映画「クロッシング」
生きるために命がけで国境を超える北朝鮮の人々を描いた韓国映画「クロッシング」(行き違い:すれ違い)の試写を見た。韓国で100万人を動員して大ヒットし、国内外の映画賞を多数受賞した。
北朝鮮の善良な一家に起きた悲劇を日本人の想像を超える、脱北の過酷な実態を描いて悲痛な感動を呼ぶ秀作だ。‘
‘02年に、脱北者25人が中国当局の警備と監視の目をかいくぐって、北京のスペイン大使館へ駆け込む事件があった。日本の共同通信の平井特派員が一部始終をVTRカメラに収録・公表し、世界中に駆け回ったニュース・事件をモチーフに極秘裏に4年間をかけて制作し、’08年6月に韓国政権の交代後に公開された作品。
舞台は北朝鮮の中国国境沿いの炭鉱の町。炭坑夫で元人気のサッカー選手だったヨンスは妻と11歳の一人息子のジョニと、貧しいながらも幸せに暮らしていた。しかし、妻が肺結核で倒れる。
薬を手に入れるためヨンスは危険を顧みず、決死の覚悟で中国に脱出し、妻の薬を買うために何とか仕事にありつくが、不法密入国者として公安に追われる。脱北者は発見されると強制送還されて死が待っている。
北朝鮮では夫の帰りを待ちわびていた妻が息を引き取り、孤児になった息子は、父との再会を信じて国境の川を目指すが、無残にも発見されて強制収容所に入れられる…。
韓国に渡ったヨンスが「神様は豊かな国にしかいないのか、なぜ貧しい北朝鮮を見捨てるのか!」とはく言葉が胸を締め付ける…。
父親との再会を信じてモンゴルの大草原をさまようが切なくもすれ違ってしまう…幼いジュニの運命に心が痛む…
食糧難、飢餓、粗末な食事に衣服、子どものひったくりに、ストレートチルドレンなど北朝鮮の実態が細かく描かれているが北朝鮮国家や政治体制を直接批判する表現は避けている…。
がしかし、世界で唯一の分断国家の歴史を辿る時、日本政府が繰り返して来た北朝鮮への制裁と弾圧では、一歩の前進も見られない…現実がある。
先日、民主党政府が超国家的VIP扱いで招待した韓国航空機爆破の実行犯で元死刑囚の金賢姫がはしなくも日本の拉致の被害者家族に漏らした言葉は本音…と言えよう。
「拉致問題解決の為には北朝鮮を尊重して話合わないと救出出来ない」
100年前、日本は朝鮮に対し「言葉に文字、氏名に民族の生活習慣から誇り、国家と個人の尊厳」までを奪いつくした罪を償う為の交渉のスタートラインとして小泉提案の『日朝ピョンヤン宣言』に立ち戻る必要が、急がれる。6ケ国協議や米国、中国の助っ人を期待しても進展は望めまい…。
その為に、今こそ日本国民が真正面から北朝鮮に必要な根本的対応策が何であるのかを理解するうえでも「クロッシング=歴史の行き違い:すれ違い」を埋めるための北朝鮮と日本の、いや世界の平和のために“講演会と映画をセット”で見せたい、鑑賞を勧めたい。
問い合わせ:広島映画センター http://www.h-eigasenter.co.jp 082-293-1119
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