肺ガン患者への朗報
肺移植の技術を応用して肺がん患者から肺を取り出し、ガンを切り取った上で元に戻す…という、世界で初めての手術が岡山大学で成功した。多くの患者が期待を寄せる朗報だ。
報道によると岡山大学病院は今月2日、広島県の60歳代の男性患者で、ガンの進行具合から通常の手術では右肺全部を摘出する必要があると診断されていた。
しかし、右肺は肺活量の55%を占める為、摘出すると呼吸不全になって日常生活に支障が出ることが多い…。
今回の手術は右肺を取り出して、移植で使う特殊な保存液を注入して、冷却保存しながら詳しく検査がされた。ガン細胞が見つからなかった肺の下部を切り離して、2時間後に体にもう一度つないだ。肺の一部を戻したことで全肺活量の70%が確保された。
私が左肺へガンの転移が見つかって2年半が経過した。
当初、担当医とこんな会話をしたことを思い出す。特効薬の開発で戦後は著しく死亡者は減ったが患者そのものは年間数百万人発生している肺結核。かつて、戦時中や終戦直は“死の病”である一方、肺を摘出し肋骨の一部も除切したため、片一歩の肩が下がって体が傾向いた人を多く見かけた。
子ども心に「あの人は結核だったのだ…」と見ていた。
ガンを発病した患者から取り出した肝臓の病巣を綺麗に取り除いて他人に移植する徳州会病院の満波(まんなみ)医師の手法は活かされないのか?肺の移植やガン細胞の摘出を移植の技術を活かした手術は出来ないのか?と聞いたことを思い出す。
医師はいま、全国の医療機関で実験的な取り組みはされている…と話していたが、今回の岡山大学の成功例は“世界初“の成果…、今後は大いに発展が期待されるのだろうか?
岡山大は、「これまで肺全部の摘出を余儀なくされていた患者や、もともと呼吸機能が悪かった為に手術を諦めていた患者には極めて有効な治療法」と太鼓判をおしている。
手術を受けた男性の回復は順調で手術の2週間後には退院した。
今後、社会復帰はもちろん、ゴルフやジョギングなど軽い運動が期待できる…という。
肺ガンはガン死亡の中でも最も高い死亡率。こうした医学の進歩・朗報は、患者に与える希望と生きる力は大きく強い。頼りになる日本の医学最前線だ。
いま、自分がこの恩恵を受ける訳ではないが同病者として明るく嬉しい…気分だ。
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