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2014年3月 4日 (火)

原発ホワイトアウトとおうち発電プロジェクト

アッセ5階の書店、廣文館がリニューアルオープンした。
ファション文具や雑貨のコーナーもある。
なんとなく楽しい気分になる。

色々な本が並んでいるとついほしくなって、
その1冊「原発ホワイトアウト」を買ってしまった。

Image

著者 若杉冽
東京大学法学部卒業
国家公務員1種試験合格
現在、霞が関の省庁に勤務
とある。

著者名にしても「ワカスギルッ」を捩ったもんだろうし、
本当に霞が関に勤務しているかどうかもわからないが、
フィクションの体裁をしたノンフィクションだろう、
なかなか面白い。

「電力会社と官がしかけ、
時の政府は、新崎原発の再稼働を決めた。
雪の山中にある高圧線鉄塔を北朝鮮工作員とおぼしき2人よって爆破される」
ということから話は始まる。

「原発は、発電された電気を正常に送電できなくなると壊れる」とは知らなかった。

最後のページで、
再稼働を裏で仕掛けた官と電力会社の担当者が
「とにもかくにも格納容器の爆発さえ免れれば、急激な放射性物質の拡散は避けられる。6号機と7号機のメルトスルーで汚染はじわじわ地下水や土壌から広がるだろうが、汚染の程度としてはフクシマの二倍にはならないだろう。局地的な汚染に留まる。
そうすればフクシマと手順は同じだ。1、2年原発反対の嵐は吹き荒れるが、電力システム改革さえ遅らせて骨抜きにすれば、必ず政治家は総括原価方式のもたらす電力の金にもどってくる」
「フクシマの悲劇に凝りなかった日本人は、今回の新崎原発事故でも、それが自分の日常生活に降りかからない限りは、また忘れる」
と書かれている。

今回の都知事選で、
脱原発を掲げて細川護煕氏が立候補し、小泉純一郎氏が支援したが、
惨敗したことをみても、頷ける話だ。

どうも、
広島の原爆、チェルノブイリ原発の事故を経験しても
原発の事故そのものの恐ろしさをいくらいってみても、
それで原発をやめることにはならないようだ。

政官財の繋がりのは根幹は「総括原価方式」にあるといっている。
総括原価方式では、かかった費用に利益が上乗せされて決まる。

当然、電力会社はその利益を守るために必死になり、
「現在の政治システムは電力会社の超過利潤に依存している」
ということになり、官が加わり、
政官財の癒着の構図が出来上がるというわけだ。

かってゼネコンと政治と癒着の構造がいわれ、
公共工事でのゼネコンの談合が厳しく糾弾されたが、
談合も政治家への贈収賄も止まらなかった。
しかし指名競争入札をやめ、一般競争入札にし、電子入札ができるようにしたら、
バブルが崩壊したこともあって、
入札価格も予定価格の7~8割に一気に下がり、
談合もほぼ消え、ゼネコンの政治的影響力も影が薄くなり、
政官財の癒着がニュースになることもなくなった。

どうも、総括原価方式は、かっての談合に相当するような要素であり、
一般競争入札、電子入札入札に相当するのが、電力システムの自由化のように感じる。

2月17日の日経新聞には、
2016年の電力小売の自由化をにらんで、
日本生活協同組合も電力事業への参入を検討しているとでていた。 
日本生活協同組合の組合員数 2700万人だそうだが、
その組合員の1割が、この事業に参加したとすると、
住宅1戸当たりの太陽光発電量は一般的に3~4kwらしいから、
3kw×270万戸→810万kwということになる。
これだけで原発8基分になる。

ソフトバンクのメガソーラー発電も色々いわれているが、
そのソフトバンクが、
「おうち発電プロジェクト」と称し、
顧客の住宅の屋根を借り受け、太陽光発電システムを設置し、
発電した電気をすべて電力会社に売電し、売電額の一部を客に支払うというプロジェクトを始めた。
顧客の負担はゼロだという。
先着で1,000棟募集したが、すでに完売、終了しているとある。

ソフトバンクの現在の顧客数は3,000万人だそうだが、
このシステムを全顧客に拡げようとしている。

というような状況をみると、
電力の小売の自由化がされると、
総括原価方式は消えるようにも感じるが、

「それでも送配電は残り、送配電の総括原価方式は残るだろう。
送配電だけでも3兆円の売り上げが想定されている」
ともいう。

「総括原価方式が政官財を結びつけている扇の要だ」
とすると、
脱原発に進むには、発送電分離も必須の条件になってくる。

1基数千億円もする原発は個人では作れない。
東電のような大企業にしか作れない。

脱原発は、そう簡単ではなさそうだ。

小説「原発ホワイトアウト」は、色々考えさせてくれた。

元安川

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総括原価方式が悪の根源のように当初いわれていましたが、それだけでもないようで、電力業界の利権というのはもっと複雑に、あるいはもっと「総括 的」に組み立てられているようですね。
原発関連の小説では、あの田原総一郎が1976年に書いた小説「原子力戦争」がおもしろかったですよ。

巨大システムの怖さというのは、それをマネジメントする能力が人間にあるのか、ということだけではなく、巨大システムを動かすための投資額が巨大 なために生み出される利権が巨悪を誕生させる、という点にあると思います。巨大システムというのが、すべからく胡散臭く、文明規律に違反している と感じるのは、そのためもあるでしょう。

それから、ゼネコンがおとなしいと思ったら間違いで、環境庁経由で支出された除染費用がどう流れたかを知ったとき、わたしは慄然としました。
原発の建設工事費がどこに配分され、そのいっぽうで除染予算がどこに配分されたか、それぞれの配分比がどうであったか、ということを調べてみると おもしろいですよ。誰かそれを体系的に整理してくれるとよいですね。東京新聞がそれをやりかけていましたが、その後わたしはよく知りません。

原発を推進する人の推進理由のひとつに、自然エネルギーとか再生可能エネルギーといった代替エネルギーは現実性に乏しい、というのがあります。
これはどうも、ためにする議論であって、それなら原発のバックエンド(放射性廃棄物の処理など)処理は、50年間現実性がないままではないか、と 言いたいですね。

そんなことを空中戦で言い合っていてもしようがないので、生協とかソフトバンクに大いに期待したいところです。
ただ、メガソーラーはだめ。あれは、新たな巨大システムであって、下水の処理とか、コンピュータの世界など、せっかく分散型社会にむけた潮流がで てきたのに、あいかわらず大規模集中管理型にしがみついている思想だからです。
メガソーラーで儲かるのは中国だとか、いろいろと言われていますが、本質はそんなことではないと思います。

投稿: 麦 | 2014年3月 4日 (火) 12時02分


麦様

「原子力戦争」も読みました。
原発の複雑に入り組んだパイプの破損の修繕に携わる作業員の話は迫力がありますね。
マンション等の水道管、下水管は20~30年で劣化、破損しますから、
もっともっと強い負荷のかかる原発のパイプが破損するだろうことは容易に想像できますね。
それをあの放射線防護服を着込んで修繕することは大変なことだろうと思います。

エネルギーを各人が作って、ネットワーク化するシステムをなんとか実現して欲しいですね。

投稿: 元安川 | 2014年3月 4日 (火) 13時28分


「おうち発電ネットワーク」
面白いですね。
是非実現して欲しいですね。
中国電力がやったらいいですね。

投稿: ゲン | 2014年3月 4日 (火) 13時34分


ゲン様

送電網を持つ中国電力の
次の時代のビジネスモデルになりそうですね。

投稿: 元安川 | 2014年3月 4日 (火) 13時40分


原発依存度が最も低い中国電力には脱原発の先頭を走って欲しいですね。
投稿: 通りすがり | 2014年3月 4日 (火) 18時42分


通りすがり様

そうですね、
中国電力に期待したいのですが、
どうも横並び感覚からの脱皮は難しそうですね。

投稿: 元安川 | 2014年3月 4日 (火) 18時52分


総括原価方式で電気代が算出されていますから、本当だったら東京電力の電気代は今の数十倍にならなければいけません。
そうなれば、東京の企業も都民も疎開するでしょうね。
政府の主導で、福島第一原発の爆発事故の処理費は、免除されています。
つまり、政府は不正な取引に加担しています。
免除するのならその前に東電を破綻処理し、株はゴミにし、国が主導になって行うべきです。

こちら→http://www.news-postseven.com/archives/20140303_243645.html
河野太郎氏の原発に対しての発言は、うさんくさいものは何なのかというより、現実の問題だと思います。

ところで、この福島第一原発は、地下水により汚染水の処理に打つ手がないようですが、そもそもこの原発が地下水の水位より低いところに建設されているのが原因のようです。(私の図面の読み方が間違っていなければ)
工事の段階でわかったいても、工事中の対策はとられていますが、その後は無策だったようです。
こちら→http://cryptome.org/0004/daiichi-build-01.pdf  
http://cryptome.org/0004/daiichi-build-02.pdf

広島でも、地下構造物の地下水の漏水は問題になっていたと思います。
止水能力がある地下の壁であっても漏水しているようです。

今の福島の地下水の汚染水の量を考えると、原子力建屋は、地下壁に大きなクラックが生じていると思います。でも、「大地震でも壊れなかった」という結論を早々にだしていますから、マスコミも含め誰も問題視しないのは如何なものとかと思います。
もし、これを問題にしたら、今の再稼働の条件が、根本から崩れるでしょうね。
再稼働するには、新しい耐震基準にしてからになり、地下構造物も補強しなければいけないでしょうね。不可能でしょうが。

東電の体質についてこのようなものもあります。
こちら→http://gendai.ismedia.jp/articles/-/38544

東電という私企業の負担を全国民に負わせようとしている安倍政権は、いまだに国民に説明していません。

投稿: やんじ | 2014年3月 4日 (火) 19時02分


やんじ様

原発は結構深く掘って作ってるんですね。
地面の上に置かれているのかと思っていました。
地下水が流れこむ、地下水に流れだす、
どちらも問題ですよね。

シャレオも地下水には悩まされていると聞いたことがあります。

投稿: 元安川 | 2014年3月 4日 (火) 20時15分

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コメント

総括原価方式が悪の根源のように当初いわれていましたが、それだけでもないようで、電力業界の利権というのはもっと複雑に、あるいはもっと「総括 的」に組み立てられているようですね。
原発関連の小説では、あの田原総一郎が1976年に書いた小説「原子力戦争」がおもしろかったですよ。

巨大システムの怖さというのは、それをマネジメントする能力が人間にあるのか、ということだけではなく、巨大システムを動かすための投資額が巨大 なために生み出される利権が巨悪を誕生させる、という点にあると思います。巨大システムというのが、すべからく胡散臭く、文明規律に違反している と感じるのは、そのためもあるでしょう。

それから、ゼネコンがおとなしいと思ったら間違いで、環境庁経由で支出された除染費用がどう流れたかを知ったとき、わたしは慄然としました。
原発の建設工事費がどこに配分され、そのいっぽうで除染予算がどこに配分されたか、それぞれの配分比がどうであったか、ということを調べてみると おもしろいですよ。誰かそれを体系的に整理してくれるとよいですね。東京新聞がそれをやりかけていましたが、その後わたしはよく知りません。

原発を推進する人の推進理由のひとつに、自然エネルギーとか再生可能エネルギーといった代替エネルギーは現実性に乏しい、というのがあります。
これはどうも、ためにする議論であって、それなら原発のバックエンド(放射性廃棄物の処理など)処理は、50年間現実性がないままではないか、と 言いたいですね。

そんなことを空中戦で言い合っていてもしようがないので、生協とかソフトバンクに大いに期待したいところです。
ただ、メガソーラーはだめ。あれは、新たな巨大システムであって、下水の処理とか、コンピュータの世界など、せっかく分散型社会にむけた潮流がで てきたのに、あいかわらず大規模集中管理型にしがみついている思想だからです。
メガソーラーで儲かるのは中国だとか、いろいろと言われていますが、本質はそんなことではないと思います。

麦様

「原子力戦争」も読みました。
原発の複雑に入り組んだパイプの破損の修繕に携わる作業員の話は迫力がありますね。
マンション等の水道管、下水管は20~30年で劣化、破損しますから、
もっともっと強い負荷のかかる原発のパイプが破損するだろうことは容易に想像できますね。
それをあの放射線防護服を着込んで修繕することは大変なことだろうと思います。

エネルギーを各人が作って、ネットワーク化するシステムをなんとか実現して欲しいですね。

「おうち発電ネットワーク」
面白いですね。
是非実現して欲しいですね。
中国電力がやったらいいですね。

ゲン様

送電網を持つ中国電力の
次の時代のビジネスモデルになりそうですね。

原発依存度が最も低い中国電力には脱原発の先頭を走って欲しいですね。

通りすがり様

そうですね、
中国電力に期待したいのですが、
どうも横並び感覚からの脱皮は難しそうですね。

総括原価方式で電気代が算出されていますから、本当だったら東京電力の電気代は今の数十倍にならなければいけません。
そうなれば、東京の企業も都民も疎開するでしょうね。
政府の主導で、福島第一原発の爆発事故の処理費は、免除されています。
つまり、政府は不正な取引に加担しています。
免除するのならその前に東電を破綻処理し、株はゴミにし、国が主導になって行うべきです。

こちら→http://www.news-postseven.com/archives/20140303_243645.html
河野太郎氏の原発に対しての発言は、うさんくさいものは何なのかというより、現実の問題だと思います。

ところで、この福島第一原発は、地下水により汚染水の処理に打つ手がないようですが、そもそもこの原発が地下水の水位より低いところに建設されているのが原因のようです。(私の図面の読み方が間違っていなければ)
工事の段階でわかったいても、工事中の対策はとられていますが、その後は無策だったようです。
こちら→http://cryptome.org/0004/daiichi-build-01.pdf  
http://cryptome.org/0004/daiichi-build-02.pdf

広島でも、地下構造物の地下水の漏水は問題になっていたと思います。
止水能力がある地下の壁であっても漏水しているようです。

今の福島の地下水の汚染水の量を考えると、原子力建屋は、地下壁に大きなクラックが生じていると思います。でも、「大地震でも壊れなかった」という結論を早々にだしていますから、マスコミも含め誰も問題視しないのは如何なものとかと思います。
もし、これを問題にしたら、今の再稼働の条件が、根本から崩れるでしょうね。
再稼働するには、新しい耐震基準にしてからになり、地下構造物も補強しなければいけないでしょうね。不可能でしょうが。

東電の体質についてこのようなものもあります。
こちら→http://gendai.ismedia.jp/articles/-/38544

東電という私企業の負担を全国民に負わせようとしている安倍政権は、いまだに国民に説明していません。

やんじ様

原発は結構深く掘って作ってるんですね。
地面の上に置かれているのかと思っていました。
地下水が流れこむ、地下水に流れだす、
どちらも問題ですよね。

シャレオも地下水には悩まされていると聞いたことがあります。

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