藤原正彦著の「国家の品格」を読んだ。
藤原正彦著の「国家の品格」を読んだ。
2005年第1刷発行というが、手元にあるのは2005年第25刷だ。
1年間ほどの間に25刷というのだから爆発的に売れたことがわかる。
バブル景気は弾けたが、まだその余韻が残っていた頃だ。
25刷目を買って、そのまま本箱にしまわれていた。
買ったが、なんとなく気分が乗らなかったのだろう。
買ってから13年も経つと、素直な気分で読めるようだ。
藤原氏が週刊新潮に書かれていたコラムは楽しく読んでいたが、最近終了してしまっていた。
そんなこともあって読んで見ようという気になったようだ。
書いてあることは、なかなか面白い。
「日本は品格ある国家であるが故に、植民地にならなかった」
のだという。
日本が品格ある国家であるというのは、
「5世紀から15世紀にかけての千年間に、日本の文学が全ヨーロッパの文学を凌駕した。
江戸時代260年間にわたり平和を実現し、文化芸術のはなを咲かせた。
識字率も世界一だったと思われる」
ということから説明している。
そして日本には
「美しい自然がある。
神や仏や自然に跪く心がある。
役に立つものとか、金銭を低くみる風土がある」
のだともいう。
しかし、
その日本は「市場原理主義によって全てのものがズタズタにされた」
という。
今ここで「世界を救うのは日本だ」
というプライドを持って進むべきだともいう。
ろんりの進め方、結論は大変心地よいが、
世界はこの10年くらいの間にデジタル時代、インターネット時代となり、まったく次元の違う世界になっている。
そのデジタル時代に、この論理が相応しいか否かとなるとちょっと心細くなる。
それでも、2020年に膨大な数の外国人を迎える今、読む価値のある本ではある。
お薦めしたい。
元安川
« 竹林のアプローチ | トップページ | 元関電副社長「歴代総理らに年間数億円を献金」ー5年前のニュースですが… »
「書籍・雑誌」カテゴリの記事
- 藤原正彦著の「国家の品格」を読んだ。(2019.10.07)
- 手塚治虫記念館を(2019.09.21)
- 「広島経済」について(2019.09.04)
- 本を400冊くらい捨てた。(2019.05.09)
- モダンジャズのBGMのブックカフェ(2018.11.04)
コメント