動物園 と「ダーウィンがやって来た」
このゴールデンウイークに多摩動物公園にいった。
動物園は10年以上年前に広島市動物公園に行ったとき以来だから、随分と久しぶりだ。
モノレールの多摩動物公園駅を降りると、すぐ目の前がゲートだ。
大きなゾウの彫刻が、園内の管理用だろうか、ゲートの上を通るコンクリートの道路の柱を背負っている。
ゾウが道路を支えているように見える。
面白い。
園内には、こうした動物と人とのかかわりの仕方の、あっと驚くような仕掛けがあちこちで試みられている。
多摩動物公園は多摩丘陵の東斜面にあり、
60haという広い敷地は、谷、尾根があり、鬱蒼とした森になっている。
その森の中にヒョウやシカやサイやコアラ等のゾーンが設けられ、
それらのゾーンがかなり離れ、その作り方もそれぞれ異なっているので、
あたかも全く別世界にきたように感じるようになっている。
どのゾーンでも、動物達は、金網の向こうにいるのではなく、
鉄柵のすぐ近く、手が届きそうなところだったり、透明のフェンスの向こうにいる。
巣は岩の裏にあるのだろうか。
あたかもそこで普段生活しているかのように横たわっている。
オランウータンは生活ゾーンから、電信柱ほどの高さに張られたロープを伝って150mもの先までいくこともできるようになっている。
網と細い鉄骨で組み立てられた巨大な空間の中には、
クロツラヘラサギ、クロトキ、コウノトリなどの鳥がいる。
その脇を、人は低い柵で仕切られた路を歩いて行けるようになっている。
たまに鳥たちが路を横切ることもあるようだ。
「ウォークインバードケイジ」だという。
上手い仕掛けだ。
モルモットのゾーンでは、
モルモットを抱けるようになっている。
カンガルーの彫刻の前では、お腹の袋から人が顔を出せるようになっていたり、
トナカイの彫刻には人が跨げるようにもなっている。
そんな子供たちを、親は皆懸命に写真を撮っている。
トナカイのゾーンでは抜け落ちた角が飾られていた。
長さ50cmくらいの比較的小さな角でも、1本、2.5kgもあるという。
そんな重いのが頭に乗っているとは、
ちょっと驚く。
それも毎年、オスもメスも生え変わるのだという。
そういえば、
「軽井沢の北、六里ヶ原の気候がトナカイの住むフィンランドの北の気候と似ているということで、フィンランドからトナカイを輸入して放したが、
あっと言う間に、全滅してしまった」と聞いたことがある。
人がほとんどいず、黴菌の全くない北極圏から、寒いとはいえ、黴菌だらけの日本にきたことで、トナカイは死亡してしまったということらしい。
ここのトナカイはどうして大丈夫なのか気になるところだ。
密猟等も含めて、様々の理由で絶滅の危機にある生物は多いという。
地球の生態系にとって、生物が多様であることの意味は大きい。
動物園は、その多様性の意味も教えてくれる。
毎週日曜日の夕方、NHKテレビで『ダーウィンが来た! 〜生きもの新伝説〜』を放送している。
自然界での動物の様々の生態が知れて、面白い。
2006年から放送しているというから、
その記録のストックはもう600本を超えているはずだ。
動物園に行けば、
「ダーウィンがきた」も見られるようにしたらいい。
広島市動物公園でも、NHKと協力し、そうしたことができるようにしたらどうだろうか。
動物園がより魅力的になり、多様な役割を果たすためには、
動物園そのものも多種多様化すべきなのだろう。
元安川
*お願い
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