出来るか『相撲協会』改革
相撲協会が暴力団組員に『維持員席』いわゆる“砂かぶり”での観戦に便宜を図った親方2人の処分を決めた。事実上の“部屋の閉鎖”は結構厳しい処分の様だが、トカゲのしっぽ切りに過ぎないようにも思える。相次ぐ相撲界の抜本改革は何が必要なのか…?
相撲界はここ数年、リンチまがいの力士死亡事件に度重なる大麻事件、元横綱・朝青龍の巡業を休んでの無断帰国や引退の契機になった暴行騒動に大関の琴光喜の野球賭博などが指摘され、とめどなく相次ぐ不祥事に揺れている。
国技“を掲げた財団法人の優遇制度を目一杯に活かしたプロスポーツなのか?怪しいと指摘する声もあって、「スポーツ馬鹿・スモウ馬鹿」と放置できない状況にあって、改めて厳しいチェックが求められているのではないだろうか。
相撲界と暴力団の関わりは古く、戦前から地方巡業を地元のヤクザが興行師として勧進元をつとめる“持ちつ持たれつの関係“にあった事はよく知られている。
山口組は神戸の港湾荷揚げ作業などで神戸を拠点に国の出先機関にも幅を利かせ、戦後は芸能社を起こして美空ひばりをはじめとするタレントの興行でも全国に勢力を伸ばし、相撲やプロレスなどのプロスポーツの勧進元にも手を広げていた。
最近テレビの画面で見た写真は昭和61年から10年間横綱を張ったあの大鵬の締めた化粧回しに《田岡》と山口組の紋《菱目》が入っていた。紛れもなく広域暴力団山口組の田岡組長の贈り物であった証拠品を堂々と締めていた…のには驚いた。
昭和60年の安保条約締結を巡って連日国会へデモ隊が押し寄せたが当時の岸首相と自民党政府はデモ鎮圧にヤクザや右翼にテキ屋の動員に動いた…と噂される位、深い関係が言われた。終戦直後の混乱期の警察の手薄を彼らがカバーした腐れ縁が戦後の暴力団や右翼を増長させた歴史が、今も形を変えて相撲社会に食い込んでいる…と言える。
相撲協会も外部委員や理事を招いてそれなりの努力をしているとは言うものの、後を絶たない不祥事を断ち切るためにはいまだに幅を利かせている『ゴッツアン!!』のシガラミ世界に決別する覚悟が大事だ。外国人力士が三分の一を超える相撲社会を『国技』の座らせるには文科省が思いきった対策を講じるしかない…と思う。
年間100億を超える興業を『国技』の名のもとで“財団法人としての税の優遇措置“で500億円近い資産を蓄えてきた相撲協会。文科省は法人格の取り消しなど厳しい対応を前提にしない限り、黒い組織との断絶や国技としての品位も守れない…のではなかろうか。
今こそ、大相撲はトカゲのしっぽ切りではなく抜本改革の時ではないか…。
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