アメリカのプロスポーツ選手たちの破綻
先日、面白い記事を目にした
「アメリカのプロバスケット(NBA)選手の平均的キャリアは4.8年、平均年俸は約5億円、生涯賃金約20億円強だ。
引退後、5年以内に60%の選手が自己破産をする。
アメフト(NFL)の選手は平均に3.5年のキャリア、平均年俸約1.7億円、生涯賃金5.5億円である。引退後、5年以内に70%が自己破産する」
プロ野球(MLB)の選手はどうなのか、調べて見ると、平均年俸は4.6億円のようだが、平均寿命についてはうまく見つからなかった。
いずれにしろ、かなりの高い率で、MLB選手も自己破産をしていることは確かだろうと思う。
日本のプロ野球選手の平均寿命は9年、平均年俸は3826万円だという。
日本のプロ野球選手の寿命はかなり長い。
アメリカのプロスポーツ選手の年俸の凄さにも驚くが、
その寿命の短さ、
そしてそれだけの大金を手にしながら、
殆どの選手は引退後破産しているということにも驚く。
なぜアメリカではこんなことが起こるのに、
日本では引退後破産したということはあまり聞かない、
というのは、どうゆうこと?
アメリカでは、お金の使い方について適切にアドバイスしないからだとも指摘されているが、
それもあるだろうが、
「選手にしてみれば、折角こんな大金を手にしたのだ。
大金持ちの生活をしてみたいからと、このときとばかりに、湯水の如くお金を使うのだ」ということの方が多いように思う。
面白い説明だ。
選手にしてみれば、
「もともと何もない、無一文から成し遂げことだ。
この成功の報酬を失っても、次またやり直せばいい」
という思いが、どこかにあるのではないだろうか。
成功して、破綻して、またやり直す。
それが、アメリカンドリームということではないだろうか。
対して、日本には
「この成功を、失ったら、
あとは転落の人生が待っているという恐怖感が、ベースにある」
といえそうだ。
あの甲子園で優勝した斎藤祐樹は大学を卒業してから、日本ハムに入ったし、
高校生、大学生の野球選手の勧誘にあたっては、
球団は「引退後は、本社での雇用を保証します」
といってるとも聞く。
日本人の貯蓄率が高く、企業の社内留保額は膨大になっているということも、
国民皆保険制度も、日本ではベンチャー企業が生まれないということも、
皆同じ思考によるのではないだろうか。
もう大分前だが、
「ハーバード大学のビジネススクールの卒業生の、
優秀な奴は、自分で会社を起こす、
成績の悪い奴は大企業に就職する」
と聞いて、びっくりしたことがある。
無からスタートすることがDNAとなっているアメリカ人と、
継続を旨とし、その組織の中で、出世することがDNAとなっている日本人の違いを感じる。
しかしそれも、今、
そんなことが、吹き飛びそうなことが起こっているようだ。
産業革命がイギリスで起こり、アメリカで発展し、
それまでの植民地主義が吹き飛んだともいえる。
そして今、デジタル革命がアメリカで起こり、
中国、インドetc.で、発展、爆発しつつあるように、
デジタル革命という、
全く違った次元の文化が、今生まれようとしていると見る必要がありそうだ。
世界を股にかける全く新たなスポーツが生まれるかも知れないし、
それらのプロスポーツ選手はさらに膨大な収入を得るようになるかも知れないのだ。
そして破綻する。
そして今、資本家とは全く縁のなかった人々が巨大な収入を得つつもあるのだ。
そして破綻する。
?
あのメチャクチャに膨大なマルクスの資本論を無意味にしつつあるようだ。
???
本棚に飾ってあった、資本論全巻を真っ先に断捨離した。
元安川
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米国人は自宅の評価価格が上がれば、その額を消費に廻すと言われているが、
昔の江戸っ子も宵越しのお金は持たないと共通する部分かもしれない。
阪神の金本監督が現役時代に当時の友人にお金を融通したが、その後音信不通
になったという話を聞いた事があります。スポーツ選手は洋の東西を問わず
お金の管理に疎いのかもしれません。
投稿: 鯉の応援団 | 2018年1月28日 (日) 06時04分
鯉の応援団さま
スポーツ選手に限らず、
芸能人や芸術家、技術者等、その才能に生きる人にはありがちなことですね。
ソニーの井深さんと盛田さん、ホンダの本田さんと藤沢さんのような二項対立のような関係を作ることが、リスクヘッジをするには好ましいことなのでしょうね。
投稿: 元安川 | 2018年1月28日 (日) 10時31分
%の高さに少し驚きました。1度も贅沢を知らず貧乏でいるのと
ほんの一時でも贅沢を経験するのと、どっちが良いのか?w
投稿: ⑦パパ | 2018年1月29日 (月) 09時24分
➆パパさま
アメリカ人はそれがバブルだとわかっていても、それを経験したいと思うのに対し、
日本人はその後の悲惨さ、苦労を思うと、そんなことは嫌だと思うという違いがあるのでしょうね。
アメリカは若い人にとっては素晴らしい国ですけど、
年寄りには辛い国だという感じもします。
日本の若者は、お金に関係のない世界を目指しているようにも感じます。
投稿: 元安川 | 2018年1月29日 (月) 11時02分
アメリカは金融経済ではトップであり、格差も半端ではないですね。
かなり大雑把ですが、庶民の年収が300万円、エスタブリッシュメントが3千万円、金持ちが3億円、CEOが30億円、ファンドマネージャーのトップクラスは300億円と言われています。
その階層に相応しい生活をしていると、階層が下がるあっという間に破産です。
投稿: 工場長 | 2018年1月30日 (火) 08時05分
工場長さま
庶民が300万円、
エスタブリッシュメントが3000万円、
という格差がトランプ大統領を産み出したのでしょうね。
だからといって、
その格差がなくなりそうにないのが、
またアメリカですね。
投稿: 元安川 | 2018年1月30日 (火) 10時13分
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昔の江戸っ子も宵越しのお金は持たないと共通する部分かもしれない。
阪神の金本監督が現役時代に当時の友人にお金を融通したが、その後音信不通
になったという話を聞いた事があります。スポーツ選手は洋の東西を問わず
お金の管理に疎いのかもしれません。
投稿: 鯉の応援団 | 2018年1月28日 (日) 06時04分
鯉の応援団さま
スポーツ選手に限らず、
芸能人や芸術家、技術者等、その才能に生きる人にはありがちなことですね。
ソニーの井深さんと盛田さん、ホンダの本田さんと藤沢さんのような二項対立のような関係を作ることが、リスクヘッジをするには好ましいことなのでしょうね。
投稿: 元安川 | 2018年1月28日 (日) 10時31分
%の高さに少し驚きました。1度も贅沢を知らず貧乏でいるのと
ほんの一時でも贅沢を経験するのと、どっちが良いのか?w
投稿: ⑦パパ | 2018年1月29日 (月) 09時24分
➆パパさま
アメリカ人はそれがバブルだとわかっていても、それを経験したいと思うのに対し、
日本人はその後の悲惨さ、苦労を思うと、そんなことは嫌だと思うという違いがあるのでしょうね。
アメリカは若い人にとっては素晴らしい国ですけど、
年寄りには辛い国だという感じもします。
日本の若者は、お金に関係のない世界を目指しているようにも感じます。
投稿: 元安川 | 2018年1月29日 (月) 11時02分
アメリカは金融経済ではトップであり、格差も半端ではないですね。
かなり大雑把ですが、庶民の年収が300万円、エスタブリッシュメントが3千万円、金持ちが3億円、CEOが30億円、ファンドマネージャーのトップクラスは300億円と言われています。
その階層に相応しい生活をしていると、階層が下がるあっという間に破産です。
投稿: 工場長 | 2018年1月30日 (火) 08時05分
工場長さま
庶民が300万円、
エスタブリッシュメントが3000万円、
という格差がトランプ大統領を産み出したのでしょうね。
だからといって、
その格差がなくなりそうにないのが、
またアメリカですね。
投稿: 元安川 | 2018年1月30日 (火) 10時13分