脳しんとうは危険
一昨日のフィギアGPでは、羽生選手のアクシデントと、その後の試合が「美談」となり、ネットでも「涙がでるほど感動した!」というツイートやコメントが多く見られました。
確かに自分の体を犠牲にしても、リンクに立ち、事故のショックを克服し、完璧でないにしても、持てる力を精一杯出して、挑戦する姿は感動的でした。
しかし、正直なところ、私は棄権すべきだったと思っています。
ライブ中継の解説でも事故直後は、そういう風に言っていました。
ところが、出場を決め、演技を終えると、賞賛一辺倒に変わっていました。
昨日のテレビ番組でも「あくまで鍛え抜かれた選手であり、その判断によって出たのであって、誰にでも出来ることではない」というような解説もありましたが、いくら有能なアスリートであっても、脳内の微量の出血まで分かるとは思えません。
羽生選手は、試合前の公開練習で中国人選手と激突した後、明らかに脳しんとうと思われる様子でした。
通常なら、すぐに担架で運び出されるところです。
頭を強く打った時、脳しんとうの著しい症状は消失しても、脳と硬膜を繋いでいる血管から出血している可能性があり、そのまま運動を続けると再び出血し、急性硬膜下血腫を起こし、死に至ります。
2回目の脳しんとうによる死亡率は30%〜50%とエボラ出血熱並みです。
足を挫いたとか、そういうレベルではありません。
運良く命を落とすことはなくても、脳振盪を複数回生じると記名力障害や集中力の低下など、社会生活にも支障をきたすような慢性期症状が生じる可能性もあります。
過去に、そうした不幸な事故はいくつもありました。
ですから、サッカーなどでも厳格で詳細な指針があり、脳しんとうを起こした直後の対応から、段階的復帰までが具体的に示されています。
実は、今は社会人の息子が小さい頃、頭を強く打って頭部CTを受けたことがありますが、今は小さな子どもが頭を打っても泣いていればCTはしないそうです。それは小さな子どもにとっては、CT(=放射線)の方が危険だから、だということでした。
羽生結弦と中国選手が激しく激突 中国杯
https://www.youtube.com/watch?v=75-dxXoFGLc
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私も同意見です。
本人が滑りたいからといっても、やはり周りが止めるべきだったと・・・。
結果、最後まで滑り切っただけであって、もし脳にダメージを受けていれば、とんでもないことになっていたかもしれません。
まだ若いし、大事にしてほしいですね。
投稿: maco | 2014年11月10日 (月) 10時30分
私は子供の頃からサッカーをやっていますが、サッカーでは脳震盪を疑われるような状況でプレーを続行することはあり得ません。
診断を受けるのも当然ですが、例えCTで問題がなくても数日は様子をみて練習もできません。
それを直後に激しい回転を伴うような演技をさせるようなことはあってはならないことです。
これを「美談」や「レジェンド」になどしては絶対にいけないと思います。
投稿: スズ | 2014年11月10日 (月) 12時24分
初めて書き込みさせて頂きますが、
いつも鋭いご指摘、特に医療関係では、
下手な医療従事者以上の知識と洞察に感心して拝読しています。
今回のことも、まさにご指摘の通りで、あれは本人がどんなに希望しても
周りは止めるべきだったと思います。
よく交通事故などでも、一見問題なさそうに見えて、
ご本人も「大丈夫です。何ともありません」と言っても、
大丈夫でないことはよくありますし、
その時の診断やCTの結果が異常なくても、
あとで後遺症が出るケースは珍しくありません。
ましてや脳というのは、人間にとって最も重要な部位であり、
微量な出血はCTでもわからないことがあります。
「どんな有能なアスリートであっても」どころか
どんな有能な医師でもわからないことです。
ですから、仮に医師が診て異常がなくても、棄権すべきでした。
私もこれが「美談」になることを非常に危惧しており、
長々と書かせて頂きました。
投稿: 医療従事者 | 2014年11月10日 (月) 13時42分
いろいろと報道されていますね。
ちょうどテレビで見ていましが、棄権すべきだと思っていました。周りのサポートする人たちも棄権させるべきだと思っていました。
彼の強い意志だからと、参加させるのは、選手の体や命を守ることに対して、あまりにも考えがなく軽率な判断ですね。
滑り切って、2位になったと賞賛するなんて、最悪です。
特攻隊に志願して死んでいくのを、称えるようなものです。
彼のようなトップアスリートは、自分の行動や判断が、多くの人に影響を与えることを自覚すべきです。
もしかしたら、彼の行為を賞賛したことで、どこかのコーチが、頭を打った選手に対して、健康を心配せずに、そのまま運動を強いいる可能性もあります。
彼のとった行動は異様であ李、その時の彼の目つきも怖いものがありました。
滑ると判断されたので、テレビ観戦を止めました。
もう彼の演技を見たいとも思わなくなりました。
頭部への衝撃に対して、あまりにも軽く見ていることに、スケート協会にも大きな責任があると思います。
今回に、日本チームにはドクターが帯同していなかったから他チームのドクターに診てもらったようですね。
協会のドクターの判断が必要であると、規定すべきですね。
アマチュアスポーツといえども、莫大なお金が絡んでいるのですから、選手の体や命を守るためのシステムは必要でしょうね。
投稿: やんじ | 2014年11月11日 (火) 15時14分
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本人が滑りたいからといっても、やはり周りが止めるべきだったと・・・。
結果、最後まで滑り切っただけであって、もし脳にダメージを受けていれば、とんでもないことになっていたかもしれません。
まだ若いし、大事にしてほしいですね。
投稿: maco | 2014年11月10日 (月) 10時30分
私は子供の頃からサッカーをやっていますが、サッカーでは脳震盪を疑われるような状況でプレーを続行することはあり得ません。
診断を受けるのも当然ですが、例えCTで問題がなくても数日は様子をみて練習もできません。
それを直後に激しい回転を伴うような演技をさせるようなことはあってはならないことです。
これを「美談」や「レジェンド」になどしては絶対にいけないと思います。
投稿: スズ | 2014年11月10日 (月) 12時24分
初めて書き込みさせて頂きますが、
いつも鋭いご指摘、特に医療関係では、
下手な医療従事者以上の知識と洞察に感心して拝読しています。
今回のことも、まさにご指摘の通りで、あれは本人がどんなに希望しても
周りは止めるべきだったと思います。
よく交通事故などでも、一見問題なさそうに見えて、
ご本人も「大丈夫です。何ともありません」と言っても、
大丈夫でないことはよくありますし、
その時の診断やCTの結果が異常なくても、
あとで後遺症が出るケースは珍しくありません。
ましてや脳というのは、人間にとって最も重要な部位であり、
微量な出血はCTでもわからないことがあります。
「どんな有能なアスリートであっても」どころか
どんな有能な医師でもわからないことです。
ですから、仮に医師が診て異常がなくても、棄権すべきでした。
私もこれが「美談」になることを非常に危惧しており、
長々と書かせて頂きました。
投稿: 医療従事者 | 2014年11月10日 (月) 13時42分
いろいろと報道されていますね。
ちょうどテレビで見ていましが、棄権すべきだと思っていました。周りのサポートする人たちも棄権させるべきだと思っていました。
彼の強い意志だからと、参加させるのは、選手の体や命を守ることに対して、あまりにも考えがなく軽率な判断ですね。
滑り切って、2位になったと賞賛するなんて、最悪です。
特攻隊に志願して死んでいくのを、称えるようなものです。
彼のようなトップアスリートは、自分の行動や判断が、多くの人に影響を与えることを自覚すべきです。
もしかしたら、彼の行為を賞賛したことで、どこかのコーチが、頭を打った選手に対して、健康を心配せずに、そのまま運動を強いいる可能性もあります。
彼のとった行動は異様であ李、その時の彼の目つきも怖いものがありました。
滑ると判断されたので、テレビ観戦を止めました。
もう彼の演技を見たいとも思わなくなりました。
頭部への衝撃に対して、あまりにも軽く見ていることに、スケート協会にも大きな責任があると思います。
今回に、日本チームにはドクターが帯同していなかったから他チームのドクターに診てもらったようですね。
協会のドクターの判断が必要であると、規定すべきですね。
アマチュアスポーツといえども、莫大なお金が絡んでいるのですから、選手の体や命を守るためのシステムは必要でしょうね。
投稿: やんじ | 2014年11月11日 (火) 15時14分