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2018年9月30日 (日)

シドニーオペラハウスのガイドブック

2007年、ウッツォンの設計したシドニーオペラハウスはピラミッドや万里の長城と一緒に世界遺産になった。
いまだに最も新しい建築として、その記録は破られていないという。

シドニーの街の最も景観の美しい岬に建っていることもあり、その存在感は圧倒的だ。
そんな有名な建築について、私が触れるまでもないことだと思っていたが、
オペラハウスで、せっかく来たのだからと買い求めた94ページほどのガイドブックに結構面いことがいくつも書いてあった。

シドニー市内には、このオペラハウスができる以前からオペラハウスはあったとのことだが、さらに大きなオペラハウスが欲しいということになり、
場所はどこにするか、設計をどうするか等様々に議論がされ、
結局建設予定地は現在建っている場所と決まり、世界中からの設計コンペを行うことにしたという。
当選したのは、当時全く無名の39歳のデンマークのウッツォンの案に決まったという。
ウッツォンの案はイメージスケッチということもあって、すんなりウッツォンに決まったわけではなく、審査員の1人であったサーリネンが強く押したからであるとのことだ。
サーリネンはニューヨークJFK空港のTWAビルの設計者として有名だが、丹下健三氏の設計した代々木競技場の設計のヒントを与えた人としても有名である。

設計が決まったのが1956年、
そこから幾多の困難に堕ちいるわけだが、
中でも一番の問題は、あの兜のような曲線を描いた外形はシェルの技術を使えばさして難しいことではないと思われていたが、計算尺を使って計算する時代にあっては、大中小様々の大きさの外形を作るのは容易ではないということが明らかになり、
それこそ計画が継続されるかどうかに直面したのだという。
その時、ウッツォンから「丸い球から切り出したような形にすれば、大きさに関係なく円形の外形ができるのではないか」という提案があり、建設を継続することができるようになったのだという。
確かにそうだ。

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直角で交わるのが常識の建築界にあって、曲線の形を作ることはかなり難しいようだ。
工事期間が大幅に延びただけでなく、予算は何回も変更され、
とうとうもうウッツォンには任せておけないということになり、
最後の頃には、顧問のような立場に追いやられたことから、ウッツォンは辞任して国に帰ってしまったという。

何しろ工事費は当初予算700万ドルだったものが、竣工時には1億200万ドルと14.5倍となってしまっている。
延びに延びた工事期間はオペラハウス工事のため既存施設が解体された時から計算すると、着工1958年、竣工1975年と、なんと17年もかかっている。
その工期の長さ、予算オーバーの額の桁外れの大きさは、現代建築にあってはありえない話だ。

丹下健三氏の設計の代々木の国立競技場は予算の3倍かかったと大騒ぎになったといわれていたが、そんなのは可愛いいもんだとすら思えてくる。

当初計画ではコンサート、オペラのための大ホール3000~3500席だったのが、
完成した時には大ホールは2679席と大幅に縮小されただけでなく、大ホールではオペラを演ずることもできなくなってなっているそうだ。

設計者が生きてる間に、設計した建物が世界遺産になったのは史上初めての人だという。
結果として、ウッツォンは極めて幸せな建築家となったということだ。

ここで忘れてならないのは、こんなとてつもないプロジェクトを作ろうと決断したのは時の首相ジョン・ジョセフ・カールだという。
彼はこうなることをイメージしていたのだろうか。

元安川

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形が奇抜なだけで、オペラホールを作る目的なのにそれができないホールとなったのは、建築としては失敗になるのではないでしょうか?
東京オリンピックのために新築される国立競技場の最初のコンペに合格した案を、強引に建築したとしたら同じようになったのでしょうか。

投稿: やんじ | 2018年10月 2日 (火) 05時07分


やんじさま

当初想定した「3000人を超える規模の収容人員のオペラハウス」
という目的が実現でなかったから失敗だ。
というのか、
「世界遺産に登録された」から大成功だというのか、
面白い議論ですね。

どうも今のシドニーの人たちは「3000人を超える規模の収容人員のオペラハウス」を作るなんて目的はすっかり忘れてしまっているようでした。

投稿: 元安川 | 2018年10月 2日 (火) 13時54分

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コメント

形が奇抜なだけで、オペラホールを作る目的なのにそれができないホールとなったのは、建築としては失敗になるのではないでしょうか?
東京オリンピックのために新築される国立競技場の最初のコンペに合格した案を、強引に建築したとしたら同じようになったのでしょうか。

やんじさま

当初想定した「3000人を超える規模の収容人員のオペラハウス」
という目的が実現でなかったから失敗だ。
というのか、
「世界遺産に登録された」から大成功だというのか、
面白い議論ですね。

どうも今のシドニーの人たちは「3000人を超える規模の収容人員のオペラハウス」を作るなんて目的はすっかり忘れてしまっているようでした。

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