芽吹きとナショナルトラスト
都心から20kmほど西に「となりのトトロ」の舞台となったといわれる狭山丘陵がある。
東京都と埼玉県に跨り、狭山湖、多摩湖を囲み、
狭東西11km、南北4km、総面積約3,500haの広大な緑地が広がっている。
その狭山丘陵の東西南北は市街地に囲まれ、それこそ陸の孤島のようにある。
実家が、ここに越してきたきた頃、落ちる枯葉の音に驚いたことがある。
秋になるとクヌギ、コナラのドングリが屋根に落ちる音は目が醒めるくらいに大きい。
都心より5〜7℃くらい気温が低いこともあってか、
狭山丘陵の樹木はほとんど全てが落葉樹だ。
秋になると、くるぶし位まで落ち葉が山道を埋める。
ゴールデンウィーク前の今頃は、
ヤマザクラの白やピンクの花が咲き、赤い葉も、あたかも花のように、
クヌギ、コナラ、エゴ、カエデの芽からの数cmに伸びた薄緑、白い葉も花のようにみえる。
山一面を覆う薄緑の霞んだような様は、なんとも美しい。
満開の花が咲くのとは全く違った趣きがある。
こんな様子を、日本人は「芽吹き」と呼び、
「冬の間、じっとこらえていた息を、いっせいに吹き出したようす」
「芽が出る、と同じように、
幸運がめぐってくるという意味でも使われ、
長い間の我慢や努力が報われるという含みがあります」
とも捉えてもいるようだ。
こうした四季折々に変化する日本のデリケートな美しさに惹かれ、
オーストラリアに住む息子の義理の両親は、度々日本に来られるようだ。
多摩湖狭山湖は東京都の水道水の貯水池として、近くに寄ることもできないほどに保護され、
周辺の緑地はほとんどは東京都立、埼玉県立の公園となって保護されている。
民有地については、
1990年頃からナショナルトラスト「トトロの森」が組織され、
土地を買い取り、古民家を移築し、残された里山の風景を守ろうと活動している。
すでに928,832,913円も集め、41ヶ所、7.万m2の土地取得しているという。
http://www.totoro.or.jp/intro/
広島には、元宇品の国立公園、比治山、アストラムラインで囲まれた権現山一帯と緑地はそれこそ山ほどあるが、
それは当たり前のこととして放置されている。
その美しさ、素晴らしさは、それなりにきちんと整備されなければ、荒れてしまう。
次の時代に伝えていく仕組みがこれから必要だ。
元安川
*お願い
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