弁護士が不要になる!
弁護士事務所に行くと黒ぽい背表紙の膨大な量の法令集や判例集が本棚に並んでいる。
その量にはいささか圧倒される。
今時、書籍でなく、DVDやハードディスクに保存してあれば、
こんな大げさな本棚は必要ないだろうし、
その方が検索もし易いと思うが、
それにしても弁護士は、これだけの量の本を読み、理解し、記憶していると思うと、
それだけで尊敬したくなる。
裁判にあっては、証拠、言い分を積み上げていけば、自ずと結論は出てくるのではないかと思っていたが、どうもそうではないらしい。
テレビの「行列のできる法律相談所」などを見ていると、結論が1つに収斂するのでなく、いくつかに割れている。
かなり多様な視点、切り口、反論の仕方があることがわかる。
しかし最近の人工知能・AIの技術を使って、証拠を集め、反論の仕方を検討することが可能になりつつあるとの記事が、先日の日経新聞「AIと世界」に載っていた。
【米首都ワシントン。大手法律事務所コビントン&バーリングのエドワード・リッピー弁護士は最近、大きな案件ではほぼすべて人工知能(AI)を活用する。ちゃんとAIを使ってください――。資料や証拠が整理されていないと、判事から指導されるからだ。
米国では弁護士の主要作業の一つ、証拠集めはAIが主役だ。メールなど膨大なデータから学習しながら必要な情報を探す。若手弁護士の仕事だったが今はAIに探したい証拠の特徴を教えるだけ。リッピー氏は「弁護士費用削減で顧客への請求額を2割強減らせた」。
この事務所では所員教育の柱の一つをAIとした。昇進にはAIを使いこなすことが求められる。AIが代替する弁護士業務もこれから増えていくだろう。AIを操れない人はAIに淘汰される厳しい時代に入った】
というのだ。
友人の弁護士に聞けば、
「AIで仕事の効率があがるのは嬉しいですね。
まだ広島ではそんな話も出ていないですが,東京ではAIを取り入れようとする動きが出てきているところです。
弁護士業界では,弁護士がいらなくなるのではないかとも言われています。
訴訟では,これまでの判例に忠実に行われることがほとんどなので,一定程度プログラム化しやすいともいえるでしょう。
AIが,交渉の場という微妙な人間関係やフィーリングによって手順を判断することができるのか,という疑問はありますが,近い未来にできるようになってしまうかもしれません。
進化を喜ぶべきなので,そのころまでに別の仕事を探さなくてはならないかもしれませんね」
と笑っていた。
先日、将棋の三浦九段がスマホのアプリを使ったのではないかと問題にもなったが、
そのうち裁判で、弁護士がスマホアプリに負けたなんてことが起こりそうだ。
最近は投資の世界もフアンドマネジャーの時代は終わり、AIの開発者が競い合う時代になりつつあるともいう。
友人の弁護士は笑っていたが、
弁護士不要の時代が本当にくるかもしれない!
元安川
*お願い
この文章の下にある《広島Blog》というバナー(画像)を クリックしてください。
日本の弁護士なんて殆ど代書屋のようなものですし、裁判にしても裁判官と検事と弁護士がお友達ということも多く、AIの方が遥かにマシな仕事をするでしょう。今や最先端医療もAI頼みですし、看護師より先に医師がAIに替わると言われています。それどころか、小説も作曲などの創作分野までAIが進出しており、人間の職場はなくなるでしょう。
そうなれば、人間は全ての人がかつての貴族のように趣味に生きればいいので、働くのはかつての奴隷のように機械が行えば良いだけです。通貨とか経済というものもなくなるかも知れません。当然、戦争も。
投稿: 偽貴族 | 2016年11月10日 (木) 07時42分
にせ貴族様
人は遊ぶ存在であるという意味での「ホモ ルーデンス」
という言葉もあります。
趣味、遊びで生きられるようになればいいですね。
でも、遊び感覚で戦争をやられては困りますね。
投稿: 元安川 | 2016年11月10日 (木) 08時00分
AI弁護士の場合、過去の判例を基にデータ分析をしながら、
裁判で争っていくのでしょうが、
大岡裁判のような心情をくみ取った判決が言い渡されるように
進めていける弁護士になり得るのでしょうか?!
投稿: takako | 2016年11月10日 (木) 09時42分
takako様
公平であることと、人情を加味することを両立させるのは、
なかなか悩ましいことでしょうね。
それが、裁判員制度の目的の一つなのでしょうかね。
投稿: 元安川 | 2016年11月10日 (木) 10時08分
そもそも「大岡裁判」のような心情をくみ取った判決は殆どなく、お上の顔色を見たような最高裁の判決が殆どだという現実があります。
ですから、AI判事の方が遥かにマシでしょう。
既に芸術分野にもAIが出てきていますし、ビッグデータ頼みの学習手法から、もっと人間的な学習方法によって飛躍的な進歩を遂げることも期待されています。
人間は趣味に生きて後はAIに任せましょう。
投稿: 偽貴族 | 2016年11月10日 (木) 12時00分
偽貴族様
なんでもかんでも裁判に持ち込むアメリカは、
裁判の費用と時間で崩壊するだろうともいわれています。
AIによる裁判で費用と時間が削減されればいいですね。
逆に、さらに増えることになったら、
おちおち遊んでもいられませんね。
投稿: 元安川 | 2016年11月10日 (木) 15時14分
興味深いお話をありがとうございます。
プロ棋士も我々も,人工知能にはない人間力を磨かないと生き残ることはできませんね。
もっとも,そもそも人間力によって何が出来るかというと甚だ疑問で,裁判官・検事・弁護士が不要となる争いがない,あるいは争いを当事者で解決できる世界こそ理想ですので,そういう世界が到来することを私も祈っています。
投稿: ふぃーゆパパ | 2016年11月10日 (木) 20時55分
ふぃーゆパパ様
戦い、争い、競う、
は遊び、ゲーム、スポーツとみなせる範囲であって欲しいですね。
投稿: 元安川 | 2016年11月11日 (金) 08時10分
AIは、法律と過去の判例をもとに判断するのでしょうから、過去に冤罪が多かったなら、冤罪は増えるかもしれませんね。
そして、調書の書き方によってはAIの結論も誘導されるかも。
「AI」も人間がその元を作るのですから、AI万能という考え方は、古い宗教と同じことになるのではと、とても危惧してます。
投稿: やんじ | 2016年11月23日 (水) 12時21分
やんじ様
島田裕己氏が「スマホが神になる」という本で、
現代にあってはキリスト教、イスラムキリスト教の信者は減り、
スマホに夢中になっている。
それはあたかもスマホが神になったようた感すらあると指摘しています。
そこには膨大な間違い、悪、詐欺の類が潜んでいますから、
人類はパンドラの箱を開けてしまったようですね。
でももうあの古きよき時代には戻れないのです。
どうしましょう。
投稿: 元安川 | 2016年11月23日 (水) 15時29分
« 優勝記念グッズ | トップページ | 大学が小さな街になる! »
「パソコン・インターネット」カテゴリの記事
- 本を聴く・Audible(2023.09.30)
- iPhoneの安全性(2023.08.11)
- iPhoneが急に熱くなることがあります。(2023.08.09)
- クーラーの「ドライ」について 2(2023.07.18)
- chatGPTに関連して(2023.05.03)
日本の弁護士なんて殆ど代書屋のようなものですし、裁判にしても裁判官と検事と弁護士がお友達ということも多く、AIの方が遥かにマシな仕事をするでしょう。今や最先端医療もAI頼みですし、看護師より先に医師がAIに替わると言われています。それどころか、小説も作曲などの創作分野までAIが進出しており、人間の職場はなくなるでしょう。
そうなれば、人間は全ての人がかつての貴族のように趣味に生きればいいので、働くのはかつての奴隷のように機械が行えば良いだけです。通貨とか経済というものもなくなるかも知れません。当然、戦争も。
投稿: 偽貴族 | 2016年11月10日 (木) 07時42分
偽貴族様
人は遊ぶ存在であるという意味での「ホモ ルーデンス」
という言葉もあります。
趣味、遊びで生きられるようになればいいですね。
でも、遊び感覚で戦争をやられては困りますね。
投稿: 元安川 | 2016年11月10日 (木) 08時00分
AI弁護士の場合、過去の判例を基にデータ分析をしながら、
裁判で争っていくのでしょうが、
大岡裁判のような心情をくみ取った判決が言い渡されるように
進めていける弁護士になり得るのでしょうか?!
投稿: takako | 2016年11月10日 (木) 09時42分
takako様
公平であることと、人情を加味することを両立させるのは、
なかなか悩ましいことでしょうね。
それが、裁判員制度の目的の一つなのでしょうかね。
投稿: 元安川 | 2016年11月10日 (木) 10時08分
そもそも「大岡裁判」のような心情をくみ取った判決は殆どなく、お上の顔色を見たような最高裁の判決が殆どだという現実があります。
ですから、AI判事の方が遥かにマシでしょう。
既に芸術分野にもAIが出てきていますし、ビッグデータ頼みの学習手法から、もっと人間的な学習方法によって飛躍的な進歩を遂げることも期待されています。
人間は趣味に生きて後はAIに任せましょう。
投稿: 偽貴族 | 2016年11月10日 (木) 12時00分
偽貴族様
なんでもかんでも裁判に持ち込むアメリカは、
裁判の費用と時間で崩壊するだろうともいわれています。
AIによる裁判で費用と時間が削減されればいいですね。
逆に、さらに増えることになったら、
おちおち遊んでもいられませんね。
投稿: 元安川 | 2016年11月10日 (木) 15時14分
興味深いお話をありがとうございます。
プロ棋士も我々も,人工知能にはない人間力を磨かないと生き残ることはできませんね。
もっとも,そもそも人間力によって何が出来るかというと甚だ疑問で,裁判官・検事・弁護士が不要となる争いがない,あるいは争いを当事者で解決できる世界こそ理想ですので,そういう世界が到来することを私も祈っています。
投稿: ふぃーゆパパ | 2016年11月10日 (木) 20時55分
ふぃーゆパパ様
戦い、争い、競う、
は遊び、ゲーム、スポーツとみなせる範囲であって欲しいですね。
投稿: 元安川 | 2016年11月11日 (金) 08時10分
AIは、法律と過去の判例をもとに判断するのでしょうから、過去に冤罪が多かったなら、冤罪は増えるかもしれませんね。
そして、調書の書き方によってはAIの結論も誘導されるかも。
「AI」も人間がその元を作るのですから、AI万能という考え方は、古い宗教と同じことになるのではと、とても危惧してます。
投稿: やんじ | 2016年11月23日 (水) 12時21分
やんじ様
島田裕己氏が「スマホが神になる」という本で、
現代にあってはキリスト教、イスラムキリスト教の信者は減り、
スマホに夢中になっている。
それはあたかもスマホが神になったようた感すらあると指摘しています。
そこには膨大な間違い、悪、詐欺の類が潜んでいますから、
人類はパンドラの箱を開けてしまったようですね。
でももうあの古きよき時代には戻れないのです。
どうしましょう。
投稿: 元安川 | 2016年11月23日 (水) 15時29分