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2016年5月 3日 (火)

自動車産業の危機

自動車産業は日本の基幹産業ですが、自動運転により、大きく変わることが予想されています。

そして、自動運転は3つの面で、従来の自動車メーカーにとって、大きな脅威となります。

一つは電気自動車が主流になることで、テスラのようなベンチャー企業の台頭が考えられることです。

自動車を作る上で最もハードルが高いのがエンジンとミッションで、それを作れる企業が自動車メーカーであり、他の部品の多くは下請けが作っているものですが、そのエンジンもミッションも要らない電気自動車は趣味でも作れるほど簡単になり、GoogleやAppleの参入も秒読み段階です。

ニつ目は、自動運転により、自動車産業で、どこが主役になるか、ということです。

現在のパソコンや携帯の市場において、製造メーカーは決して主役ではなく、ある時期からソフト(OS)メーカーが主導権を握ったように、自動車も同様の途を辿る可能性があります。

パソコンでは、かつては国民機と言われたNECの98シリーズが国内の9割近いシェアを持っていた時代がありました。

携帯も国産メーカーが8社もあり「日本の携帯は高機能で優秀だ」と言われていた時代がありました。

しかし、現在では、いずれも米国製のOSを入れる入れ物にしか過ぎなくなっていますし、その入れ物すら多くの国産メーカーは撤退を余儀なくされました。

既にアメリカ、ドイツ、韓国などは当然として、中国も自動運転の自動車を開発し、アメリカのベンチャー企業であるテスラの自動運転車は日本の公道を走っています。
http://hiroshima.moe-nifty.com/blog/2016/01/post-54aa.html

Googleはもっと進んでいますが、2年前のメルセデス・ベンツでも、このレベルです。
https://www.youtube.com/watch?v=UGYItnzGXnc

しかし、日本では、欧米の多くで義務付けられている自動ブレーキすら、装備していない自動車が多く走っており、つい先日も、山陽自動車道のトンネル事故のような悲惨な事故を起こしています。

三つ目には、Uberのような配車システムにより、所有から共有への流れです。

いずれ、自動車を所有する人は運転手付きの自動車を持っているような富裕層か、マニュアルのスポーツカーに乗っているようなマニアに限られてくるでしょうから、自動車の販売台数は激減するでしょう。

Uberはメルセデス・ベンツの最上位モデルを10万台発注したと報じられていますが、その台数はメルセデス・ベンツの年間販売台数に匹敵します。僅かな期間で従来の公共交通を大きく変えそうな勢いです。
http://hiroshima.moe-nifty.com/blog/2016/01/post-9219.html

そして、公然の秘密で自動車を作っていると言われるAppleは、そのUberと、世界一の電気自動車メーカーのテスラ、ついでにTwitterとAirbnb、ヤフーまでも纏めて買っても、まだまだ余るほどのキャッシュを持っています。

自動車産業の未来は決して明るくはないように思えます。

トヨタの自動運転技術
https://www.youtube.com/watch?v=of9-zKSLBUA

この動画にあるようなレーダークルーズコントロールやレーン・トレース・コントロールは10年前からあり、私も乗っていましたし、今時こうした技術のない自動車メーカーがあるのだろうかとさえ思います。

少なくとも「交通安全環境研究所」「自動車技術総合機構」のような天下り団体が関与し続ける自動車産業の未来は暗いように感じます。

http://hiroshima.moe-nifty.com/blog/2016/04/post-6399.html

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自動ブレーキは早くから日本で開発されたものの、官僚が法的な責任が曖昧になるなどを理由に認めず、その間に他の国では義務化まできています。
その間に、それさえあれば防げた事故で多くの人が亡くなっています。
こうして官僚は多くの国民を殺しています。

投稿: ケン | 2016年5月 3日 (火) 09時34分

ケンさん

確か、日本の自動車メーカーが自動ブレーキを開発し販売したのは20年前だったと思いますが、機械が勝手にクルマを停めるのは問題があると行政指導が入り、すぐに消え、2010年までは自動で減速するのは良いが停止はいけないことになっていたようです。

そして、その間にヨーロッパでは商業車への自動ブレーキが義務付けられ、アメリカでも全ての自動車への自動ブレーキの義務化が決まっています。

もともと役人というのは変化を嫌いますが、何より既得権を失うことは避けようとします。

自動運転が本格的になれば、事故が減って保険料も安くなるだけでなく、信号をはじめ多くの交通規制も要らなくなり、免許制度も大きく変わるでしょうし、そこに関わる「仕事」も大幅に減ります。

交通事故で人の命が失われることより、そうした「仕事」が失われることの方が、彼らにとっては重大なことなのだと思います。

投稿: 工場長 | 2016年5月 3日 (火) 11時34分


一つ疑問なのですが、昨日の記事でも分かるように日本の交通事故死者数は極めて低いですよね。良いことですが、どうしてだと思われますか?

投稿: ケン | 2016年5月 3日 (火) 13時22分


ケンさん

日本の交通事故死者数が少ないことは諸説あり、医療の進歩、駐車違反、速度違反、シートベルト、飲酒運転に至るまで取締りも厳しく、飛ばせる道路も少ない等ありますが、かつては1万6千人を超えていた死者が5千人を切っており、それはそれで素晴らしいことだと思います。

ただ、これだけ交通事故死者数が減少しているにもかかわらず、歩行者の死者数はOECD最悪というのが現状です。

シートベルトやエアバッグでドライバーの安全は確保されているものの、歩行者への安全対策が遅れているのかも知れません。道路の構造の改良や、それこそ自動ブレーキの義務化なども必要だと思います。

投稿: 工場長 | 2016年5月 3日 (火) 13時40分


ベンツ、トヨタ、テスラのようなメーカー系が自動運転、配車のようなソフトの世界を制するのか、
グーグル、uberのようなソフト系の企業が自動運転の分野のみでなく、メーカーをも飲み込んでいくのか、
或いはアップルのようにソフト、ハードのITシステムを確立した企業が、自動車メーカー、自動運転、配車等自動車関連産業を吸収していくのか、
興味のある所ですね。

投稿: 宇品灯台 | 2016年5月 3日 (火) 16時52分


今日も、神戸の駅前で暴走車が人をはねています。
自動ブレーキが付いていれば、こうして事故も起きないのですね。
ついでに、ドラマで良くあるような故意に人を跳ねることもなくなるのでしょうか。
記憶喪失も減りますね(^○^)

投稿: サチ | 2016年5月 3日 (火) 18時02分


宇品灯台さん

いずれにしても、日本企業に頑張って欲しいと思うと同時に、政府がおかしな規制で一部の企業だけを守るようなことだけはしないで欲しいと思います。

パソコンや携帯の二の舞いにして欲しくないですね。

投稿: 工場長 | 2016年5月 4日 (水) 08時30分


サチさん

神戸の事故もブレーキ痕すらなかったようですが、今日は山陽道でも事故が起きています。20年前に役人が自動ブレーキを開発を止めなければ、こうした事故は起きなかったでしょう。行政には責任を感じて欲しいものです。

投稿: 工場長 | 2016年5月 4日 (水) 08時37分

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コメント

自動ブレーキは早くから日本で開発されたものの、官僚が法的な責任が曖昧になるなどを理由に認めず、その間に他の国では義務化まできています。
その間に、それさえあれば防げた事故で多くの人が亡くなっています。
こうして官僚は多くの国民を殺しています。

ケンさん

確か、日本の自動車メーカーが自動ブレーキを開発し販売したのは20年前だったと思いますが、機械が勝手にクルマを停めるのは問題があると行政指導が入り、すぐに消え、2010年までは自動で減速するのは良いが停止はいけないことになっていたようです。

そして、その間にヨーロッパでは商業車への自動ブレーキが義務付けられ、アメリカでも全ての自動車への自動ブレーキの義務化が決まっています。

もともと役人というのは変化を嫌いますが、何より既得権を失うことは避けようとします。

自動運転が本格的になれば、事故が減って保険料も安くなるだけでなく、信号をはじめ多くの交通規制も要らなくなり、免許制度も大きく変わるでしょうし、そこに関わる「仕事」も大幅に減ります。

交通事故で人の命が失われることより、そうした「仕事」が失われることの方が、彼らにとっては重大なことなのだと思います。

一つ疑問なのですが、昨日の記事でも分かるように日本の交通事故死者数は極めて低いですよね。良いことですが、どうしてだと思われますか?

ケンさん

日本の交通事故死者数が少ないことは諸説あり、医療の進歩、駐車違反、速度違反、シートベルト、飲酒運転に至るまで取締りも厳しく、飛ばせる道路も少ない等ありますが、かつては1万6千人を超えていた死者が5千人を切っており、それはそれで素晴らしいことだと思います。

ただ、これだけ交通事故死者数が減少しているにもかかわらず、歩行者の死者数はOECD最悪というのが現状です。

シートベルトやエアバッグでドライバーの安全は確保されているものの、歩行者への安全対策が遅れているのかも知れません。道路の構造の改良や、それこそ自動ブレーキの義務化なども必要だと思います。

ベンツ、トヨタ、テスラのようなメーカー系が自動運転、配車のようなソフトの世界を制するのか、
グーグル、uberのようなソフト系の企業が自動運転の分野のみでなく、メーカーをも飲み込んでいくのか、
或いはアップルのようにソフト、ハードのITシステムを確立した企業が、自動車メーカー、自動運転、配車等自動車関連産業を吸収していくのか、
興味のある所ですね。

今日も、神戸の駅前で暴走車が人をはねています。
自動ブレーキが付いていれば、こうして事故も起きないのですね。
ついでに、ドラマで良くあるような故意に人を跳ねることもなくなるのでしょうか。
記憶喪失も減りますね(^○^)

宇品灯台さん

いずれにしても、日本企業に頑張って欲しいと思うと同時に、政府がおかしな規制で一部の企業だけを守るようなことだけはしないで欲しいと思います。

パソコンや携帯の二の舞いにして欲しくないですね。

サチさん

神戸の事故もブレーキ痕すらなかったようですが、今日は山陽道でも事故が起きています。20年前に役人が自動ブレーキを開発を止めなければ、こうした事故は起きなかったでしょう。行政には責任を感じて欲しいものです。

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