ゴルフとゴルフ練習場
先日アメリカ人夫妻を案内した。
ゴルフ練習場を指して「向こうにみえる高いグリーンのネットは何だ?」と聞かれ、説明に困った。
言われてみればアメリカにはない施設だ。
ゴルフ練習場では、人は幅数Mのところに立ち、何も喋らず、ただひたすら修行僧のようにボールを打つ。
殆どの人が、1人で来て、1人で練習して、帰っていく。
餌を突っつく鶏のブロイラーのようでもあるが、いかにも日本人らしい遊び方だ。
日本人はお茶を飲むのさえ、茶道として、人間修業の一つとしてしまった。
今やゴルフの練習とその練習場はその一つになったようだ。
政府は日本の文化、習慣をスマート文化として世界に発信しようとしている。
そのうちこのゴルフ練習場も日本のスマート文化として世界に普及していくのだろうか。
可笑しい。
バブルの頃、練習場は2時間待ちとかもざらだった。
今は随分とお客も減ってしまい。混んでいるときでも30分程度だ。
私の友人で練習して上手くなるなら練習するといって、一切練習をしない人がいた。
そんな彼に私はいつも負けていた。
彼は100万円もするゴルフセットを持っていた。
何事も道具だと思い、長尺のドライバーは流行った頃、10万円近くもするドライバーを買ったこともあったが、長いクラブはとても難しく、すぐにあきらめてしまった。
ゴルフは練習すれば上手くなるというわけではないが、練習しなければ上手くならないともいうのも真実だ。
練習場とコースとでは違う。
練習場ではどうしても飛ばそうとしてしまうから力んでしまう。
それではコースに出ると、とてつもなく曲がってしまう。
コースでは、飛ばなくてもいいから、まっすぐ飛ばすほうに価値があるということに、最近ようやくわかった。
ということで、最近はゴルフ練習場でも50級程度で止めることにした。
昔みたいに300球とかは打たない。
体力的な衰えもあるが、どうもその方が、妙な癖がつかなくていいようだ。
ある友人は、ゴルフはこの世で最高に上手く出来た遊びだと言っていた。
その理由は
① 年をとっても遊べる。
最近は乗用カートが導入され、80、90歳になって、歩けなくなってもゴルフができるようになった。
青木功なんて、60歳を過ぎてもプロとして活躍している。
② ハンディキャップがあるので、上手い人も下手な人も、男でも女でも一緒に遊べる。
皆自分は上手いと思っている。
とんでもなく錯覚の遊びだ。
③ コースやカートに乗るか否かによっても違うが、1日に大体6、7KM程度は歩く。
健康にいいといわれるが、実は健康な人でなければゴルフはできないということもある。
ここにも錯覚がある。
ある人はゴルフをやりたいがために、一生懸命健康維持に努めているといっていた。
④ 雨の日でも、風の強い日でもできる。
相手は自然であり、自分との戦いでもある。
その日によって、全くスコアが違う。
⑤ 1打いくらで賭けの対象にもなる。
⑥ コースにもよるが、料金も1ラウンド1万円程度と昔に比べ随分と安くなった。
⑦ 殆ど丸1日一緒に時間を過ごせるので、営業的には、最高の接待になる。
時間当たりの単価としても、食事をして2次会にいくより安い。
⑧ タイガー・ウッズや石川遼みたいに、数10億円、数100億円稼げるかもしれない。
⑨ ゴルフ会員権を買えば儲かるかもしれない。
ということがあったが、それはバブルの崩壊とともに消えた。
今では、会員権は本来のお友達をつくる契機になるということに戻ったようだ。
まあそれにしても、ゴルフは面白い。
そのあまりの面白さに夢中になり、国会会期中にゴルフをしていたと問題になった議員もいた。
そんな面白い遊びを男に独占させとくわけにはいかないと、近頃は随分とゴルフをする女性も増えた。
友人の娘さんもゴルフを始めたと言っていた。
4月になって随分と暖かくなってきた。
ゴルフをするには最高のシーズンだ。
ゴルフができるうちが華と、精々楽しみたい。
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