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2010年6月22日 (火)

HODC オリンピック広島大会と若手建築家

2010年、6月6日日曜日、広島市市民交流プラザで、
東京と広島の若手建築家が集まり、オリンピック広島大会について「建築・デザイン」にかかわる立場から発信しようとHiroshima 2020 Design Charretteが開催された。

佐々木高之、小川文象氏らの呼びかけではじまったようだ。

Charretteとは、聞いたことがない。
専門家を交えたワークショップのことをいうようだ。

当日11時頃、広島市市民文化交流センターの4階を訪ねると、あちこちのテーブルで、パソコンと向き合っている者、発砲スチロールのボードを切っている者、ボードに広島の地図を張り付けている若者たちが大勢いた。
計200人くらいだろうか。
凄い熱気だ。

プロの建築家たちが、ある程度の叩き台となる提案を作って来て、それを当日、学生、市民達の意見を入れて修正するという作業をしていたようだ。

その作業の結果が夕方4時から発表された。

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第1セションでは、7つのグループから提案があった。

最初の佐々木氏らグループの提案は
「パラリンピックを契機に、広島をバリアフリーの街にしよう」という。
これは極めて現実的な提案だ。
文句なしに賛成する。

次のグループの白井宏昌氏ら提案は
「今のオリンピックはあまりに巨大化している。
スタジアムは10万人規模であることが要求されているが、そんな巨大な施設を作っても、後が困るだけだ。
なにもそんなに大きな施設を作る必要はない。
例えば100Mレースは、100Mの幅のある平和大通りでやればいい。
400Mレースは県庁を1周するトラックをつくって、そこでやってもいい。
棒高跳びは厳島神社の鳥居を飛べばいい」という提案を、CGを使って表現していた。

かなり飛躍した提案のようにも感じたが、
あの北京オリンピックの開会式だって「何これ、こんなのあり!?」と驚いたが、あとで聞けば、
あれは殆ど全てCGによる映像処理だったいうではないか。
殆どがバーチャルだったのだ。

鳥の巣のような独特のデザインで有名になったメイン会場から打ち上げられる花火は、
それこそ花火の巣のようであったし、北京の街を花火が歩くように打ち上げられたのには、
本当に驚いたが、それが殆どすべてCGによるバーチャルだったというわけだ。

それを思えば、オリンピックの競技そのものが、よりバーチャル的であってもなんらおかしくないということになる。

何しろオリンピックを現地で見る人の数はメインスタジアムで10万人とすれば、
TVやネット見る人は軽く数10億人になるはずだ。
つまり現実に会場にいて見る人は、バーチャルで見る人の1万分の1程度ということになる。

そうであれば、オリンピックは現実の会場でやる必要は必ずしもないということになる。

その競技をするのに、もっとも相応しい場所はどこかということで、
競技をする場所を決めた方がいいということになって、それは充分肯ける。

まあそれにしても、若者らしい発想だ。

3番目に発表した谷尻誠氏のグループは、
「オリンピックは風船のように一瞬のことなのだから、広島の空を覆うほどの大きな風船を作って、
そこで競技をやればいい」という。
風船だから、空気を抜けば小さくなって消えてなくなる。

その風船を、次の開催都市に持っていけるではないかということのようだ。
詩のような絵で表現していたのが印象的だった。

第4のグループは
「広島は川と海の水の上に島のように浮かんでいる。
それなら競技場も水の上に作ればいい。
広島大会が終われば、次の都市にそのまま引っ張っていけばいい」
という提案であった。

確かに、数千Mの長さの滑走路だって、鉄の箱を海に浮かべて作ろうという時代だ。
技術的には充分可能なことだろう。

100M四方の鉄の箱を作ってそれを繋げれば、1,000M×1,000Mのスペースは簡単に作れる。
それを西飛行場の先の海に浮かべてもいいだろうし、太田川の大芝水門のあたりに浮かべてもいいだろう。
そんなに大きければ、波の影響だって殆ど受けることもないだろうと思う。

広島には三菱重工の工場もある。
環境と条件は整っている。

面白い提案だ。

広島を「コンパクト・シティ」に変えていくという提案もあった。
コンパクト・シティにするというのは基本的には賛成だが、そのために、超高層マンションを林立させ、高密度化を進めるためにha当たりの人口を1,000人にするべきだというのは、ちょっとどうかなと思う。

どの提案も、かなり現実離れしているが、逆にそれが却って、現在のオリンピックが抱えている問題をよりクリアに浮かび上がらせてもいた。

若者らしい危機感と発想の豊かさが、オリンピックの可新たな能性を示してもいた。

質疑応答の際、第2のグループの発表者の白井氏は、
「今のように巨大化したオリンピックでは、中国、ブラジル、アメリカ、ヨーロッパ等の大きな国の、しかも大きな都市でしか開けなくなっている。
開催できる都市は限られてしまっている。
そうなれば、いずれオリンピックはいつも同じ国、同じ都市で開かざるをえなくなり、オリンピックの興味が薄れてしまう恐れがある。
現状では小さな国の小さな都市で開催することは不可能だ。
本来そうした都市でこそ、オリンピックを開く意味があるはずだ。
そのモデルケースに、オリンピック広島大会をしたらいいと指摘していた」

シンポジュームの後で、白井氏に話を聞くと、彼は
1.現在のオリンピックの条件に合わるために、広島市は無理をすべきではない。
2.むしろ、現在のIOCの要求を見直すような機会とすべきだ。
3.しかし現在のオリンピックが持っている、スペクタクルの価値を減少させるのでなく、その内容を変える事で、世界中の多くの都市が開催できるようなオリンピックの開催方式を提案すべきだ。
4.広島市は、オリンピックを直接的に都市改造の手段とすべきではない。
5.むしろ長期的に都市をゆっくりとした時間の中で変えていくために、広島市を再発見する機会とすべきだ。
というようなこともいっていた。

また白井氏は、
「オリンピックが商業化するという傾向も強くなっている。
アトランタ大会はコカコーラがスポンサーになったことで、コカコーラに都合のいい大会であった」
ということも指摘していた。

第2部のシンポジュームは都合で参加できなかったが、オリンピック広島大会というテーマは若者たちにとって大きな刺激になっていることは確かなようだ。

ゲストコメンテーターの古谷教授は「今回の発表の中に、なぜ広島でオリンピックかという問いかけがなかったのは残念だ」と言っていた。

そうした問いかけにも、きちんと応える必要もあるだろう。

しかし、こうしたシャレット、シンポジュームが開かれたというだけでも、オリンピックを広島でやろうということの意味があったともいえる。

彼らは今回の結果を8月に広島市内のどこかで展示、発表会をするという。
こうした活動が、今広島市内のあちこちで始まっているようだ。

今回のシャレットを開催するに当たって、彼らは、日本建築学会、日本都市計画学会、広島市、それに沢山の企業からの協賛、後援を受けた。
良くもこれだけ集めたと感心する。


広島でオリンピックを開くにあたって「こんな問題もあるよ。この問題はどうするの」と難しさを指摘するのは、また年寄りの役目でもあろう。

でも南アフリカのマンデラ元大統領は「達成するまで、それは不可能に見えるものだ」ともいったそうだ。

今回のシャレットで見せてくれた若者たちの創造力とエネルギーは、軽々とその不可能というハードルを越えてしまう可能性を感じさせてくれた。

期待したい。

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