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2011年3月27日 (日)

グランドプリンスホテル赤坂

この3月末をもってグランドプリンスホテル赤坂が閉鎖する。
赤プリ、赤プリといわれ、親しまれて来たホテルだ。

昭和2年に建てられたという、旧李王家の建物だけを残し、そのほかの建物は全て解体されるという。
あの丹下健三氏の設計になる高層のホテル棟も解体される。
赤坂見付けの地下鉄の駅を出ると正面にデーンと見えた。
東京のシンボルとなっていた建物だ。

解体の理由は、天井高が2.4Mと低く、高級といわれるホテルに相応しくないからだと説明されている。
たしかに最近建てられたパークハイアット等外資系のホテルの天井高はどれもかなり高いことは確かだ。

しかしどうもそれだけが理由ではなさそうだ。
村野藤吾氏の設計のホテルは、ベッド、椅子もどれも随分と低い。
当然天井高も低い。
それでもきちんとした高級感を作りだしている。
日本を代表する茶室は3畳、4畳という極めて狭い空間を宇宙を感じるような空間に変貌させている。

先日の日経アーキテクチャーをみると、新しい計画では、事務所棟の上にホテルを載せたビル1棟と脇に住宅棟の2棟を建てる計画になっている。
事務所+ホテル棟の高さは180Mとかなり高い。
計画建物の総床面積は22.7万m、2容積率は750%というから、総事業費は軽く1千億円を越えるだろう。
凄い計画だ。
これまで、この敷地の容積率は確か300%だった。
その容積率の倍以上の建物を建てようというわけだ。
近年になって、東京都心の容積率は緑地を確保する等の環境への配慮をすれば、大幅に緩和されるようになったことが背景にあるようだ。

東京の臍ともいえるあの敷地であれば、それはできるだけ大きな建物を建てたいというのは、企業としては当然のことではある。

丹下健三氏設計による新館が建てられたころは、あの敷地の容積率300%で、風致地区に指定されていたこともあって、高さが15Mしか建てられなかった。
300%の容積率を使うことすら、難しかった。
そこで、隣のニューオータニが138Mのホテルを建てたことを理由にして、プリンスホテルも同じ高さのホテルを建てた。
その後、敷地の北に五色と称する宴会場を建て、300%の容積率を目一杯に利用したという経過がある。

丹下健三氏設計したホテル棟は、外観はアルミパネルとガラス、1階のロビーは真白な大理石と、丹下氏らしい清楚な佇まいの建物である。
都心のお堀と緑のなかに建つ建築は大変美しくもあった。

赤坂プリンスホテルは、まだ超高層ビルの走りの時代にできた建物だ。
そのための工夫は至る所にされている。

あの敷地の地盤は関東ローム層の丘になっているということもあって、丘状の部分を切り取って、平らな盤にした上に、建物はポンと乗っているだけだという。
杭は打っていない。

客室棟は1辺が60Mだから、かなり長い。
真っすぐだったら120Mの廊下になる。
それを真ん中で折ってL字型にしたことで、廊下の長さをあまり感じさせないようになっている。

鉄骨を留めるボルトの頭1CMを削って平らにすることもしたという。
1CM×40階だと40CMになる。
10CMなら、×40階で4Mになる。
そうした工夫をするだけで、軽く1階分できてしまう計算になる。
鉄骨の梁を貫通するエアコンのダクトの太さについても随分工夫したようだ。
天井高をいかに低くするかは、大きなテーマだったことがわかる。

それにしても、一つのビルで22.7万m2なんて規模の建物は、人間的スケールを越えている。
六本木ヒルズは38万m2と、さらに大きいが、ここにいくと、どこか違和感がある。

ビジネスという単一の論理に従った時が危うい。
なにもそんなにでかいビルを作るのに拘るとロクなことはない。

先日の東北関東大震災のようなことが起これば、倒れなくとも、エレベーターが使えなくなるとか、給排水のパイプが壊れるとはあるだろう。
ビジネスの論理で、とてつもなくでかい建物を作ったはいいが、あまりのでかさに、自らの図体を持てあまし、経営的に破綻する怖れだって多分にある。

丹下健三氏設計のホテルは日本の文化でもある。
そのホテルを残すことが、よりグランドプリンス赤坂のステータスを高め、ビジネスにもなったはずだ。

丹下健三氏設計した赤坂プリンスホテルは、和の名建築として、保存運動が起こってもいい作品だ。
そうした運動が起こらないこともおかしい。
残念だ。
歴史建築物となるには、ちょっと新しすぎるのだろうか。
その理屈もちょっとおかしい。
竣工が1980年頃だから、まだ30年しか経っていない。
文部科学省指定の文化財になるには通常50年以上経っていることが条件とされるようだ。

ビジネスの論理で、解体するということは解らないわけではないが、それにしても無くなってしまうのは、ちょっと寂しい。
もうちょっと知恵を働かせるべきだったろうと思わずにはいられない。
それが、結果としてビジネスという視点からみても、良かった言うことになったかもしれないのだ。
壊したものは、もう戻らない。

広島の平和資料館、代々木の体育館等と一緒に、丹下健三作品一式を世界遺産としてしまうのもいいかもしれない。

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