「誰故草」歌も花も広がって
先日、広島市安芸区の船越公民館で、国の天然記念物「誰故草」(タレユエソウ、別名エヒメアヤメ)の展示会があり、訪れた。
4月中旬から下旬にかけて青紫色のかれんな花を開花させるが、3~4日の命。レッドデータブックに絶滅危惧Ⅱ類として掲載され、旧安芸郡船越町の町花に指定されている。
江戸時代の儒学者頼杏平(らいきょうへい)の「芸藩通志」には、鎌倉末期の歌人藤原為兼が、今の船越町大江谷でタレユエソウと命名したと記されてある(原田一郎「誰故草の復活」より)。同町の保存会が今、かってあった自生地の復活を目指して、大切に育てている。県内では他にも三原市沼田西町や、福山市上下町でも見られる。
この花をモチーフにした「誰故草」という歌がある。歌手は「知りたくないの」「今日でお別れ」の菅原洋一さんだ。筆者はこの歌の制作に少しだけ協力したことを思いだす。
平成6年、出版部にポリドールレコードから書籍「誰故草の復活」(前出)の注文と、写真を撮りたいとの問い合わせがあった。電話を受けた当時の担当者・亀宝幸子さん(現在箏グループ「風」主宰)から筆者に相談があった。
早速、知己であった当時の上下町長・梶田昌宏さんにお願いし、5月の連休に菅原さん、作詞の杉紀彦さん、レコード会社、菅原さん所属の小沢音楽事務所の皆さんと現地を訪れ、町内を回ってCDのジャケット写真を撮影した。車は友人の面村信之さん(ミュージック装苑代表)出してくれた。
CDが完成した7月末、菅原さんらは上下町長や県知事を表敬訪問。中国新聞や月刊レジャー広島(久村敬夫社長)の取材、RCCラジオ「田中俊雄の演歌茶屋」出演などに協力した。出演したのがたまたま田中さんの誕生日に当たり、打ち上げの席で菅原さんが「忘れな草をあなたに」をプレゼント。田中さんは「今でも忘れない」と話す。
そして8月15日には梶田町長の計らいで、上下町の中学校グランドで「誰故草コンサート」が開かれた。大勢の人が押しかけ、作曲した四方章人さんも参加し歌も披露。「誰故草」は地元の女性合唱団も歌い、盛り上がった。筆者は前夜、四方さんらとカラオケに行き、四方さんの歌のうまさに感心したことを覚えている。
「誰故草」の歌がもっと歌われ、同花が大切に保存され、自生地がもっと広がることを願う。
上村和博
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おはようございます。
今朝の広島市はひんやりした空気でしたが日中はお陽様のおかげで気温が上がりそうです。
庭の野苺が赤く実り 甘みを増してくれたらなあと感じております。
『誰故草』って恥ずかしながら初めて知りました。
菅原洋一さんの歌は小学生時代から聴いておりましたが誰故草の内容だとか考えたこともなかったです。
あの頃の歌では「知床旅情」や「すみれの花咲く頃」「ひなげしの花」など印象的です。
多分なのですが可愛い? 小学生でしたので歌詞の内容までは ましてや男性の菅原洋一さんの歌詞までは理解しようとは考えなかったのでしょうね。
今こうして年齢を重ねると絶滅していこうとしている野花には 想いを馳せてしまう昭和生まれです。
我が家の庭にも 我が家なりの歴史が52年余 溢れており 広島の花は余計に愛しく感じてしまいます。
紫陽花の綺麗な時季ですので近々 縮景園にて娘と想い出作りしてこようと想います。
日本の庭 日本の自生する花は貴重なものですね。
慈しみたいですね。
投稿: 豊華 | 2012年5月29日 (火) 08時18分
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投稿: 豊華 | 2012年5月29日 (火) 08時18分