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2010年1月 6日 (水)

オリンピック広島・長崎大会 ―仮設競技場

オリンピックを広島市・長崎市の複数都市で開くことについては、かなり難しくなった。
まだ決定したわけではないが、JOCは1国1都市開催のルールに頑なに拘っている。
現状では、少なくとも表向きは広島市単独で開催することを考える必要が出てきた。

それにしても最大の問題はその資金だ。
大会の運営費は3,000億円程度かかるというが、それは組織委員会の負担となるということで、広島市としては心配することはないようだ。

広島市としては会場整備費、選手村整備費、それに観客の宿泊施設の整備をすることが主な負担のようだ。
それに関連して、インフラの整備も必要になるだろう。

東京都は4,000億円の基金を用意したというが、ほんとうにそんな膨大な資金が必要なのかについても、きちんと確認する必要がある。

まずはそうしたオリンピックに必要な施設をどうやったら安くできるのか、そして広島市の負担とせずに済むのか、そしてオリンピックが終わった後どうするのかに検討すべきだろう。

オリンピック北京大会は、鉄骨を網の目状に張り巡らした通称鳥の巣といわれる9万人収容のメインスタジアムが大会のシンボルになった。
スイスの若い建築家ユニット・ヘルツォーク&ド・ムーロンのデザインだ。
確かに度肝を抜くデザインだった。

しかしその維持管理費用に年間数10億円かかるということで、中国政府はいささか参っているようだ。
あの鳥の巣の部分は鉄骨だろうから、数年もしたらさび防止の費用だって膨大な額が必要になる。
10年も経過したしたら本格的な改修工事が必要になるだろう。

新宿にある東京都庁舎は建設費1,569億円だったが、維持管理費用に毎年40億円かかっているという。
また築後18年たって老朽化が進み、その改修費用に780億円かかるという報告書も先日提出された。

通常建物は解体されるまでの間にかかる維持管理費用は建設費の5倍かかると言われている。
東京都庁舎はそんなもんでは済まないだろう。

作るのも大変だが、問題は作った後どうするかのほうがもっと大変だということだ。

広島にはアジア大会用に作った広域公園のビッグアーチがある。
アジア大会のために5万人収容のメインスタジアムとして作られたが、アジア大会以降の利用者は5万人を越えたことがない。
通常施設としては、広島にはでかすぎる。
毎年の維持管理費用の負担だってばかにならない額だ。

お祭りの施設は本来仮設で作られるのが基本だ。
万博だって凄いお金をかけて作られるが、終われば全て取り壊される。

10万人以上も収容するメインスタジアムを作るのはいいが、そんなのを後に残されても、広島市の人口を考えればとても使いきれない施設だったわけだ。
広島市はオリンピックが終わった後のことを考えて、施設は作るべきなのだ。

それならオリンピック関連の「全ての施設を仮設で作る」としたらいい。
たとえば、今の広域公園の陸上競技場は5万に収容だが、不足する5万人分の客席を仮設で作るのだ。
仮設となれば、スタンドの下はジャングルジムのようになるかもしれないが、それはそれで壮観だろうと思う。

あるいは広島西飛行場跡地に新たに作ってもいい。
それにしたって仮設で作るのだ。

国際コンペにして、そのデザインを世界中から募集したらいい。
何十年も使うということを前提にしなければ、かなり自由な発想のデザインが可能になる。
北京大会のメインスタジアムの鳥の巣を凌ぐような、あっと驚くデザインが提案されるかもしれない。

50年以上も使うことを前提にすると、構造も仕上げもかなりしっかり作らなければならないが、1か月も持てばいいということで作れば、かなり安く作れるはずだ。

オリンピックが終われば、仮設で作られた各種の競技場は解体し、鉄骨は老朽化がいわれている広島市内、国内の橋の改修工事に使えばいい。
「国内の橋は、10年後には28,000カ所が老朽化し、建て替えの必要がある」という統計もある。
広島市にはその1%があったとすると、280か所の橋を架け替える必要があるということになる。
それを全く新規に作ろうとしたら膨大な額になる。
オリンピックで使った鉄骨が使えるとなったら、そうした橋の改修工事だって随分と安くできることになる。

学校などの耐震化工事も遅れていると言われる。
解体した鉄骨はそうした耐震化工事にも使えばいい。

オリンピックの施設建設費用には、そうした橋の改修費、学校の耐震化費用を前倒しして当てればいい。

そうすればオリンピックの施設整備の負担は大幅に削減できることになる。

オリンピックの最大のテーマは「平和」だが、もう一つは「環境」だ。
環境とはなにも緑にするとか、自然エネルギーを使うとかだけでない。
「資材の再利用を考えて施設をつくる」ことは極めて現代的な環境対策でもある。

交通機関も不足するだろう。
広島市内はLRT網を充実し、アストラムラインは西広島駅まで延伸すればいい。
観客は、広島市内では徹底的に公共交通機関で移動するというようにすべきだ。
これらは恒久施設として残すということで、最初から作ればいい。
当然それは国の道路予算で作ればいい。

残すものと、仮設でつくるものとを、きちんと分けて作るべきなのだ。
なにも全てを恒久施設として作る必要はない。

フラワーフェスティバルの時に作られるステージだって全て仮設で作られる。
お祭りの施設とは本来そうしたものなのだ。
だからこそ感激・興奮の度合いも一層高まるのだ。

日本には古来材料を何度も使うという文化があった。
和服がいい例だ。
和服は古くなれば仕立て直して、娘の着物にする。
ぼろぼろになったら、赤ちゃんのオシメにする。
オシメがいらなくなったら、最後は雑巾にするというような使われ方をしてきた。

日本建築だってずっとそうした造られ方をしてきた。
それがコンクリートと鉄で造られる近代建築の時代になって、材料を再利用するという考え方がどこかに消えてしまった。

オリンピック広島・長崎大会は、そうした日本に古くから伝わる「資源を再利用する」という思想を復活させたらいい。

そうしたことができれば、それは新しいオリンピックのあり方を提案することにもなる。
そしてそれは、オリンピック開催費用の地元負担額を限りなくゼロに近づけることでもある。

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コメント

ロンドン・オリンピックのメイン会場も仮設席増設で10万収容とし、大会後は2万5千収容にする計画のようです。
世界もそういう方向にあると思います。

トベニ様

貴重な情報をありがとうございました。

その後色々調べてみると、メインスタジアムの規模をそのまんま維持している例の方が少ないようですし、またロンドン大会の計画は開催後の跡地計画が開催計画と同じ位きちんと計画されているとの話も聞きました。

オリンピック広島・長崎大会はそうした面でも、これからのオリンピックの在り方を方向づける大会にしたいですね。

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