アバターと核兵器廃絶
ジム・キャメロン監督が3億ドルの制作費をかけた3DSF大作の「アバター」は「タイタニック」(1997年)を抜き、史上最高の興行収入を記録しました。 しかも「タイタニック」が1年半かかって達した数字を「アバター」は公開後39日で更新したわけで、日本でも5週連続で興行収入1位を記録しています。
以下、ネタバレもあるので、まだ観てない方はご注意ください。
この映画は本格的な3D映像の到来を感じさせるという意味で最も意義のある映画です。しかし、映画館によっては3D上映のないところもあるので注意が必要です。各種割引きも3Dでは異なるところもあるので、それも事前に確認した方が良いでしょう。
従来、テーマパークのアトラクションなどで上映されていた3D映画は、3Dを強調する余り、やたらに物が飛び出してきたり、ジェットコースターのような画面展開が多用される傾向がありましたが、それらに比べるとアバターは極めて自然な立体感だったように思います。
ただ、英語字幕が手前に表示されるのが見難いという人と見易いという人に分かれたり、現地語字幕と位置が違うので読みづらいという意見も聞きました。
また、自分の自由な視点ではありませんから、常に制作者の視点で観ないと違和感を覚えたり、メガネが合わない人などもいるようです。アバターは技術的には3Dがお奨めですが、3Dでないフィルム上映でもそれなりの映画だと思いました。
ストーリーは殆ど予想通りで、風の谷のナウシカ+もののけ姫+ダンス・ウィズ・ウルブズ+ラスト・サムライ+マトリックスといった感じです。
そして、ストーリーを通じて戦争への批判は明白に貫かれています。悪役である鉱山会社の経営者は表情から身振りまで、ブッシュ前大統領を意識的に想像させるよう描かれているように思えます。
しかし、娯楽色の強い映画とは言え、人間より自然に価値を求め、先住民あるいは異文化を認め、グローバリズムを否定するなど、この映画の大ヒットは明らかにアメリカの方向転換=チェンジを表しているようにも感じます。
更に、そのジェームズ・キャメロン監督が、広島と長崎への原爆投下を題材にしたノンフィクションの映画化権を獲得したということです。核廃絶は核大国であるアメリカの意志が不可欠です。そういう意味でオバマ大統領の誕生も大きな出来事でしたが、このニュースも決して小さくはないと思います。
広島・長崎オリンピック招致検討の効果もあり、これまで絶対に加盟することのないと思われていた都市も、平和市長会議に参加しています。世界3500の都市が目指す2020年の核廃絶は、着実に実現に向かっています。 そういう時代の流れをアバターにも感じました。
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