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2011年5月28日 (土)

これからの住い方 ―現代版 方丈庵

日経ビジネス 2011年5月9日号に東日本大震災で人々の住宅選択の基準が次の5点で大きく変わったと書かれていた。

①何よりも耐震力を重視するようになった。
②高層階の揺れ、停電時にエレベーターが使用できなくなるということから、マンションは高層より低層の方がよいと考えるようになった。
③津波、液状化を目の当たりにし、湾岸の埋立地より、台地に住みたいと考えるようになった。
④停電を経験したことで、オール電化は様子見になった。
⑤帰宅難民の辛さを実感し、電車が運行不能になっても、職場から帰宅できる場所に住みたいと考えるようになった。
という。

突き詰めれば、いままで効率等を基準して住宅選びをしてきたが、これからは、いざというときどうやって生き延びるかということを、基準に住宅選びをするようになったということだろう。
言葉を変えていえば、持続可能性ということが基準になったということだ。

しかしそれでもまだ、こうした問題については、技術が進化すれば、なんとかなるはずだという思いが何処かにあるように感ずる。
ということでは、この建物については、震度9.0でも大丈夫ですよといわれれば、また海に面した、眺望のいい高層マンションに戻ってくるということなのだろう。
そんなマンションは、戦車のように頑丈に作られているだろうことが想像できる。
そんな住宅に、誰だって住みたくはないはずだ。

住宅をそう捉えるのでなく、
「いざとなったら逃げればいい。
逃げやすい住宅はどんなものか。
壊れたらまた作り直せばいい。
できるだけ、自給自足に近い住み方をする」という基準から住宅を選ぶようになれば、もう少し軽く、美しい住宅となるはずだ。

そんな住宅とは、例えば、茶室のような住宅かもしれない。
茶室には、2畳半程度の大きさもある。
古来、日本には一茶ではないが、そうした生き方を理想とするような思想はあった。

有名な鴨長明が方丈記を書いた晩年の住まい、方丈庵は
<方丈記の中での紹介文>
その家のありさまよのつねにも似ず、廣さはわづかに方丈、高さは七尺が内なり。
所をおもひ定めざるがゆゑに、地をしめて造らず。
土居をくみ、うちおほひをふきて、つぎめごとにかけがねをかけたり。
もし心にかなはぬことあらば、やすく外へうつさむがためなり。
そのあらため造るとき、いくばくのわづらひかある。積むところわづかに二輌なり。
車の力をむくゆるほかは、更に他の用途いらず。
いま日野山の奧にあとをかくして後、南にかりの日がくしをさし出して、竹のすのこを敷き、その西に閼伽棚を作り、うちには西の垣に添へて、阿彌陀の畫像を安置したてまつりて、落日をうけて、眉間のひかりとす。
かの帳のとびらに、普賢ならびに不動の像をかけたり。
北の障子の上に、ちひさき棚をかまへて、黒き皮籠三四合を置く。
すなはち和歌、管絃、往生要集ごときの抄物を入れたり。
傍にこと、琵琶、おのおの一張をたつ。
いはゆるをりごと、つき琵琶これなり。
東にそへて、わらびのほどろを敷き、つかなみを敷きて夜の床とす。
東の垣に窓をあけて、こゝにふづくゑを出せり。
枕の方にすびつあり。これを柴折りくぶるよすがとす。
庵の北に少地をしめ、あばらなるひめ垣をかこひて園とす。
すなはちもろもろの藥草をうゑたり。
かりの庵のありさまかくのごとし。
(ちなみに、1丈=10尺≒3m、方丈は3m四角の意)
と書かれている。

あながちそんな生活をすることは、今だって不可能ではないだろうが、凡人にはちょっと難しい。
そんな狭い住宅に住もうとすれば、持っている物はほとんど捨てなければいけなくなる。
TVだって見たいだろうし、冷蔵庫だって欲しいだろう。

しかし現代のIT時代にあっては、それに近い生活をすることは、不可能ではないようだ。
友人のM氏は書籍、CDの類は全て捨て、それこそ iPad 1個しか持たない生活をしている。
TVだってそれで見られる。
彼が最近作った住宅は家の中は殆ど空っぽだ。
電気も太陽光発電のパネルを屋根に取りつくけることで、全ての使用電力が賄えるのだという。
電気自動車のバッテリーを太陽発電のパネルと繋げれば、中国電力から電気を買わなく済むようになるのも、近々実現するかもしれない。
現代版方丈庵だ。

かって日本の住宅は狭いということで、日本人はウサギ小屋のような住宅に住んでいるといわれたこともある。
そんなこともあって、いままで日本人は皆なんとか広い住宅に住むことに憧れてきた。
マンションも100M2と広いことを売りにしたパンフレットを良く見かける。

しかし、茶室のような住宅での住まい方もあるのですよということがということが示せれば、そんな素晴らしいことはない。
それはそれこそ究極エコ住宅でもあるだろう。
今回の東日本大震災は、人々の生活の仕方、建築についての考え方を根本から変えたことは確かだ。

そんな生き方、住宅のあり方を、世界に示せたら面白い。


元安川*お願い
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コメント

高気密住宅は、空調が前提ですよね。
今の住宅には古人の知恵はあまり生かされてないでよね。
夏と冬の太陽の高さを考慮した軒先とか、湿度の高さに対応した床下とか。
お金を沢山使い電気を利用した生活より、自然に対して知恵を使った生活の方が、体にも精神にもいいのかもしれませんね。
田舎で、縁側でスイカを食べ、ヒンヤリとした板張りの上で昼寝をしていたときは、とてもリラックスできてました。

やんじ様

そういえば、地下10M?位の温度は1年を通して一定なので、そこにパイプを突っ込んで、室内の空気を還流させるという技術を売っているという会社が広島にあると、TVで見た記憶があります。
高層マンションでも積極的にそうしたことをしたらどうでしょうかね。

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