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2010年7月12日 (月)

安保と「プレスコード」

 御庄博実さんは共立病院の名誉院長で被爆者でありヒロシマを発信し続けて来た丸屋博さんの詩人としてのペンネーム。丸屋さんの自伝的な「ヒロシマにつながる詩的遍歴」を読んだ。

 先日、樺美智子さんの「死の真相」を巡る講演聞いた際に入手した著書で、8年前に纏められた自伝的な一冊だ。

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 郷里の岩国とヒロシマに寄せる強い想いと密かに戦争に抵抗する気持ちを抱きながらも軍国少年として過ごさねばならなかった時代。
 峠三吉や深川宗俊らと反戦詩歌を温め綴った戦後の青春時代を、結核と言う死の病と向かい合い、医師の卵として、それから医師として詩人としての軌跡がある。

 結核を克服して4年遅れで医師になった丸山さんは東京の代々木病院時代の‘60年6月15日の安保闘争の国会デモで死に追いやられ樺美智子さんと死後に出会…。この本の中では「60年安保とある少女の死」の項で詳しく触れている。樺さんの死因をデモ隊の渦による圧死と…とされてきた「真相?」に50年後の今年やっとの思いで解明のメスを入れた。
 樺さんと行動を共にしていた学友の証言が裏付けとなって「警察権力が警棒様の鈍器で突き上げ首を絞め窒息死に至らしめた…」と結論付けた。

 所で、戦後の日本で行われた「プレスコード」をご存じだろうか。敗戦によって日本は6年8ケ月間、連合国に占領された。占領政策の中で昭和20年9月に実施されたプレスコード、≪報道遵則≫は出版報道への検閲を強め原爆報道には特に厳しい規制を加えた。

 丸屋さんはこの規制の中で、‘51年(昭和26年)入院中の岩国病院患者自治会会報の新年号に反戦詩を掲載した。

失われた腕に~一傷兵のメモより~
おい
そこいらを飛びまわっている
飛行機虫
レイテの底に沈んだ
俺の右腕にもあきたらず
真っ赤な心臓まで蝕もうというのか
無残にもただれた正中神経もいまは甦って
ボルトとナットとリングで出来ているこの鉄の腕は強いぞ
おい
そんなに蒼ざめた目玉をして飛び廻るな
飛行機虫
今にこの鉄の腕で
叩き落としてくれるぞ‼

 朝鮮戦争を背景に岩国や広島の上空を飛びまわる米軍機に“反戦の気持ち“をぶつけたこの詩が政令325号(占領軍行為阻害令)違反容疑で発行責任者と丸山さんは(昭和26年)3月15日早朝に武装警官が病棟を取り巻く中で逮捕された。“飛行機虫”は米軍機のことで反戦反米の詩であると追及される。丸山さんは、飛行機虫と言う“虫”がいると言い張る。

 結果的には不起訴になったが当時、この詩を掲載した病院の自治会機関紙は以下のような総括をしている。「…これは日本がいま大東亜戦争直前の状態と非常に似ていること、憲法さえあっても無いに等しい属国状態に陥りつつある事、しかもそのような圧迫は、嫌がらせの力しかない事の証明であり、また終戦後詩人がその作品によって捕えられた最初の出来事として立派な意味を担うもの…としている。

 「安保改定50年」の今年、もちろん平和条約で占領が解除されてプレスコードはなくなっている。しかし、依然として南北朝鮮の対立も米国の支配介入も全く改善しないままの50年がある。北東アジア平和維持の拠点?とする沖縄の基地問題には改善や進歩が無いままで、岩国基地は拡大強化され“飛行機虫”は増殖中だ。

 時あたかも参議院選挙中、プレスコード違反として槍玉に挙げられた『詩・失われた腕』を通じて改めて「安保」と「米軍基地」、その存在を考え直して見る機会になるように…と思って紹介する。

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» プレスコードは生きている [偏った歴史観を見直す「かつて日本は美しかった」]
 昭和20年(1945年)9月21日、大東亜戦争後の連合国軍占領下の日本において、連合国軍最高司令官総司令部(GHQ)によって書物、新聞などを統制するために発せられた規則「日本に与うる新聞遵則」(プレスコード)が発せられ、日本の言論は厳しく自由を制限させられました。以下の内容が調べられました。  ・連合国軍最高司令官(もしくは総司令部、以下SCAP)に対する批判  ・極東国際軍事裁判批判  ・SCAPが日本国憲法を起草したことに対する批判  ・検閲制度への言及  ・アメリカ・ロシア..... [続きを読む]

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