広島文化を育んだ「アニメ・フェスティバル」
広重の浮世絵をもじった様なポスターをよく見かけるようになった。今年は『広島国際網メーションフェスティバル』が隔年開催で13回目を迎える。
『愛と平和』をテーマに1985年に開催して今年は25年になる。第一回からプロデューサーを務めた日本のアニメ界を代表する木下蓮三・小夜子夫妻さんの熱心な提案が実を結びオタワ、ザグレブ、アヌシーと並ぶ世界4大アニメ・フェスティバルとして国際アニメーションフィルム協会公認の「アニメ祭」に育った。
木下蓮三夫妻を世界的に著名なアニメ作家に押し上げたのは‘72年のニューヨークの国際映画祭で「MEIDO・IN・JAPAN」でグランプリに輝いた事に始まるが、‘78年のライプチッヒやモスクワにトロントなど世界各地の国際映画祭やアニメ際などで“広島への原爆投下の瞬間を僅か10分間のアニメに盛り込んで、原爆の恐怖と悲劇“を告発した『ピカドン』の制作にある。世界中から大きな反響があって、木下夫妻は広島での国際的なアニメ・フェスティバルの開催に本腰を入れる契機になった。
第一回は被爆40周年を記念して開催され、あの手塚治虫さんが「おんぼろフィルム」で最初のグランプリ・ヒロシマ賞を受賞した。この大会は広島で開かれることから『愛と平和』“アニメを通じて世界平和を訴える”のが特色の一つで、日本で世界のアニメを一同に観られる貴重な機会として多くの専門家や卵を育てる場としても評価を高めている。
蓮三さんは‘97年に亡くなったがパートナーだった小夜子さんが今もプロデューサーを務めて「広島に本物の国際文化事業の背骨を創ろう」と、この「広島のアニメ・ファスタ」を引っ張ってきた。広島の素晴らしい復興の陰には、世界中の協力があった。だから21世紀は、広島がその感謝の気持ちを世界に返す世紀して欲しい…と思いを託している。
25周年に当たる今回13回目は既に日本の293本、韓国184本、英国166本、フランス148本、米国113本など1935作品が寄せられ、このうち57作品が受賞候補にノミネートされた。今年は第一回からの受賞作上映なども準備されている。盛会と発展を期待したい。
第13回広島国際アニメーションフェエスティバルは8月7日(土)~11日(水):アステールプラザ
前売り券を発売中問い合わせ:アニメ・フェスタ事務局 083-245-0245 http://hiroanim.org/
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