若者の演劇
友人の夫人が出演しているという劇団の公演に招待された。
JR中野駅南口の広場の周りの高層ビル街を抜け、小さな公園に隣接して、全く窓のない高さ10mほどの、なんとも不思議なビルが建っている。
そんなビルに3つの小さな劇場が入っているのだという。
友人の夫人の出演する「PETRICHOR」は、地下の劇場、客席60席位の小さな劇場だ。
入り口には白い提灯が飾られていた。
人口の減少が進む東北の海辺の町に海洋生物研究所ができ、都会から新たな住民が流入し、地元の人々との交流も生まれた。
そんな町が東日本大震災の津波に襲われ、父親、子供、家族、知人が亡くなった。
夏祭りの夜、真っ暗な海に浮かぶ光に誘われるかのように、
祖母が家族、知人に会うのだといって、海に向かってふらふらと歩き出す。
その姿に、能のあの世とこの世を行き来するような不思議な感覚に陥る。
この劇団は20代、30代の若者中心の劇団らしいが、
そこにまだ友人の夫人が客演として参加し、可愛らしい祖母役を演じていた。
その祖母役を演ずるのが妻木尚美氏だ。
若者たちが懸命に演ずる演劇には、
三谷幸喜等の洗練された演劇とはまた違った、エネルギーに満ちた、逞しい世界があることを教えてくれた。
元安川
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