セキュリティ
最近「あらゆるPC/Macから情報を盗める5ドルのラズパイ・デバイス」や「Wi-FiにつながっているスマホやPCから、仮に暗号化されていても入力時に情報を盗む技術」が話題になっており「ヒロシマの心を世界に」でも取り上げられています。
まず、通信におけるセキュリティーについてですが、原則的に距離が近くないと使えないものほど甘いもので、例えば無線で言えばモバイル通信(数km)、Wi-Fi(数十m)、Bluetooth(数m)、NCFやFeliCa(数cm)と甘くなりますが、実際にはアクセスできるエリアが限定されるので、リスクとしては大きくはならない、ということで、それより、より簡単に素早くアクセスできる利便性の方が優先されます。
ただ、情報を盗む技術は、こうした通信技術ばかりでなく、例えば、今や街中に設置され、多くのクルマにも付き始めている監視カメラを使ったものも開発されており、1台のカメラで一度に数百人の顔を認識し、その脈拍数までみるという技術もありますし、全く音が伝わらない距離からでも、空気の振動ではなく光で、近くにある壁のミクロン単位の振動から音声を復元するような技術まであります。
さて「ヒロシマの心を世界に」に書かれていたWindTalkerですが、その前に書かれたPoisonTapに比べても、悪用しようとする側のハードルは遥かに高く、簡単に使える技術ではありません。それこそ、それなりの組織から標的とされない限り現段階では心配する程ではなく、それよりもっと簡単に使える一般的な危険が沢山あります。
WindTalkerは従来から多くあったキー操作を盗むキーロガー(タイピングを記録し盗むソフト)の一種ですが、パソコンの中に入り込むような従来のものと比べると、標的にはアクセスし易いものの、その精度は低く、まだまだ研究段階と言えます。
さらに言えば、いくらシステム上のセキュリティがしっかりしたとしても、情報を管理する側からの情報流出は日常的に起きています。例えば日本でも最近になって利用が可能になったApplePayが、生体認証や利便性に加え評価されている点の一つは、個人情報の取扱いが極めて厳しく、小売店に対しても決済情報しか送らずに確認できるシステムを実現していることです。それに対し従来のクレジットカードの利用では、個人情報を含めたかなりの情報が小売店に渡されており、それまでの経路でいくらガードを固めても意味がないようなところもあります。
ついでに安全ということで書けば、毎年数千人の日本人の命を奪っているのが自動車です。日本の自動車メーカーは20年近く前から自動ブレーキの搭載を技術的に可能にしながら、国交省の指導で最近まで完全停止する自動車を市販することが出来ず、その間に海外では商用車の自動ブレーキが義務化されるなど、大きく遅れてしまいました。
今、高齢者の交通事故がやたら報道されていますが、取扱いを間違えたくらいで人命に関わるような製品こそが問題で、他の家電製品なら許されるはずもないことです。
話が飛びましたが、セキュリティというのは個別に考えても意味のないもので、総合的に見てどうかということになりますし、セキュリティ対策が利便性を損なう場合もあります。
ウィルス対策ソフトがパソコントラブルの原因となり、OSのアップデートによって使えなくなるパソコンが少なくないことは、Windows 10の強制的なアップデートで多くの人が経験したことです。
パソコンやネットでのセキュリティの基本は、データは常にバックアップし、パスワードは想定不能なものを定期的に変え、OSは常に最新のものにアップデートする、パソコンから離れる時はアプリは終了させてロックする、ということになりますが、この基本中の基本でも確実に行える人は少ないのが現状です。
最近、知人の何人かがfacebook、Instagram、LINEで乗っ取られたとの連絡がありましたが、いずれも簡単なパスワードで、新しく追加されているセキュリティ対策などは何も行っていませんでした。
次回に続きます。
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