劇団四季の公演に想う
劇団四季が創立55周年を記念して一昨年スタートさせた、人気ミュージカルの名場面集『ソング&ダンス』を楽しんだ。RCC時代に6年間担当した縁ですっかりフアンになった。
劇団四季は55年の間に数多くの作品を送り出しており、代表的な作品の中から選りすぐりの名作を新しい感覚で再構成したもので「キャッツ」「美女と野獣」「ライオンキング」など38曲を歌と踊りのメドレーでつづり、拍手と手拍子に包まれた2時間だった。
劇団四季は慶応高校の教師で劇作家の加藤道夫さんのもとに集まった教え子の浅利慶太さんら演劇を志す10人が昭和28年(1953年)に戦後の荒廃から立ち上がる夢を求めて結成した。何よりも『台詞がよく伝わる』と『感動を全国に届ける』演劇活動を目指した。
忘れられないのは‘01年に『オペラ座の怪人』のロングラン広島公演を発表した時の浅利慶太代表の言葉がある。発足間もないころ広島で当時RCCのラジオ局長だった藤田一雄さんに『文化の東京一極集中を是正して、地方への出前こそが大きな枠割だ』と励まされ、以後大きな目標としてきたことを挙げて「広島は劇団四季の心の故郷」と位置付けされた。
劇団四季は一年で3000回の公演をするが半分は東京を離れ、全国の津々浦々に出かけ、とりわけ子供たちを無料で招待する『心の劇場』公演は5000回で8百万人を超えた。
広島公演もRCCが単独で主催してきた40年間から中国新聞が加わったこの10年余で様変わりしてきた。『オペラ座の怪人』に続く『キャッツ』と『美女と野獣』は70~120回の連続公演で11万~16万人を動員した。加えて年に3回の定期公演も、県外から20%を超えるフアンを呼び込み、広島の文化発信力を大いに高める役割を果たしてきた。
その劇団四季は4月から広島ロングランを仕掛けリードしてきた佐々木典夫社長が副会長に引いて創業者の浅利慶太代表が再び社長に返り咲いて牽引する。
5月23日からロングラン第四弾「マンマ・ミーア」が10万人の入場者を目標に始まる。
‘99年にロンドンで開幕されて以来、世界の180を超える都市で3千万人を超える動員を記録し、日本でも190万人に達しており、広島で200万人超えも夢ではない。
デフレ不況風は文化にも響いており?福岡キャナルシティーの四季専用劇場が暫くの間、長期公演を見送っているのは気になるが「マンマ・ミーア」の成功が、次に「ライオンキング」や「メリーポピンズ」など広島で未公演作品のロングランを呼び込む力に成るだけにエールを送り、成功を期待したい。
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