発電と送電の分離
福島原発の事故がレベル7になった。
とんでもないことが起こっている。
被爆都市広島に住む者にとって、他人ごとではない。
広島では大分前から、上関原子力発電所建設運動が続けられているが、被爆経験のある広島市民は、できれば、原子力発電所は止めて欲しいと思っている。
しかし、電力の3割を原発に頼っている日本としては、仕方がないだろうと思ってもきたということもあるし、電力会社も政府も何重にも安全装置のついている原発は大丈夫だからというから、大丈夫だろうとなんとなく思ってきたのが、大方の市民だろうと思う。
しかし今回のような事故が起こって見ると、いくら安全だといっても、そんなものは所詮人間の浅知恵だということを思い知らされたという感じだ。
それでも、安定した電力であり、CO2削減に効果のある原発なくして、日本の経済、国民の生活は成り立たない、だから原発はどんどん作るべきだという人も、まだまだ多い。
それに対して
「否、そんなことは、ない。
水力発電、火力発電、そして民間企業が独自に持つ自家発電持つ発電能力をフル稼働させれば、その不足分は充分賄える」
と京都大学の小出助教はいっている。
そういわれてみると、私にもおもいあたることある。
以前ある会社の新設するホテルの電力を、数キロ離れたその会社の経営する臨海部の工場の余剰電力を使用しようとしたところ、「送電線をもつ電力会社に、かなりの使用量を払わなければならいことがわかり、採算が合わない」と諦めたことがある。
そんな余剰電力をもつ工場は、全国にはもっと沢山あるだろうことは容易に想像できる。
何年か前、電力が自由化されたとき、商社等から「既存の電力会社より安く提供できますよ」という売りこみが、あちこちの大口需要者に沢山された。
しかしそれも今は全く聞かない。
首根っこともいえる送電網を握っている電力会社がOKといってくれなければ、ビジネスとして成立しないということでだろうか、結局は立ち消えになってしまったようだ。
送電網を、なんとかする必要があるようだ。
送電線はそもそも、電気が通る道路みたいなもんだ。
山陽自動車道のように有料道路もあるが、通常道路は無料が原則だ。
送電網も、有料のところもあってもいいと思うが、この際道路同様全国の送電網も国有化し、無料化し、誰もが自由に使えるようにしたらいい。
そして発電は、誰でも出来るようにするのだ。
中にはローカルな送電網、或いは特殊な送電網については、有料もあっていいだろう。
国有化するための財源をどうするかって?
送電網も道路だとみなして、それこそ道路財源を充てればいい。
自動車道の無料化なんて止めて、その収入を充ててもいい。
数年で回収できるだろうと思う。
送電網が無料化されれば、発電ついても、もっともっと民間企業の進出がしやすくなるはずだ。
民間には、知恵もお金も人もある。
発電方法は、水力、火力、太陽光発電を含めて多種多様にある。
いまのところ水力を除く太陽光発電を含めた再生可能エネルギーは、国内発電量の1%にしかならないというが、もっとたような発電方法の開発だって可能だろうし、それを事業化する方法だって考えられるだろう。
ある企業は、小さな水力発電方式を、それこそコンビニのように全国展開する方式を考えるかもしれない。
あれほど馬鹿にされたコンビニも、いまでは、スーパーもデパートも蹴散らし、のみ込んでしまった。
そうなれば、個々の発電所は小さくとも充分採算のあう発電方式の開発だって一生懸命するだろうし、それをネットワーク化する技術開発だって可能になるだろう。
太平洋の大陸棚上部にはメタンハイドレードが無尽蔵にあるという。
そのメタンハイドレードを使った火力発電についても、実は技術的にもコスト的にもほぼ採算があうレベルにまでなっているという。
しかし、CO2削減には原子力発電の方が好ましいといわれていたこともあり、あまり注目されてこなかったようだ。
しかし今は状況が違った。
原子力発電に向けられていた費用をこちらにまわせば、一気に実現の可能性だってあるだろう。
この方式が実用化されれば、それこそ日本は一大資源大国になることだってありえる。
藻から油を抽出するという方式も研究されている。
牡蠣筏と連結させれば、かなりの量が確保できるかもしれない。
広島は、潮の干満の差が1日2回、平均して4M以上もある。
その干満の差を利用した広島独自の発電方式だって開発することが可能だろう。
太陽光と水から、水素を作る研究も進んでいる。
それが実用化されれば、ロータリーエンジンで電気を作ることだって可能になる。
住宅では太陽光発電と電気自動車の蓄電池とを繋げて、電力会社から買う電力をゼロにしようという研究も進められて
いる。
今は巨大な水力発電所、火力発電所で発電しているため、送電ロスも大きい。
ローカルに発電し、ローカルに使うようになってもいいだろう。
発電はなかなか使用状況に応じにくいからと、使用量の減る夜間の方が、値段が安い。
特に原子力発電はまったくそうした発電量の制御ができないようだ。
余っている電力をためる蓄電池の開発も急ぐ必要もある。
そんな民間の知恵をもっともっと発揮させる仕組みを作りだすことが、今求められている。
そのためにはそれなりの仕掛けが必要だ。
送電網の無料化はそのための仕掛けになるはずだ。
そうなれば、新しい発電方式を提供する会社、蓄電池のメイカー、送電会社も生まれてくるだろうし、
それをワンセットにするとスマートグリッドということになるが、そうした技術の開発も進むだろう。
原発を世界に売るのでなく、そうしたシステムのノウハウを世界に売ればいい。
原子力発電からの脱皮は新たな、日本経済の発展の方式を作りだすことになるはずだ。
アメリカはテロに対して原発をどう守るか、破壊された時どうするかのシミュレーションを続けているという。
日本だって日本海沿岸にある原発に、テポドンを1発撃ち込まれたらどうするのだろう。
そんなことは考えたくないからといって、逃げていて、済む状況ではなくなった。
原発のように高度に巨大化システムは、今回のように、想定を越える事態になった時のリスクマネジメントは難しい。
そんな原発に頼らない電力システムを、国民1人1人が考える時に来たようだ。
政府や電力会社に任せていては、福島原発の二の舞になるのだということも、自覚する必要があるようだ。
まずは「送電網を無料化しろ」
といえばいい。












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