首相辞任劇と『マッチポンプ』
今日2日午前、民主党の臨時両院議員総会が開かれ、鳩山首相が突然に辞意を表明した。
総理は“普天間基地迷走と政治資金”で責任を取り、情勢を少しでも有利に展開する為の小沢幹事長とW辞任だ。昨夜のニュースで渋い顔の幹事長とにこやか顔を見せた総理の真意が辞任挨拶を聞きながら“マスコミ予想”とは裏腹な関係だった事が読めた。
参議院選勝利の浮揚をかけ「政治と金」の一蓮托生責任を“小沢仕掛けを逆手に取った鳩山仕掛けだった“事が浮かびあがった。鳩山捨て身の給与の策の辞任劇だった。
朝日「首相進退結論持ち越し」と中国「首相退陣要求に応じず」(共同通信)と一面トップが的外れ。各社の本日(2日)のHPで見る限り“辞任劇”を予測した新聞もTVも見当らない。辞任劇を正面から的確に事前報道が出来なかったのはいかにもマスコミがそろって鳩山内閣と小沢民主党の懐に入った取材が出来ていない…。真実を伝えていない各社は無責任な評論家達と同じ穴のムジナ状態を曝け出した…と言っては言い過ぎだろうか。
今では死語?になっているが『マッチポンプ』と言う俗語がある。マスコミは鳩山氏の政治資金問題を契機に責任追及で退陣論を強める一方、事業仕分け等では評価を高める。
戦後マスコミは問題が燃え上がると水をかけ、下火になると煽る手練手管を取ってきた。
首相の『母親の資金提供は全く知らない』と、遺産相続税6億円をさっさとは納税する感覚は国民にとって驚き以外になかった。しかし、法的な違法性は認められなかった。小沢幹事長も不起訴になり検察審査会の「起訴相当」も不発に終わっている。
擁護する気はないが、敢えて”岡目八目的?“に言えばマスコミの多くは、当初の論調は「ここ10年間、二大政党を追及してきた新政権が実力を発揮できる環境整備には少なくとも衆議院の任期一杯の4年は必要…」の見方が強かった。
マスコミの使命の第一は政治権力のチェックにある。しかし、政権交代して8ケ月、どれだけのことをこなしてきたか?長い間の対米追従の自民党政権の垢とシガラミの官僚国家に手を貸してきたマスコミの責任は極めて大きい。
民主党内の役員の中には党内や役員会では発言しないで外に向かって批判を繰り返す新聞記者出身の
「獅子身中の虫」がいる。これを好んで多用するテレビのあり様も『マッチポンプ』でしかない…。
これでは誰が首相の座についても長続きは難しい。
首相退陣を機に国民・有権者がもっと“政治とマスコミ”を冷静に見る目を磨く事が日本の民主主義を守る上で大切なことと改めて思い知らされた…感を強めた。(2日:記)
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