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2011年4月20日 (水)

映画「英国王のスピーチ」と「言葉」

先日久しぶりに映画を見た。
イギリス映画「英国王のスピーチ」
アカデミー賞の作品賞他3部門を賞したという作品だ。

映画は、英国王ジョージ6世の生い立ちと、吃音を克服し、ナチス・ドイツと開戦をせざるをえなくなったことを伝え、国民の団結を求めるという劇的なスピーチをするまでにいたった過程を描いている。
不安に慄く英国民への、その思いの籠った語りかけは、人々の心を打つものだった。
ストリーも、極めてシンプルなだけに、極めてドラマチックになっている。
王は2男でもあり、吃音であるがゆえに、王になんかまったくなりたくなかった。
それが、兄のエドワード8世が、英国教会で禁じられている、離婚歴のあるシンプソン夫人との結婚を選んだがために、王にならなければならなくなった。
なんとしても、吃音を克服しなければならなくジョージ6世は、妻の紹介で、なんの資格もないスピーチ矯正の専門家と称するライオネルの矯正を受ける。
彼は、本職は俳優だ。
医者としての資格はない。
経験は豊富なのだろう、その矯正法は極めてユニークだ。
大音量の音楽が流れるヘッドホンをつけ、シェイクスピアを朗読するという奇妙な実験を行うが、ジョージはこの治療は自分には合わないと告げ、足早に立ち去ってしまう。
だがクリスマス放送のスピーチがまたしても失敗に終わったジョージは、ライオネルに渡されたその時の朗読の録音をしたレコードを聞いて驚く。
大音量の音楽で聞こえなかった自分の声が一度もつまることなく滑らかなのだ。
他の人にどう聞こえているかなど気にせず、喋ることに集中すれば、ちゃんと喋れるというわけだ。

私にも、これに似た経験がある。

私が、かって勤務していた会社の社長がちょっと吃音だった。
そうしたこともあってか、彼は会社では「よし、駄目、やりなおし」の3つの言葉しか言わなかった。
しかし社長にまでなるだけの能力はある人だった。
その判断は極めて的確だった。
しかし社員の前でのスピーチは、いつも極めて短かかった。
原稿用紙半分ほどの長さだった。
それも話すときは、ちょっとどもっていた。
しかしそれだけに一言一言に思いが籠っていた。
余計なことは全く言わない人だった。
それが逆に、社員や顧客の信望をえることになっていたようだ。

吃音になる人というのはそれだけ、神経が細やかな人なのだろう。

その神経を癒すためにだろう、酒を浴びるように飲んでいた。
それが元で亡くなってしまった。

お葬式のとき、夫人に「家でも、無口ですか」と聞いたら、
「家に帰ってきたら、風呂、酒、寝る の3つしか言わない人でした」
と言っていた。

海部元総理は極めて雄弁で「海部の前に海部なし、海部の後に海部なし」とまで言われた。
黒川紀章も上手かった。
あまりにも雄弁な人の演説は、どこか信用ができないなと感じてしまうことがある。

私が学生の頃、背も高く、イケメンだし、喋るのも上手い奴がいた。
その彼に、喋る内容を原稿に書いて、渡し、大勢の前で喋らせたことがある。
当然大喝采だった。

政治は言葉だと言うが、
やっぱり問題は、何を考えているか、何を言いたいか、その中身だろう。
そしてその人の人柄だ。
4月の選挙でもそれを思い知らされた。

「英国王のスピーチ」は、あらためて「言葉」について考えさせられた映画でもあった。

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