アンブロークンは反日映画ではない
アンジェリーナ・ジョリーが監督した映画「アンブロークン」が「日本兵の虐待行為が描かれ、日本人が人肉を食べるというトンデモナイ反日映画」だということで、主に右翼系の人を中心に反対運動が起き、上映の見通しが経っていないということです。
まさに、こういうのを被害妄想というのでしょうか。
この映画を観たアメリカの知人は「反日映画」ではないし、問題になっている「日本兵が外国人捕虜を虐待して殺害して食べた」というシーンなど、どこにもないと言っていました。
それなのに、昨年、週刊誌が「勘違い女優が撮るトンデモ反日映画」という無責任な記事を書き、年末には、それに産経新聞が事実も確認せずに悪乗りして、ネット上での騒ぎも大きくなったようです。
週刊誌レベルならまだしも、全国紙まで事実を確認せずに批判するという態度は非常に残念です。
この映画が反日映画だというのはお門違いですが、最も大きな声で言われている「日本兵の食人は捏造!」というのも間違いです。
もちろん、日本人の歴史の中に食人の文化などはありませんが、戦地で人肉を食べたという話しは、同級生の父親、親戚、そして中国で戦っていた父からも異口同音に聞いている話です。
そもそも日本軍で戦地で亡くなる兵士の多くは餓死でした。それを防ぐための最終手段として人肉を食べたとしてもおかしいことではありませんし、戦争とはそういうものでしょう。
本人たちも、本当は決して言いたくはないが、伝えておくべきだと考えて話したことです。
さらに、この映画には、そうした描写も一切ないわけですから二重に間違いであり、まさに被害妄想です。
それにしても、これまでも、ハリウッド映画だけでなく、日本の映画にも、米軍あるいは日本軍の残虐行為を描いたものは沢山ありますが、だからと言って上映を阻まれたようなことはなかったと思います。それにも関わらず、そうしたことがテーマでもなく、描写もない映画の上映を阻むということには危機感すら覚えます。
ちなみに「アンブロークン」の意味は「不屈」ですが、太平洋戦争で旧日本軍の捕虜になった米国の元五輪陸上選手ルイス・ザンペリーニ氏の半生を描く作品で、収容所で虐待を受け、戦後は復讐心に苦しんだものの、「許し」の教えに救われ、1998年の長野五輪で80歳の聖火ランナーとしてかつての敵国を訪れる、というものです。これは広島の被爆者にも共通の心のあり方でもあり、どこが「反日」なのか理解できません。
Unbroken Official Trailer
https://www.youtube.com/watch?v=XrjJbl7kRrI
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「戦地で人肉を食べたという話し」
そんな事をさせたのは誰ですか? 戦勝国が裁いた裁判は不服、 駐留軍が押しつけた憲法は不服。
日本人の手で憲法を改める以前に、人肉を食べさせるような戦争を起こした原因者を、日本人の手で裁かねばなりません。
そんな勇気があるのですか?
投稿: ちょっと辛口 | 2015年3月18日 (水) 06時54分
ちょっと辛口さん
ロクな兵糧を準備せずに日本兵を海外の戦地に送り多くの兵士を餓死させたのは、米国でも中国でもありませんね。
しかし、この映画を根拠なく批判している人の多くが、日本が武力で攻撃した国への補償は嫌う一方で、日本本土を攻撃した米国へ「思いやり予算」をつぎ込むことには抵抗がないことが、とても不思議です。
投稿: 工場長 | 2015年3月18日 (水) 12時30分
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そんな事をさせたのは誰ですか? 戦勝国が裁いた裁判は不服、 駐留軍が押しつけた憲法は不服。
日本人の手で憲法を改める以前に、人肉を食べさせるような戦争を起こした原因者を、日本人の手で裁かねばなりません。
そんな勇気があるのですか?
投稿: ちょっと辛口 | 2015年3月18日 (水) 06時54分
ちょっと辛口さん
ロクな兵糧を準備せずに日本兵を海外の戦地に送り多くの兵士を餓死させたのは、米国でも中国でもありませんね。
しかし、この映画を根拠なく批判している人の多くが、日本が武力で攻撃した国への補償は嫌う一方で、日本本土を攻撃した米国へ「思いやり予算」をつぎ込むことには抵抗がないことが、とても不思議です。
投稿: 工場長 | 2015年3月18日 (水) 12時30分