千葉市の懸垂式モノレール
久しぶりにJR千葉駅で降りた。
千葉駅駅に接して懸垂式モノレールが走っている。
懸垂式モノレールとは珍しい。
太い線路にぶら下がって、大きな車両が走る姿はなかなか壮観だ。
ギネス世界記録にも認定されているという。
千葉市のモノレールは
総営業距離15.2km
資本金 1億円
売上高 35億6千万円(2019年3月期)
営業利益 6億9千万円
対して広島のアストラムラインは
総営業距離 18.1km
資本金 100億円
売上高 48億8千万円 (2019年3月期 )
営業利益 5億円
ざっと見た感じは両社とも黒字になっているから、その違いは殆ど無いように見えるが、
ここに至るまで、千葉市はモノレール会社を黒字化するために大変な苦労をしたようだ。
設備投資金額がそれぞれどうであったかは、わからないが、
千葉市のモノレールとアストラムラインをこの数字だけから比較してみると、
営業距離は2割の違いだが、売上高は3割も違う。
千葉市のモノレールはアストラムラインに比べて、売上高が相対的に1割も少ないことが大きな負担になっていたことが窺える。
アストラムラインは未だ当初の資本金100億円を維持しているが、
千葉市のモノレールは、これまでに、資本金を99%、1億円に減資したり、
貸付金の204億円を株式化したり、
軌道資産の簿価90億円相当を千葉市に無償譲渡したり、設備更新費の大幅削減を行ったりしている。
結果、現在7億円の黒字になっているのだから、その効果は充分あったといえる。
若いカップルが住宅ローンの負担で苦しんでいるケースと
住宅ローンの終わった高齢者とに似ている。
こうした大きな投資を伴う公共交通機関の場合も、
その 建設に伴う設備投資金額をいかに減らし、スタートさせるかがポイントであることがよくわかる。
慌てることはないともいえる。
横浜の新交通システムのように、
営業利益を確保しようと無理をすると、事故が起こることにもなりかねない。
無人化したからだというのは、ちょっと違うように思う。
最近鉄道の役割、価値が見直されている。
幸い広島地区では、広島電鉄は現在も残っているし、
アストラムラインは新白島駅の建設もあって順調に推移しているようだし、
JR西日本の広島圏内の経営もまあまあのようだ。
公共交通機関の充実してしている都市は、観光客にとって大変魅力でもある。
その価値をどのように海外からの観光客の誘致につなげるかが、
今後の課題ではないだろうか。
元安川
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