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2016年1月20日 (水)

視覚障害者に自由を

私も何度かお目にかかったIBMの浅川さんが昨年末にTEDに登場されていましたので、ご紹介しておきます。

以下は全て「TED Talks」からの引用です。

技術によって生活の質をいかに向上させることができるか? どうすれば視覚を使わずに世界を動き回れるようにできるか? 14歳の時に視力を失いながらも、IBMの最高職位であるフェローとして、ノーベル賞受賞者とも肩を並べた日本人女性の浅川さんは、そんな問に答えるべく取り組んできました。笑いを誘うデモ映像で彼女が紹介するのは、視覚障害者がかつてなく自由に世界を探索できるようにする新技術です。そして歴史が示しているのは、優れたアクセシビリティをデザインするとき、その技術は、全ての人が恩恵を受けるということです。それがユニバーサルデザインです。

ここからYouTube動画ですが、英語でのスピーチですので、その下に日本語訳も付けておきます。

How New Technology Helps Blind People Explore the World | Chieko Asakawa | TED Talks
https://www.youtube.com/watch?v=f-mQIWnO3Ag

目の見えない私には、できないことが沢山ある、と思われるかもしれません。大体のところは、その通りで、このステージに上がって来るときも、ちょっと手を貸してもらう 必要がありました。

でも、できることだって沢山あります。これは、私が初めてのロッククライミングに 挑戦しているところです。スポーツは大好きだし、いろんなスポーツができます。水泳、スキー、スケート、 スキューバダイビング、ジョギングなど。でも1つ制限があります。誰かの手助けが必要なことです。私は1人で、できるようになりたいです。

私は14歳の時、プールでの事故で視力を失いました。行動的で自立した子供でしたが、突然、盲目になったんです。私にとって、一番つらかったのは、自立性を失ったことです。それまで簡単だったことが、自力では、ほとんど不可能になりました。困難だったことの1つに、教科書があります。当時は、パソコンもインターネットもスマートフォンもありません。それで2人いる兄弟のどちらかに、教科書を読み上げてもらい、点字で自分用の本を作る必要がありました。想像できますか? 私の兄弟にしても、そんなの 面白いわけもなく、頼みたい時にはいつもいなくなっていることに気が付きました。(笑) 私のことを避けていたんだと思いますが、そのことで2人を責めるつもりはありません。ただ私は、誰かに頼らずに済むようになりたい、と強く思っていて、それがイノベーションを起こしたい、という想いに繋がりました。

時が過ぎ、1980年代の中頃、最新技術に触れるようになった私は、疑問を持ちました。なんで点字の本を、コンピューターで作る技術がないんだろう? この素晴らしい技術を使えば、私のようなハンデのある人間を救うことだってできるはずだ。そうして私のイノベーションへの旅が始まりました。

私は、デジタルブック技術の開発に取り組み始めました。デジタル点字エディタ、デジタル点字辞書、デジタル点字図書館ネットワーク。現在では 目の不自由な学生でも、パソコンやモバイル端末を使い、点字や音声を通して教科書を読むことができます。これは、驚くことではないでしょう。2015年の今では、みんなタブレットに、電子書籍を持っています。でも点字の本は、普通の本よりずっと前にデジタルになっていたんです。1980年代後半、今から30年近くも前の話です。視覚障害者の、具体的で強いニーズが、そんな昔に電子書籍が作られる機会を生み出したのです。そういったことは、何もこれが初めてではありません。アクセシビリティがイノベーションを刺激することを歴史は示しています。電話機は、耳が不自由な人のためのコミュニケーションの手段を 作り出そうとする中で生まれました。ある種のキーボードもまた、元々は障害者のために作られたものでした。

私が関わったもう1つの例をご紹介しましょう。90年代に、周りの人たちが、インターネットやウェブのことを話題にするようになりました。最初にウェブに触れた時のことを、よく覚えています。驚きました。新聞を毎日いつでも読むことができ、自分でどんな情報でも検索することができました。目の不自由な人たちがインターネットを使えるようにしたいと強く思いました。そして、ウェブページを合成音声に変える方法を見つけました。それにより、ユーザーインタフェースを劇的にシンプルにすることができました。

それが、1997年の「ホームページリーダー」の開発に繋がりました。最初に日本語用ができ、その後、11カ国語に翻訳されました。ホームページリーダーを作ったとき、多くの人からメッセージをもらいました。特に心に残っているのがあります。「私にとって インターネットは、世界に繋がる小さな窓です」

これは視覚障害者にとって、革命的な瞬間でした。ネットの世界が障害者の手に届くものとなり、私たちが視覚障害者のために開発したこの技術は、想像をはるかに越えて、様々な使われ方をするようになりました。車の運転中に、メールを耳で確認したり、レシピを聞きながら料理を作ったり。

今では、昔より多くのことを1人でできるようになりましたが、まだ十分ではありません。たとえば、さっきステージに上がったときも、手助けが必要でした。私の目標は、1人でここに来られるようになることです。ここだけじゃなく、旅行をしたり、皆さんには何でもないことができるようになることです。

では最新の技術をお見せしましょう。これは私たちが取り組んでいるスマートフォン・アプリです。

(iPhone) 扉まで15メートルです。まっすぐ進んでください。

(iPhone) 外へ出るには扉を2つ通ります。扉は右側にあります。

(iPhone) ニックがやって来ます。嬉しそうです。

(浅川) こんにちは ニック! (笑)

(浅川) どこに行くの? なんか嬉しそうじゃない?

(ニック) 論文が受理されたんだ。

(浅川) 本当? よかったじゃない!

(ニック) ありがとう。だけど何で僕だって分かったの? それに嬉しそうだとか? (2人が笑う)

(男) やあ (笑)

(浅川) あ・・・どうも。

(iPhone) あなたにではなく、電話相手に話しています。

(iPhone) ポテトチップです。

(iPhone) アーモンド入りダーク・チョコレートです。

(iPhone) 昨日から体重が2キロ増えています。チョコレートでなくリンゴにしましょう (笑)

(iPhone) もうすぐ着きます。

(iPhone) 到着しました。

この ―

(拍手)

ありがとうございます。

このアプリは、無線標識信号とスマートフォンのセンサーを使って道案内をし、屋内でも屋外でも、1人で歩き回れるようにしてくれます。コンピューター・ビジョンを使って、誰がどんな様子でやってくるのか教えてくれる、という部分は、まだ開発中です。表情を認識する機能は、視覚障害者が社交的になるためにとても重要です。

様々な技術の融合によって、視覚障害者が世界を見られるようになります。私たちはこれを「認知アシスタンス」と呼んでいます。周りの世界を把握して、耳に囁いたり、指への振動で伝えてくれます。欠けている、ないしは、弱った五感能力を「認知アシスタンス」は補ってくれます。この技術はまだ初期段階ですが、やがて、これのお陰で、キャンパスで教室を見つけたり、ウィンドウショッピングしたり、通りを歩きながら素敵なレストランを見つけられるようになるでしょう。通りで会ったとき、あなたより先に私が気付くとしたら、すごいと思いませんか? これは私にとって、そして皆さんにとって、最高の相棒になるでしょう。

だからこれは、やり甲斐のある挑戦なんです。そしてこの挑戦には協力が必要です。そのため私たちは、研究活動を加速するオープンなコミュニティを作ろうとしています。ちょうど今朝のことですが、ご覧いただいたビデオの中の基本技術をオープンソースにすると発表しました。

フロンティアは現実の世界です。視覚障害者コミュニティが開拓者となって、この技術のフロンティアを 探索しています。新しい時代を、皆さんと一緒に切り開いていきたいです。次回このステージに上がるときは、技術とイノベーションの力で、私はきっと 1人で歩いていることでしょう。

ありがとうございました。

(大きな拍手)

浅川さんは視覚障害者に自由をもたらすことで、全ての人にも便利な社会を作っています。

そして、秋葉前市長は、以前にも増して、世界平和に貢献されているようです。
https://www.youtube.com/watch?v=Q9AsppT1Nwg

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投稿: ときどき | 2016年1月20日 (水) 14時40分

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