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2012年6月12日 (火)

時間地理学とクリエイティブ&サスティナブル・シティ 100万都市の魅力

20年ほど前に時間地理学(time geography)が流行った。
広島から東京まで飛行機だと1時間半くらいで行けるが、三次までいくには2時間を超えるから、三次より東京の方が近いということで、それを基に日本地図を図化すると、地図がゆがんでくるというやつだ。
そうした考え方をベースにして、いかに時間距離を短くするかということで、自動車道や新幹線や飛行場を作ってきた。

しかしその時間地理学には、もう一つ重要な指摘があった。

その移動にかかる時間を経済モデルとして扱ったとき、
「街の規模がある一定数以上になると、職場や行動拠点、立ち寄り箇所など、分散するほうが、
全体としては効率がいい」ということも指摘されていたようだ。

東京に住んでいると、自宅から会社までは、朝夕のラッシュアワーの通勤電車に揺られ、片道の通勤時間が1時間半を越えるのは当たり前だという。
ゴルフに行くのだって、片道2時間程度はかかるという。
東京に住み、働くのは極めてロスが多いということがわかる。

対して広島であれば、それこそ半径2~3kmの範囲に、つまり広島は歩いて行ける範囲に、県庁、市役所があり、デパートがあり、美術館があり、野球場がある。
バー、レストランの集積した流川の繁華街もある。

この範囲の中に住んでいる人も多い。
郊外の住宅地からも、市内中心部に大体30分程度で通勤できる。

職住遊が近接しているということは、時間的ロスが少ないだけでなく、疲労もすくない。
人口100万人程度だから、可能だということでもある。

東京首都圏のように、人口3千万人になると、
大きすぎて、なにかとロスが多いというわけだ。

もう一つ近頃注目されている都市の理論として「クリエイティブシティ」がある。
これは、英国のシンクタンク、コメディアの代表チャールズ・ランドリーが提唱した概念で、脱工業化時代となって、衰退してしまったEU諸国の工業都市が、芸術文化や創造的な産業によって再生したことから、新しい都市政策の考え方として注目されているものである。
例えば、造船や鉱山で栄えていた英国北部のニューカッスル・ゲーツヘッドの場合、80年代に製造業の大部分が衰退し、失業率が15%を越えるまでに町は疲弊していた。
それが1998年、高さ20m、幅64m、総重量200トンという鉄製の巨大なアートワーク「北の天使(アントニー・ゴームリー作)」の完成を契機に、この都市は大きな変貌を遂げ、発展したという。
その後、都心部に現代美術と音楽の二つの文化施設を設置するなどして、2002年にはニューズウィーク誌で「世界で最も創造的な8都市」のひとつに選ばれてもいる。

そのあと、都市経済学者リチャード・フロリダがクリエイティブシティについて書いている。
「クリエイターと呼ばれるような、デザイナー、作家、芸術家、音楽家、科学者、技術者、建築家等を合わせた新しい社会集団が、新しい都市の経済発展を可能にする」という。
そうしたクリエイティブな人たちを集めるためには、その都市の多様性が重要であるとも指摘している。
ゲイ等の価値基準が全く違った人たちを受け入れているか否かが、都市の多様性の目安となるともいっている。

そして、その本の中で、フロリダは、
人々は居住地選択の条件として、
1: 子供を育てるのに適しているか。
2: 友人作りに適している、出会いが多いか。
3: 美しい環境であるか。
4: いい学校があるか。
5: 公園と緑があるか。
6: 安全であるか。
7: 職場があるか。
を挙げ、
そうした条件が満たされた都市に、人々はより集中することになり、クリエイティブな人たちがあつまってくるとも言っている。

そしてフロリダはそうした現象を
「世界はフラットではない。スパイキーだ」と、
極めて刺激的な言葉を使って、今の世界の状況を表現している。

広島市は100万人都市として、ゲイに対しても寛大だと思うが、フロリダの指摘するような居住地選択の条件はほぼ全てクリアしている。

そして誰もが感じているように、これからの時代にあっては「食料を自給し、エネルギーも自給できる都市がサスティナブルであるための条件だ」という自立した都市を、いかに実現するかも大きな課題だ。

時間地理学での指摘、都市の自立理論と、フロリダのクリエイティブシティの条件を考慮すれば、
これからの世界の都市の有り方は、
エネルギー的にも、食料についても自立している、広島のような100万人くらい都市が、インターネットにより、
ネットワーク化することで、世界を作ることが、
最も住みやすい世界を作ることになるといえるかもしれない。


元安川


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広島は様々な面で住みやすい都市だと思います。
でも、寛容性については、もう一歩という気もします。

投稿: アコ | 2012年6月12日 (火) 07時16分


私も寛容性については、ヒロシマは「報復より和解、憎しみより寛容な心」を持つ人が多いとは思います。
それでもニューヨークやロサンゼルスのような、例えばゲイに対してどの程度寛容なのかについては疑問な面もあります。
ゲイバーで楽しんでいるお父さん方も、自分の息子が男性と結婚したいと言った時に、どのくらいの人が、それを許すのか、心から祝福できるのか、私自身も何とも言えません。

投稿: 星野 | 2012年6月12日 (火) 10時18分


アコ様

寛容性。
そうですね、「被爆」、「平和」という課題を抱える広島市にとっては、最も重要なテーマだと思いますが、まだまだですね。

投稿: 元安川 | 2012年6月12日 (火) 15時25分


星野様

寛容性。
自分の息子が外国人と結婚すると言われただけで、ひっくり返ってビックリしているんですから、まだまだですね。

投稿: 元安川 | 2012年6月12日 (火) 15時27分

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コメント

広島は様々な面で住みやすい都市だと思います。
でも、寛容性については、もう一歩という気もします。

私も寛容性については、ヒロシマは「報復より和解、憎しみより寛容な心」を持つ人が多いとは思います。
それでもニューヨークやロサンゼルスのような、例えばゲイに対してどの程度寛容なのかについては疑問な面もあります。
ゲイバーで楽しんでいるお父さん方も、自分の息子が男性と結婚したいと言った時に、どのくらいの人が、それを許すのか、心から祝福できるのか、私自身も何とも言えません。

アコ様

寛容性。
そうですね、「被爆」、「平和」という課題を抱える広島市にとっては、最も重要なテーマだと思いますが、まだまだですね。

星野様

寛容性。
自分の息子が外国人と結婚すると言われただけで、ひっくり返ってビックリしているんですから、まだまだですね。

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