし、中国でも判断基準から変更していますが、日本の医療体制では、下手に検査のハードルを下げれば、医療崩壊するだけになりかねません。
どんな検査であれ、まずは検体をとらないと始まりませんが、検体をとることそのものが医師にとってはリスクのあることですし、正確にとろうと思えば思うほどリスクは上がり、安全を考えれば精度が落ちるようなところがあります。
検査のハードルを下げようと思えば、検査体制はもちろんのこと、医療体制などの構築も必要ですし、さらには国民の意識も変えなければならないかも知れません。
日本は、ITに関しては中国や韓国に遠く及びませんし、それらの国で行われているような感染対策は望めません。感染者は本人だけでなく家族や周囲の人まで巻き込み、まるで犯罪者のような扱いですし、一部企業では感染を隠そうとする動きもあるようです。その中で、検査のハードルだけ下げれば、パニックが加速されるだけになる可能性も決して低くはないように思います。
それより感染状況の把握としてのスクリーニングが必要だと思いますが、今の日本の空気では、それも難しいように感じます。
ほとんど日本では報道されないので、記事を添付させていただきます。
https://www.msn.com/ja-jp/news/national/新型コロナ“神対応”連発で支持率爆上げの台湾-iq180の38歳天才大臣の対策に世界が注目/ar-BB10xmg9
やんじさん
現在の日本社会を主導する高齢者層には発想自体がない上に、有能な技術者は既に米国のシリコンバレー、中国の深セン、最近ではシンガポールにまで出稼ぎに行っているようで、日本国内にはいないのかも知れません。
多分まだ若者さん
高齢者が日頃から口癖のように「早くお迎えに来て欲しい」と言っていても真に受けないでくださいね。
とは言え、将来世代を犠牲にして未来を奪うような施策は間違っているとも思います。
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事態はいつごろ収束するのでしょうか。
投稿: シューソク | 2020年3月10日 (火) 15時30分
シューソクさん
一つ前の記事のコメントで同様の質問があり答えていますが、収束も終息も、まだ誰にも分かりません。
ただ、今分かっていることから考えると、日本では、高温多湿になることより、春になって暖かくなることで、換気し易い環境になり、感染を防ぎ易くなるとは思います。ただ、専門家会議は年単位になる可能性も示唆しています。
そこでも前提は、皆さんがきちんと手洗いをすることです。
投稿: 工場長 | 2020年3月10日 (火) 15時38分
インフルエンザが感染して2、3日で発症し症状も重いのに比べて、このコロナウイルスは感染してから発症するまで4〜12日もあり、発症しない人や発症しても症状が軽く治ってしまうのが問題ですよね。10日もあれば出張の多い人は日本中の主要都市を周れますね。
休校より、出張の自粛を求めるべきだと思ってました。3月に入ってやっと各企業は自粛したようです。潜伏期間が長いのた発症しても軽いから、クラスターになるのでしょうね。
(このクラスターってクラスター爆弾の名前と同じですよね)
感染拡大を防ぐのはほとんど無理なのではと思います。
それより重症化する人への対策として、マスクや消毒液は、病院で薬と同じように処方したら良いのではと思います。お薬手帳に記載して、お薬手帳が無いともらえないように。
それと質問ですが、保健所は厚労省の指導で検査を厳格化してますが、保健所は自治体の組織だと思うのですが、自治体の長がこのハードルを下げて民間での検査もできるようにすべきではなかったのかと思うのですが無理なんでしょうか?
政府は健康保険を使うと言いますが、健康保険を使えば健康保険の財源が厳しくなり、保険料の値上げや保険適用を減らすとなるのではと思います。今、花粉症の薬を保険適用から外すように言われてますが、市販の薬では私は花粉症の症状を抑えられず、眠くならない薬はほとんどありません。だから行政検査をやり易くしてもらいたいですね。
投稿: やんじ | 2020年3月10日 (火) 19時03分
やんじさん
クラスターというのはコンピュータでも使われますが、集団と訳され、患者クラスターつまり、ある患者の集団が特定の場所から発生すると、クラスター感染となります。一般的に耳にするのは学校の集団感染で、インフルエンザの場合はクラスの20%以上が感染した時に学級閉鎖となりますが、それは集団の20%以上になった段階で、閉鎖する効果が出るからです。
国の専門家会議は最も効果的な閉鎖空間として山の手線をあげましたが、学校には誰も言及していませんでした。
PCR検査は保険適用になりましたが、自己負担分は政府が負担するので本人負担はありません。ただ、ハードルを低くすることは財源の問題だけではなく、様々な問題があり簡単ではありません。
現状ではクリニックで検査ができるわけでもありませんし、クリニックの医師の判断はステップの一つに過ぎません。少なくとも肺炎症状があり、除外診断があった上で、医師が必要と考えるということは単なる一歩で、それだけで検査ができる体制ではありません。
韓国ではドライブスルー検査まで登場していますし、中国でも判断基準から変更していますが、日本の医療体制では、下手に検査のハードルを下げれば、医療崩壊するだけになりかねません。
どんな検査であれ、まずは検体をとらないと始まりませんが、検体をとることそのものが医師にとってはリスクのあることですし、正確にとろうと思えば思うほどリスクは上がり、安全を考えれば精度が落ちるようなところがあります。
検査のハードルを下げようと思えば、検査体制はもちろんのこと、医療体制などの構築も必要ですし、さらには国民の意識も変えなければならないかも知れません。
日本は、ITに関しては中国や韓国に遠く及びませんし、それらの国で行われているような感染対策は望めません。感染者は本人だけでなく家族や周囲の人まで巻き込み、まるで犯罪者のような扱いですし、一部企業では感染を隠そうとする動きもあるようです。その中で、検査のハードルだけ下げれば、パニックが加速されるだけになる可能性も決して低くはないように思います。
それより感染状況の把握としてのスクリーニングが必要だと思いますが、今の日本の空気では、それも難しいように感じます。
投稿: 工場長 | 2020年3月10日 (火) 19時34分
やんじさん
広島市の場合、少なくとも先月の段階では、ある病院は白血病患者がいることを理由に、他の公立病院も腎臓透析患者がいることを理由に、新型コロナウイルスの感染者の受け入れを拒否していました。ですから、受け入れ可能な病院(隔離病棟)は舟入病院の6床のみだったはずです。その6床もいつも空いているわけではありません。この状態で積極的な検査をしたところで、受け入れ先がないというのが現状です。
投稿: 工場長 | 2020年3月10日 (火) 19時52分
台湾がやっている正しい情報公開とまともなITの活躍を日本は見習うべきですね。そして学校の休校の方法も。
ほとんど日本では報道されないので、記事を添付させていただきます。
https://www.msn.com/ja-jp/news/national/新型コロナ“神対応”連発で支持率爆上げの台湾-iq180の38歳天才大臣の対策に世界が注目/ar-BB10xmg9
投稿: やんじ | 2020年3月11日 (水) 06時59分
国の専門家会議も「若者世代は重症化リスクは低いが、重症化するリスクの高い人(つまり高齢者)を守るために我慢して欲しい」と言うけど、ただでさえ高齢者の年金や医療を賄うツケを我々世代が負うのに、これ以上我慢しろと言われても納得できない。
投稿: 多分まだ若者 | 2020年3月12日 (木) 11時06分
やんじさん
現在の日本社会を主導する高齢者層には発想自体がない上に、有能な技術者は既に米国のシリコンバレー、中国の深セン、最近ではシンガポールにまで出稼ぎに行っているようで、日本国内にはいないのかも知れません。
投稿: 工場長 | 2020年3月15日 (日) 10時08分
多分まだ若者さん
高齢者が日頃から口癖のように「早くお迎えに来て欲しい」と言っていても真に受けないでくださいね。
とは言え、将来世代を犠牲にして未来を奪うような施策は間違っているとも思います。
投稿: 工場長 | 2020年3月15日 (日) 10時09分