松の内と七草粥
我が家のお正月は7日の七草粥で締めくくる。玄関の飾りしめ縄に松飾りや床の間の鏡餅などお正月のお飾りは納めて日常に戻るのを習慣にしてきた。
松の内の期間は関東と関西では違う…。関東では大正月の7日までで関西では小正月の15日までを松の内としているようだ。小正月は女正月(めしょうがつ)とも言われ、年の暮れから正月の間女性の忙しさをねぎらう意味で女性の骨休み期間としての庶民が生んだ習慣として定着してきた歴史がある。この間、家族や来客を賄う為の知恵がお節料理を育んだ。
7日の朝は正月飾りを納めて七草粥を頂く。
春の七草はセリ、ナズナ(ペンペン草)、ゴギョウ(ははこぐさ)、ハコベラ(はこべ)、ホトケノザ、スズナ(かぶ)、スズシロ(だいこん)で今では正月明けのスーパーやデパ地下の食品売り場でセットで売られていて重宝されている。
七草は時代や地方によって違うようだが、念頭に豊作を祈願し「家族がみな元気で暮らせるように」と願いを込めてお粥を頂く。気持ちは時代を超えて変わらない。
何故お正月に七草なのか?といえば、早春にいち早く芽を吹くことから“邪気を払う”魔除けと縁起を担ぐ一方で、正月のご馳走で疲れてきた胃を粥に混ぜて頂いて癒し漢方効果で、無病息災を祈るようになった…。
セリは鉄分が多く造血作用があり、ナズナは利尿作用がある。ハコベラはミネラルが豊富でスズナ・スズシロは消化の促進効果がある…と“正月豆辞典”にある。
この時期、我が家ではセリや三つ葉に卵を落としたお粥を頂くことが多い。体が温まり胃に優しいのが良い。特に、胃を摘出後は少し食べ過ぎ気味の時にはお粥さんに限る。
縁起担ぎや風習に習うことが多い正月行事にもそれなりの合理性や科学的裏付け?もあって一年の始まりや締めくくりの節目に欠かせない生活習慣でありリズムだ。
これが親から子へ子から孫へどのように引き継がれるか…?
7日の松の内が明けるとお正月は終わり、普段の暮らしに戻って行く…。
それにしても、今年の元日の新聞の折り込む広告は元日からのオープンを知らせる大型ショッピングモールやスーパーの広告があふれた。もはやお正月の習慣や風習は過去の遺物になって、われわれの時代で消えてしまうのだろうか…。さみしい限りだ…。
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