発展する「小さな祈りの影絵展」
今年6回目を迎える「小さな祈りの影絵展」のテーマは『世界へ届け皆の祈り』だ。
作品制作に市民参加が始まって3年目、本年2回目のワークショップが開かれ、一部の作品が出来上がった。8・6恒例の事業に定着してきた「影絵展」は着実に市民の間に期待されながら広がりをみせている。
影絵を通して原爆犠牲者の慰霊と平和を祈る新しい場づくりを実践してきたプロデューサーの映画美術監督の部谷京子さんと影絵作家の濱崎ゆう子さんは“市民参加の影絵展”を念頭に取り組んできた。部谷さんの母校広島女学院の同級生達が支えて月一ペースでの巡回展示も定着し、制作参加者も拡大してきた。
このワークショップの参加者はフレーザー、流川、洋光の幼稚園に女学院、城北、なぎさの3中高校がレギュラー参加校。これに大人を入れると軽く100人を超す数になった。
2月の第1回のワークショップでグループごとに、テーマに沿ったタイトルを出し合って内容が重ならないように確認してスタートした。2回目は準備してきた下書きに添って切り込みに貼り付けの制作が進む。お母さんに付いてきた子ども達も何か熱心に集中して創っているのが面白い。手造りサングラスに大満足!!?
いずれこの子たちもこの場で得た意味を理解して平和の芽を育んでいくことが期待できる。
原爆ドームに富士山や東京タワーに鳩などをあしらった城北中の3人グループは日本人が団結して世界平和の願いを込めた「日本から世界へ」は心血を注いだ作品になった。
城北中の別の4人組は「影絵展」周辺を舞台に描いた「灯篭流し」にほのぼのとした平和の願いを込めた。
この日全体で22枠の内9枠の作品が完成した。なぎさと幼稚園組に東京からの参加組が9枠を完成させる。
濱崎さんは4枠を制作させて今年のテーマ『世界へ届け皆の願い』を完成させる。“市民参加”の着実な広がりは制作者の願い通りの発展を見せている。
今年は新しい企画が加わる。濱崎さんの「影絵・紙芝居」という新しい企てが登場する。
8月5~6の夜、元安橋東詰めの会場で上演される。「幸福の王子」と「ネズミの嫁入り」だ。
さらに影絵展に呼応して広島市の市民活動推進課(082-504-2103)が6日に国際会議場のダリアで開く『ヒロシマの心を世界に2010』で、「影絵・紙芝居」(13時半~)も上演される。会場では9時すぎから午後4時までの間に舟入高校演劇部の「八月六日」や映画「運命の背中」の上映などがある。
この日のワークショップ終了後、「影絵・紙芝居」が上映され、初めて見る新しい試みを皆が観賞した。普通の紙芝居と違って光が織りなす微妙な色合いと柔らかさに大きな拍手が湧いて本番に期待が寄せられた。
影絵を通して原爆犠牲者を慰霊し、父母に感謝し、命や生き抜く力、家族の大切さ、世界平和を考える『影絵展の種まき』は「市民参加」の風に乗って着実な広がりを見せている。今年も「小さな祈りの影絵展」は元安橋東詰めの展示場で多くの市民の足を止め、広島に新しい視点からの平和と文化を発信する。
問い合わせ:広島市市民活動推進課:082-04-2103
[小さな祈りの影絵展]<濱崎ゆう子・影絵プラネット http://kageepla.net
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