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2013年5月22日 (水)

スカイツリーと既得権

5月22日、
昨年の今日、東京スカイツリーがオープンした。

この1年間で、スカイツリーの来場者数は560万人、
スカイツリータウン全体では5,000万人を越えるという。
恐ろしい人数だ。

その人気は当分衰えそうにない。

あのディズニーランドがディズニーシーと合わせて2,700万人というから、
それに比べて、たった1つの施設で560万人、そして5,000万人というのだから凄い。

総工費はディズニーランドが約1580億円、ディズニーシーが約3380億円、
合わせて4,960億円だという。

対して
スカイツリーの工事費は
本体工事費 400億円、
スカイツリータウン全体では650億円
だという。

収支は双方ともよくわからないが、
スカイツリーのコストパーフォーマンスがめちゃくちゃいいだろうことは容易に想像できる。

東武鉄道は、このスカイツリーだけで、田舎の鉄道というイメージを一新させてしまった。。

スカイツリープロジェクトは大成功だったといえる。

となると、
そんなに上手くいっていいのだろうかと、ちょっといちゃもんもつけたくもなる。

東京直下型地震に本当に対応できるのか、
鉄骨の柱に付着した雪の落下にたいしては大丈夫か
等のことが懸念される。

しかしそもそも東京スカイツリーは必要だったのだろうか。

スカイツリーは東京タワーに代わる放送施設として作られたわけだが、
その当時、都内に超高層ビルが続々建てられ、東京タワーからの送信が電波障害を生じるようになったので
それを低減するために高さ600m以上の電波塔が必要になったということ、
テレビ放送がデジタル化されたことでよりその必要性がより高まったことと、
東京タワーの老朽化対策ということがその建設理由としてあったようだ。

しかしそれだけの理由であれば、
放送衛星を打ち上げた方が余程安くつくのではないだろうか。

衛星の打ち上げ費用は1つ約80億円くらいらしい。
バックアップ用にもう1つ打ち上げても、160億円ですむだろう。
さらに半額以下にすることも研究されているという。

東京タワーが作られた1958年の頃は、
放送衛星を打ち上げるなんてことは、とても考えられないことだったろうと思う。

そんな時代の思考の延長線上に東京スカイツリーは作られているように思う。
RCC等地方放送局のネットワークシステムも東京タワーを前提につくられてきたはずだ。

衛星放送に全面的に移行するとなると、
RCC始め、地方放送局のネットワークが不要になってしまっては困るということも、
スカイツリー建設の背景にあったように思う。

テレビ放送が衛星放送になれば、
世界中の人が見られるようになる。

そのためには放送衛星をさらに幾つか打ち上げることも必要かもしれない。
しかし国家的、世界的スケールからみれば大した額ではないだろう。

というようなことを友人に話したら、
その友人は、
「衛星を使った放送はクルマのような移動体で受信し難いことがあります。
またワンセグのように携帯での受信も無理です。

それより、これは孫正義が主張していて、当時の政府も検討していたことですが、光の道という構想がありました。
これは現在の銅線の電話線を全て光ファイバーに変えれば、 政府のお金も利用者も1円も使うことなく、
光回線によるインターネットと電話とWi-Fiまで離島を含めた全ての家庭に提供できる、というものでした。

その光回線を使ってテレビ放送を流し、従来の放送用電波ではなく、インターネット経由でテレビを見れば、
スカイツリーも多くの電波塔も不要で、未だに続いている電波障害によるトラブルなども全くなかったはずです。

今は行政そのものが通信と放送にはっきり分けられていますが、
全てを通信インフラにして、その中に放送インフラを構築した方が、
いずれに対しても快適な環境が安く構築できるではないかと思います」
といっていた。

時代と共に、技術はどんどん進化する。

既得権は、巧妙にその姿を変えて生き延びていくようだ。
しかしそれは、それほど長期間可能なことなのだろうか。

元安川

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「光の道」構想は本当に残念です。
原口大臣も随分頑張っていましたが、今の政治状況では、とても無理でしょうね。

投稿: 灰猫 | 2013年5月22日 (水) 08時15分


灰猫様

光の道構想をすすめようとするなら、
かなりの費用がかかり、それを利用者が負担することになるのではないか」
とその友人に訊いたところ、

「誰も何も負担しないのです。

というのは、現在、銅線の電話線の保守に何兆円もかかっているからです。
それを光ファイバーに置き換えることで、その費用は不要となります。

光ファイバーは既に日本全国の90数%に敷設されており、その保守費用もかかっているわけです。
ですから銅線をやめれば、良いだけなのです。

ただし、銅線の保守に何兆円もかかっている、ということは、それで利益を得ている会社があるということで、
その利権が問題となるわけです」
と教えてくれた。

ここでも巨大な既得権の壁が立ち塞がっていたようです。

投稿: 元安川 | 2013年5月22日 (水) 14時34分


大きなビルが電波障害になるのなら、携帯電話のアンテナのように、ビルの屋上に設置すればいいのですよね。
というより、確か通産省は、将来はネット回線を利用したテレビ放送に切り替える計画があったのではないでしょうか?このようなニュースがあったように思います。
スカイツリータウンは、駅だけを利用する人も、カウントされているのでは?

投稿: やんじ | 2013年5月22日 (水) 17時02分


やんじさん
横から失礼します。

小規模なものを沢山ネットワークで繋ぐ小規模分散型方が安くて効率が良いことは、インターネットが代表的なものですが、電力供給システムも、放送網でも同じことだと思います。

ただ、電力も放送も利権が絡み、なかなかそういう方向には進みそうにありませんね。

投稿: 工場長 | 2013年5月22日 (水) 23時32分


やんじ様

既得権が利権化すると、
どうしても新しい芽、正しいことを阻害する傾向があるのは残念なことですね。

投稿: 元安川 | 2013年5月23日 (木) 16時33分

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コメント

「光の道」構想は本当に残念です。
原口大臣も随分頑張っていましたが、今の政治状況では、とても無理でしょうね。

灰猫様

光の道構想をすすめようとするなら、
かなりの費用がかかり、それを利用者が負担することになるのではないか」
とその友人に訊いたところ、

「誰も何も負担しないのです。

というのは、現在、銅線の電話線の保守に何兆円もかかっているからです。
それを光ファイバーに置き換えることで、その費用は不要となります。

光ファイバーは既に日本全国の90数%に敷設されており、その保守費用もかかっているわけです。
ですから銅線をやめれば、良いだけなのです。

ただし、銅線の保守に何兆円もかかっている、ということは、それで利益を得ている会社があるということで、
その利権が問題となるわけです」
と教えてくれた。

ここでも巨大な既得権の壁が立ち塞がっていたようです。

大きなビルが電波障害になるのなら、携帯電話のアンテナのように、ビルの屋上に設置すればいいのですよね。
というより、確か通産省は、将来はネット回線を利用したテレビ放送に切り替える計画があったのではないでしょうか?このようなニュースがあったように思います。
スカイツリータウンは、駅だけを利用する人も、カウントされているのでは?

やんじさん
横から失礼します。

小規模なものを沢山ネットワークで繋ぐ小規模分散型方が安くて効率が良いことは、インターネットが代表的なものですが、電力供給システムも、放送網でも同じことだと思います。

ただ、電力も放送も利権が絡み、なかなかそういう方向には進みそうにありませんね。

やんじ様

既得権が利権化すると、
どうしても新しい芽、正しいことを阻害する傾向があるのは残念なことですね。

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