政治家を選ぶ選挙
政治家と官僚の違いは、未来から現在を考えるか、現在から未来を考えるか、という違いではないかと思います。
ところが、改革や維新を掲げる日本維新の会の代表である橋下徹大阪市長は、遊説先の広島で「核廃絶は理想だが、現実には無理だ」と述べたということです。
理想を切り捨てる、というのは政治家ではありません。
しかも核廃絶は、2020年という脱原発より近い将来を見据えて、世界155カ国と5,443都市が加盟する平和市長会議が推し進めているものであり、国連事務総長から、アメリカの全米市長会議までが賛同している、極めて現実的なものです。
人気のある政治家だけに、この件に関しては、現実も知らずに理想を切り捨てるという残念なところを見せてしまいました。
ところで、この件に関し、湯崎知事は「よく勉強してほしい。国会議員も所属する公党の党首なら認識を改めてほしい」などと苦言を呈した、と報道され、松井市長は「松井広島市長は被爆の実相をご存じない方の発言かもしれない、と批判した」(NHK)と報道されました。
しかし、湯崎知事の発言は報道のみでしか聞いていませんが、松井市長の記者会見を全部見た限りでは、報道とはかなり違うものでした。
松井市長の会見は、橋下市長の発言を批判はしておらず、むしろ「容認」し「裏付けた」ような内容でした。
松井市長は「日本国は民主主義の国だから色々な意見があって当然」「意見は意見として受け止める」とし、記者からの「伝えたいことはないのか」という質問にも「資料館をみたり被爆者の話をよく聞けば広島市民の気持ちや心をもっと理解してもらえるのではないか」と答え、更に「橋下市長に、どう反論するか」ということにも「反論はしない」「意見を持っていることは認める」「議論はしない、議論ではなく思いだ」と言い、それに付け加えて「被爆の実相をご存じない方の発言かもしれない」と言ったわけです。
更には「こういう考え方の人には、もっと具体的な道筋を示していくべきではないか」という質問にも、「そういう議論をしたい方にはやってもらえばいい」「方法論ではなく気持ちの問題」「広島はみなさんにお願いし続ける町である」「方法論ではない、大切な思いだ」と、まさに橋下市長が「核廃絶を叫ぶだけでは実現は不可能」という主張を裏付けた内容でした。
最後には「議論ではなく思いだというのであれば、せめて橋下市長に平和資料館を観てもらってはどうか」という質問にも「忙し方だから」という始末です。
広島市民としては市長が橋下発言を「批判した」と思いたいところですが、現実はそうではなく、NHKも決して真実を伝えていないことの確認にしかなりませんでした。
いずれにしても、選挙では官僚ではなく政治家を選びましょう。
*お願い
この文章の下にある《広島Blog》というバナー(画像)を クリックしてください。

松井氏は所詮官僚ということですね。
誕生日が1953年1月8日だそうですから、
そこで定年となって、
退職金をもらっても、あとは悠々自適の生活をするのが、本人の望むところかもしれませんね。
広島市民は振り込め詐欺にあったようなもんです。
投稿: ゲン | 2012年11月18日 (日) 07時45分
ニュースで見て、湯崎知事と松井市長の差に残念なものを感じていましたが、本当はもっと大きな開きがあったのですね。
そんな人がヒロシマの市長とは、本当に情けないですね。
投稿: アコ | 2012年11月18日 (日) 09時04分
私は湯崎知事の「苦言」でさえ、もっと具体的に突っ込めないのかと思っていましたが、松井市長の「批判」には呆れてしまいました。
ところが、この記事を読むと開いた口が塞がりません。
どうしてマスコミも問題にしないのでしょうか。
投稿: 通りすがり | 2012年11月18日 (日) 09時18分
>「せめて橋下市長に平和資料館を観てもらってはどうか」という質問にも「忙し方だから」という始末
まさにトドメの一発でしょうか。
広島を訪れる国連事務総長や各国大使、あるいはダライ・ラマ14世が、自分のように手紙を届けるためだけに東京に行くほどの暇人だと思っているのでしょうか。
結局「全くヤル気ありません」ということですね。
外務省主導の県の方がまだマシだというのは、どこまで広島市が落ちたかということで、全くもって言葉がありません。
投稿: 灰猫 | 2012年11月18日 (日) 11時23分
理想と現実という点も大事なのですが、もう一点看過できないことがあります。
朝日新聞の報道では、
---日本維新の会代表の橋下徹大阪市長は14日、核兵器廃絶に関連して「政治は現実に即して戦略を考える必要がある。核廃絶だけを叫んでいても何も動かない。スローガンだけ掲げるような政治はもうやめないといけない」と述べた。市役所で報道陣に語った―――
です。
「叫んで」いるだけ、「スローガンだけ掲げるような政治」は、そのまま維新の会の批判として通用する言葉だと思いますが、橋下代行は自省心の強い人だということなのかもしれません。
「スローガンだけ掲げるような政治」で思い出すのは、オバマ大統領のプラハ演説そしてその後のノーベル賞を「お題目だけで何もしていない」と批判した人たちの多かったことです。橋下代行は、オバマ大統領にも外交政策のあり方について教えを垂れた積りなのかもしれません――だとすると、いい度胸ですね。
そんな傲慢な発言ができるのは、善意に解釈すると、オバマ大統領はじめ、核なき世界実現のために、着実な努力がなされ、その成果が現れていることを全く知らない無知のせいだと考えられます。
核兵器廃絶のための運動は、イデオロギーに支配されていた頃、つまり敵対するイデオロギーを代表する国の悪口の言い合いをしていた頃、と比べて、はるかに現実的かつしっかりとした活動をしています。播基文国連事務総長も、自ら5項目プランを提示して運動をリードしていますし、平和市長会議の活動も都市の連帯を背景に、国連との連携や志を同じくする多くの国々との共同行動を産んでいます。広島でこの夏世界大会を開いた核戦争防止国際医師の会はじめ多くのNGOも、世界の世論を喚起し、さらに多くの賛同国がもっと積極的に動くよう、様々な活動をしています。
ほんの一例を挙げましょう。長崎大学の核兵器廃絶研究センターによると、「10月22日(月)午前、核兵器に関するテーマ別討論において、34か国(+オブザーバー国であるバチカン)を代表したスイスが、「核軍縮の人道的側面に関する共同声明」を発表した。今年5月の16か国声明に続き、スイス、ノルウェーらが主導したものである。署名国にはその後モロッコが加わり35か国になったという情報もあり、確認中である。
日本政府に対してもスイスらが署名を要請したが、「(日本の)安全保障政策 の考え方と必ずしも合致しない内容がある」(記者会見での榛葉副大臣の発言。10月22日)として賛同しなかった。」
その結論は、「効果的な国際管理の下での全面的、不可逆的かつ検証可能な核兵器の廃絶」です。この主張の強力な推進団体は国際赤十字赤新月社です。それに外務省は反対しているのです。
橋下代行の発言は、この外務省のお先棒を担ぐものです。橋下代行の公務員や官僚制度改革は、「しがらみの中でどうしても省益に流れてしまう問題を、国民全体のために働く制度に変えていく。優秀な官僚が国民全体のために働く志を保つ制度にするということです」ということなのだそうですが、アメリカのお先棒を担ぐ外務省の考え方は、「省益」の最たるものでしょう。そのお先棒を担ぐのは、省益に流されるどころか、自分で流れを作っていることに他なりません。何をか況やです。
ということで、湯崎知事の「橋下は無責任かつ不勉強」発言は的を射ていると思います。
投稿: リアリスト | 2012年11月19日 (月) 01時15分
追加です。
長崎大学の核兵器廃絶研究センターが報告しているのは、10月22日に開かれた第67回国連総会第一委員会(軍縮や安全保障を担当する)における「核軍縮の人道的側面に関する共同声明」です。
投稿: リアリスト | 2012年11月19日 (月) 12時10分
選ぶ政治家がいません。
ですから、消去法で、最低でも「反原発」の人に票を入れるしかないのかも?
もしかしたら、人生初の自ら選挙に行かない道を選ぶかも?
「スローガンだけで動かない」
無知の証ですね。
核廃絶を望む人達は、世界中で核の悲惨さを訴える活動をしています。
ヒロシマ・ナガサキの原爆展など。
国民の命より利権が大事な政治家は、核廃絶のためには動かないのでしょうね。
投稿: やんじ | 2012年11月19日 (月) 16時14分
ゲンさん
振り込め詐欺ですか。
市民も、まだまだ情報リテラシーを磨かないといけませんね。
投稿: 工場長 | 2012年11月20日 (火) 07時39分
アコさん
以前は、市長を叩くことが多かったマスコミですが、今はフォローしていることが多いように感じます。
時間はかかりますが、大切なことは出来るだけ正しい情報を得るようにしないといけませんね。
今は、記者会見なども全て公開しているところが多く、それとマスコミ報道を見比べると、バイアスのかかり具合もよく分かります。
しかし、それにしても、情けない・・・本当ですね。
投稿: 工場長 | 2012年11月20日 (火) 07時42分
通りすがりさん
私も同じでした。
湯崎知事の発言にすら物足りなを感じていましたが、松井市長には唖然とするだけでした。
投稿: 工場長 | 2012年11月20日 (火) 07時43分
灰猫さん
「忙しい方だから」は、本当に驚いた一言でした。
さすが官僚というか、いや、それ以前の問題ですね。
投稿: 工場長 | 2012年11月20日 (火) 07時45分
リアリストさん
詳しいコメントをありがとうございます。
書かれていることは重要なことだと思います。
橋下代行は核廃絶について無知であり、ヒロシマについても無知でした。
彼の発言の意図するところは分かりますが、所詮中身のないパフォーマンスであることを露呈したように思います。
大飯原発の再稼働も「夏を乗り切るため」に容認したはずですが、その大飯原発が電力という点では不要だったことが明らかになってもそのままで、脱原発の看板すら下ろしてしましました。
単なる不勉強というだけではないところに、恐ろしさを感じます。
投稿: 工場長 | 2012年11月20日 (火) 07時48分
やんじさん
本当に選ぶ政治家も選ぶ政党もありませんね。
もう間接民主制は終わりにして、せめて国民の命にかかわることは、国民投票で決めるようにすべきでしょう。
技術的にはインターネットやコンビニを使って、従来より遥かに安く簡単に国民の意思を知ることができるはずです。
海外でも脱原発は国民投票で決められています。
投稿: 工場長 | 2012年11月20日 (火) 07時50分
« 死、そして生まれるーおじいちゃんが亡くなった | トップページ | 3回楽しむーさかな市場 »
「経済・政治・国際」カテゴリの記事
- 8時15分の意味、意図(2026.03.04)
- 中国のレアアースの輸出禁止処置について(2026.03.16)
- 日本でシェアリングエコノミーが浸透しない理由(2026.03.02)
- シェアリングエコノミー・友人からのメール(2026.02.28)



松井氏は所詮官僚ということですね。
誕生日が1953年1月8日だそうですから、
そこで定年となって、
退職金をもらっても、あとは悠々自適の生活をするのが、本人の望むところかもしれませんね。
広島市民は振り込め詐欺にあったようなもんです。
投稿: ゲン | 2012年11月18日 (日) 07時45分
ニュースで見て、湯崎知事と松井市長の差に残念なものを感じていましたが、本当はもっと大きな開きがあったのですね。
そんな人がヒロシマの市長とは、本当に情けないですね。
投稿: アコ | 2012年11月18日 (日) 09時04分
私は湯崎知事の「苦言」でさえ、もっと具体的に突っ込めないのかと思っていましたが、松井市長の「批判」には呆れてしまいました。
ところが、この記事を読むと開いた口が塞がりません。
どうしてマスコミも問題にしないのでしょうか。
投稿: 通りすがり | 2012年11月18日 (日) 09時18分
>「せめて橋下市長に平和資料館を観てもらってはどうか」という質問にも「忙し方だから」という始末
まさにトドメの一発でしょうか。
広島を訪れる国連事務総長や各国大使、あるいはダライ・ラマ14世が、自分のように手紙を届けるためだけに東京に行くほどの暇人だと思っているのでしょうか。
結局「全くヤル気ありません」ということですね。
外務省主導の県の方がまだマシだというのは、どこまで広島市が落ちたかということで、全くもって言葉がありません。
投稿: 灰猫 | 2012年11月18日 (日) 11時23分
理想と現実という点も大事なのですが、もう一点看過できないことがあります。
朝日新聞の報道では、
---日本維新の会代表の橋下徹大阪市長は14日、核兵器廃絶に関連して「政治は現実に即して戦略を考える必要がある。核廃絶だけを叫んでいても何も動かない。スローガンだけ掲げるような政治はもうやめないといけない」と述べた。市役所で報道陣に語った―――
です。
「叫んで」いるだけ、「スローガンだけ掲げるような政治」は、そのまま維新の会の批判として通用する言葉だと思いますが、橋下代行は自省心の強い人だということなのかもしれません。
「スローガンだけ掲げるような政治」で思い出すのは、オバマ大統領のプラハ演説そしてその後のノーベル賞を「お題目だけで何もしていない」と批判した人たちの多かったことです。橋下代行は、オバマ大統領にも外交政策のあり方について教えを垂れた積りなのかもしれません――だとすると、いい度胸ですね。
そんな傲慢な発言ができるのは、善意に解釈すると、オバマ大統領はじめ、核なき世界実現のために、着実な努力がなされ、その成果が現れていることを全く知らない無知のせいだと考えられます。
核兵器廃絶のための運動は、イデオロギーに支配されていた頃、つまり敵対するイデオロギーを代表する国の悪口の言い合いをしていた頃、と比べて、はるかに現実的かつしっかりとした活動をしています。播基文国連事務総長も、自ら5項目プランを提示して運動をリードしていますし、平和市長会議の活動も都市の連帯を背景に、国連との連携や志を同じくする多くの国々との共同行動を産んでいます。広島でこの夏世界大会を開いた核戦争防止国際医師の会はじめ多くのNGOも、世界の世論を喚起し、さらに多くの賛同国がもっと積極的に動くよう、様々な活動をしています。
ほんの一例を挙げましょう。長崎大学の核兵器廃絶研究センターによると、「10月22日(月)午前、核兵器に関するテーマ別討論において、34か国(+オブザーバー国であるバチカン)を代表したスイスが、「核軍縮の人道的側面に関する共同声明」を発表した。今年5月の16か国声明に続き、スイス、ノルウェーらが主導したものである。署名国にはその後モロッコが加わり35か国になったという情報もあり、確認中である。
日本政府に対してもスイスらが署名を要請したが、「(日本の)安全保障政策 の考え方と必ずしも合致しない内容がある」(記者会見での榛葉副大臣の発言。10月22日)として賛同しなかった。」
その結論は、「効果的な国際管理の下での全面的、不可逆的かつ検証可能な核兵器の廃絶」です。この主張の強力な推進団体は国際赤十字赤新月社です。それに外務省は反対しているのです。
橋下代行の発言は、この外務省のお先棒を担ぐものです。橋下代行の公務員や官僚制度改革は、「しがらみの中でどうしても省益に流れてしまう問題を、国民全体のために働く制度に変えていく。優秀な官僚が国民全体のために働く志を保つ制度にするということです」ということなのだそうですが、アメリカのお先棒を担ぐ外務省の考え方は、「省益」の最たるものでしょう。そのお先棒を担ぐのは、省益に流されるどころか、自分で流れを作っていることに他なりません。何をか況やです。
ということで、湯崎知事の「橋下は無責任かつ不勉強」発言は的を射ていると思います。
投稿: リアリスト | 2012年11月19日 (月) 01時15分
追加です。
長崎大学の核兵器廃絶研究センターが報告しているのは、10月22日に開かれた第67回国連総会第一委員会(軍縮や安全保障を担当する)における「核軍縮の人道的側面に関する共同声明」です。
投稿: リアリスト | 2012年11月19日 (月) 12時10分
選ぶ政治家がいません。
ですから、消去法で、最低でも「反原発」の人に票を入れるしかないのかも?
もしかしたら、人生初の自ら選挙に行かない道を選ぶかも?
「スローガンだけで動かない」
無知の証ですね。
核廃絶を望む人達は、世界中で核の悲惨さを訴える活動をしています。
ヒロシマ・ナガサキの原爆展など。
国民の命より利権が大事な政治家は、核廃絶のためには動かないのでしょうね。
投稿: やんじ | 2012年11月19日 (月) 16時14分
ゲンさん
振り込め詐欺ですか。
市民も、まだまだ情報リテラシーを磨かないといけませんね。
投稿: 工場長 | 2012年11月20日 (火) 07時39分
アコさん
以前は、市長を叩くことが多かったマスコミですが、今はフォローしていることが多いように感じます。
時間はかかりますが、大切なことは出来るだけ正しい情報を得るようにしないといけませんね。
今は、記者会見なども全て公開しているところが多く、それとマスコミ報道を見比べると、バイアスのかかり具合もよく分かります。
しかし、それにしても、情けない・・・本当ですね。
投稿: 工場長 | 2012年11月20日 (火) 07時42分
通りすがりさん
私も同じでした。
湯崎知事の発言にすら物足りなを感じていましたが、松井市長には唖然とするだけでした。
投稿: 工場長 | 2012年11月20日 (火) 07時43分
灰猫さん
「忙しい方だから」は、本当に驚いた一言でした。
さすが官僚というか、いや、それ以前の問題ですね。
投稿: 工場長 | 2012年11月20日 (火) 07時45分
リアリストさん
詳しいコメントをありがとうございます。
書かれていることは重要なことだと思います。
橋下代行は核廃絶について無知であり、ヒロシマについても無知でした。
彼の発言の意図するところは分かりますが、所詮中身のないパフォーマンスであることを露呈したように思います。
大飯原発の再稼働も「夏を乗り切るため」に容認したはずですが、その大飯原発が電力という点では不要だったことが明らかになってもそのままで、脱原発の看板すら下ろしてしましました。
単なる不勉強というだけではないところに、恐ろしさを感じます。
投稿: 工場長 | 2012年11月20日 (火) 07時48分
やんじさん
本当に選ぶ政治家も選ぶ政党もありませんね。
もう間接民主制は終わりにして、せめて国民の命にかかわることは、国民投票で決めるようにすべきでしょう。
技術的にはインターネットやコンビニを使って、従来より遥かに安く簡単に国民の意思を知ることができるはずです。
海外でも脱原発は国民投票で決められています。
投稿: 工場長 | 2012年11月20日 (火) 07時50分