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2010年2月 4日 (木)

捜査報道と情報リーク

 小沢民主党幹事長の秘書の事件でマスコミが一斉に情報源を『関係者』とする報道を巡って検察庁の『情報リーク』と民主党の『政治的圧力』が過熱激突する議論を呼んでいる。

 加熱のキッカケはこの事件を巡って16日の民主党の大会で統一会派の新党大地の鈴木宗男代表の発言がある。自ら検察庁の逮捕起訴の経験に立って「世論を誘導して一方的に小沢が悪い奴だと印象つけるやりかたは公平でない」と政府に「検察幹部以外の検事とマスコミの接触を規制し罰則を設けるよう質問主意書を出す」との発言。検事出身の民主党の小川敏夫参議院議員らの『検事と記者の癒着を追及する』チームの設置が刺激的にある。
 加えて原口総務相が「関係者によると言う報道は、少なくとも“検察の関係者“か”被疑者の関係者“を明確にしなければ、電波と言う公共のものを使ってやるにしては不適切」指摘したこともある。放送局の開設や許認可権限を持つ大臣の発言は「報道規制に繋がりかねない」との反発で波紋を大きくした。

 これらの発言にはいずれも『検察庁は情報を意図的に漏らしているのではないか…』と言う疑念が前提になっている…と言える。
民主党には「関係者」という曖昧な表現のもとで裏付けが十分と思えない情報が横行して、一定の歯止めが必要との見方が強く、検察や報道に対する不満が充満しているようだ。

 こうした動きや発言に対してマスコミは「取材活動と情報操作を一緒にされるのは残念」とか「弁護人や疑惑事件の周辺にいる関係者の取材を重ね、多角的取材と吟味なしに真実に迫る報道はない」などの弁明や“情報操作”への一斉反発をしている。しかし、被疑者に接見した弁護士が「容疑は否認中」としているのに、翌日の新聞は一斉に「容疑認める」との報道はいかに『関係者』情報が『検察情報』であるかを告げているのと同様“お尻隠して頭隠さず“状態に見えることに対して疑問を抱いている人は少なくないはずだ。

 『情報・取材源の秘匿』と『表現の自由』は報道機関にとって欠かせない基本中の基本。『検察関係者』としないで『関係者』と曖昧にすることで“今後の取材が断ち切られて、国民に情報が伝えられなくなる可能性“を懸念して、例外的な『関係者』を使用しているとの弁明もある。が、自らの生命線に関わる情報リークや操作を認める訳にはいかない。
公務員の「守秘義務」と国民の「知る権利」も表裏で無関係ではない。

 どれ程多くの情報を引き出すか…が今も昔と変わらず“記者の腕”…と評価するマスコミ体質が維持されているなら、意図をもった捜査陣がいるとすればいとも簡単に「情報操作」はアウンの呼吸で成立することになる。その背景には、決してメディアが口を割ることはないので、捜査側は安心して『リーク』出来る構造があるからだ…。

 私はこれほどの政治事件を取材した経験はないが放送局勤務で30年を報道で過ごし、うち10年を警察・検察・裁判所を担当した。その経験から公式な記者会見以外で「刑事や検事・事務官の“情報リーク”なくしてサツ・司法記者は務まらない」のが実感だ。

 “国策捜査“も否定できない。明日の小沢幹事長の検察聽取後にそれぞれの対応がどう変化するか、厳しく国民目線で見守れば、報道の行間に真実の姿はいずれ浮かび上がってくる…と思う。
                              <1月22日:記>

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