劇団四季の公演に想う
劇団四季の秋の公演、ミュージカル『コーラスライン』を観た。‘06年8月の10日間公演以来の上演だ。2時間半、休憩なしの公演は静かながら徐々に盛り上がり割れんばかりの拍手でカーテンコールが繰り返された。しかし、かつて無い気掛かりな事があった。
ブロードウエーミュージカルで四季が‘79年の初演以来1800回を超える代表作の4年振りの広島公演だ。新作ミュージカルのダンサーを決めるオーディションを巡る人生ドラマが歌とダンスで華麗に繰り広げられ…、会場は盛り上がった。
所が終演近くに成って気がついた。2階の空席が目立った。
かつて、初日にこんな空席は見た事が無い…。
1953年に学生演劇集団として発足した四季は最初からミュージカルケ気団だった訳ではない。‘61年に浅利慶太氏が日生劇場の役員に成り徐々にプロ劇団に変化して、’67年に株式会社「四季」を創立した。71年に越路吹雪の『アプローズ』をヒットさせ、’79年に『コーラスライン』が転機となった。‘ 83年に新宿でテントの仮設劇場で「CATS」のロングランを大ヒットさせて、勢いを得ながら成長してきた。
以後、東京での文化の一極集中支配を避けて地方への出前講演に力を注ぎ、こども向けミュージカルにも力を入れた。同時に東京の専用劇場から名古屋、大阪、京都にも拡充し、来年1月には二度目の札幌・専用劇場がオープンする。
広島では昭和40年?頃からRCCの主催で春・秋と年に広島と福山で公演をしてきた。
最近では中国新聞とタッグを組んで関係者の永年の夢だったロングラン公演を‘01年の『オペラ座の怪人』’03年の『CATS』‘08年の『美女と野獣』本年の「マンマミーヤ」が実現し、観客目標をクリアーして来た。
県外からの入り込み客は20%を超え、経済的波及効果は大きかった…。フアンをはじめ県、市、商工会議所など各界から専用劇場の誘致の声も高まって来ている…。
所が、‘96年『オペラ座の怪人』以来340万人を集客して来た福岡キャナルシティーの常設劇場が不振から5月公演を最後に閉館してしまった。昨年秋頃から50~60%の低迷だった…。来年以降、年間3~4ケ月程度の上演が検討されているが、未定の部分が多い。
単なる一時的な不況風の影響かどうか気掛かりである。
広島公演の今後がどうなるか…?広島にも福岡の影響が出かけているのだろうか?
“国際平和文化都市”の名に負けない街造りに市民の理解と協力が期待される。
背伸びして専用劇場の設置や無理したロングラン企画をする事は無い。
とは言え「ライオンキング」のロングラン公演は何としても早期実現が望まれる…。
一方で広島の文化性を高める背丈にあった息長い公演が望まれる…。
『コーラスライン』は12月13日福山、14日呉、15~16日広島再演がある。
3月23日から27日は「クレージー・フォー・ユー」公演7回がALSOKホールである。
劇団四季予約センター:0120-489444
劇団四季広島オフィス 082-503-3411
http://489444.com http://www.shiki.jp/
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