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2018年1月19日 (金)

「日の名残り」人生と記憶

「ヒロシマの心を世界に」コメントでも書いたように、昨年のノーベル賞受賞作家カズオ・イシグロの「日の名残り」を読みました。

https://www.youtube.com/watch?v=8_oU0x_6DmM

https://www.youtube.com/watch?v=FVuz8FWyFw0

小説は殆ど読まないので、その前に読んだ小説と言えば村上春樹の「色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年」ですから5年ぶりということになります。

今回は、日本生まれの小説家がノーベル賞を受賞したこと、それも私と同じ被爆二世で、同じ世代、母親から「ヘイワ」の大切さを教えられて育ち、若い頃はボブ・ディランのようなシンガーソングライターを目指し、父親は科学者でありながら音楽家でもあり作曲もしている、など作者本人への興味からAmazonでKindle版を購入し、その日のうちに読んでしまいました。

物語は、英国の名家に仕えてきた執事が第二次世界大戦後の1956年(3歳の私が広島に来た年)に思い返す第一次世界大戦から第二次世界大戦に至る時期の回想を交えて進みますが、常に次を期待させる展開で、なかなか途中でやめられず、一気に読んでしまいました。(現実にはiPadが読むのを聴いていただけです)

内容は恋愛感情を絡ませながら、間違っていると思いながらも意見を言わないことの責任を問うシーン、逆に無知な大衆の浅い考えより見識のある人達による深い考えの方が正しいのではないかという主張、など、民主主義の根幹に関わる問題提起も多く、考えさせられる内容を多く含んでいました。そこには英国固有の問題でもなく、執事という職業固有の問題でもないが、その設定でこそ鮮明に描ける普遍的なテーマが描かれていました。

この小説のモチーフは「記憶」です。記憶という非常に曖昧なものを中心にして行われる物語の展開は他の表現方法では難しい、まさにカズオ・イシグロの小説の醍醐味かも知れません。

実は、私が60歳を過ぎて行っているのは殆ど「終活」であり過去の整理です。これまで見直すこともなかった写真の中には完全に忘れているものも多く、「鮮明に残っている記憶」の中には間違っているものもありました。そして、この30年余りのことの多くは、文章、メール、写真、動画など、見返せないほどの量のものが残っています。

こうして自分の人生=記憶を整理している私に、この小説はあまりにハマりすぎていて、肝心の「記憶」というテーマについては、却って何も書けませんが、そこは原作をお読みくださいとしか申し上げられません。

いずれにしても、小説は事実ではないが、特定な状況を設定するからこそ、より鮮明に真実を伝え得るもので、読者に何かを教えるというより、自ら考えさせることのできるものだ、ということを再認識しました。

https://www.youtube.com/watch?v=ZW_5Y6ekUEw

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