カールミレスの彫刻と想定外
グランドプリンスホテル広島のロビーは随分と広い。
天井は高く、複雑に折り込んだ折り紙のような形に造られている。
まだそれほどコンピューターが使われてわない時代に造られたのだ。
余りに複雑で、どうやって設計し、作ったんだろうと、不思議に思えてくる。
真ん中に設けられた直径10m程の円が2つ重なったように置かれている大きな水盤にも驚く。
竣工以来何度か地震があったが、
そんな地震があっても大丈夫なように造られて意味のだろうが、
その円の縁から全く均等に水が溢れおちている。
その長さは数十mになる。
全く水平に造るなんて、信じられない技術だ。
その池のちょっと中心を外したところに、
噴水に囲まれ、イルカに乗った女神の彫刻が置かれている。
カールミレス作の「サングリッタ」(輝く太陽)だ。
カールミレスはスエーデンの伝説的彫刻家だ。
海とイルカと女神を上手く建物の中に取り込んでいる。
その彫刻を背景に
水盤に浮かぶチャペルが作られている。
透明のブラスチックのアプローチの上に白いカーペットが敷かれ、
結婚式の時には赤いカーペットがその上に敷かれる。
新郎新婦は水の上に敷かれた赤いカーペットの上を進み、
水に浮かぶ十字架の前に立つ神父に結婚の誓いをする。
水盤をぐるっと周るようにして、スロープが作られている。
元々は2階の大宴会場のパーティが終わったあとの人の混雑を吸収するためにつくられたのだろうが、
結婚式の際には、ウェディングマーチに乗って、新郎新婦が2階からゆっくりと皆のいるチャペルに降りてくるスロープとなる。
なんともロマンティックな仕掛けだ。
ホテルの人に聞けば、竣工当初にはこのチャペルはなかった。
その後、チャペルでの結婚式を挙げたいというカップルが増え、
それに応えるために作ったのだという。
想定外の現象への答えは、
その答え方によっては、素晴らしい効果を導き出すようだ。
元安川
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バブル真っ盛りに作られたリゾートホテルですから、経費はふんだんに使われていることでしょうね。
水平もですが、私は高層ビルの垂直の技術も凄いと思います。
どちらの技術も、アナログな技術なのでは?
江戸時代の大型木造船を作り、瀬戸の小島を一日かけてまわる観光で、外国人を引き寄せるには、絶好のリゾートホテルだと思います。
投稿: やんじ | 2013年8月22日 (木) 06時21分
やんじ様
グランドプリンス広島は、広島にとってはバブルの恩恵の一つといえますね。
ここを拠点にした瀬戸内海リゾート構想がもっと欲しいですね。
投稿: 元安川 | 2013年8月22日 (木) 07時35分
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バブル真っ盛りに作られたリゾートホテルですから、経費はふんだんに使われていることでしょうね。
水平もですが、私は高層ビルの垂直の技術も凄いと思います。
どちらの技術も、アナログな技術なのでは?
江戸時代の大型木造船を作り、瀬戸の小島を一日かけてまわる観光で、外国人を引き寄せるには、絶好のリゾートホテルだと思います。
投稿: やんじ | 2013年8月22日 (木) 06時21分
やんじ様
グランドプリンス広島は、広島にとってはバブルの恩恵の一つといえますね。
ここを拠点にした瀬戸内海リゾート構想がもっと欲しいですね。
投稿: 元安川 | 2013年8月22日 (木) 07時35分
想定外の現象にどう対応するか。
あらゆる仕事でそこが真価の問われどころですね。
投稿: もみじ日記 | 2013年8月22日 (木) 14時00分
もみじ日記様
想定外への対応の難しさ、困難さに、
生きていることの、世の中の
楽しみと面白さと悲しみとがあるのでしょうね。
投稿: 元安川 | 2013年8月22日 (木) 16時00分