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2009年11月15日 (日)

LRT都市サミット広島2009

10月31日、LRTの走っている都市の市長が広島に集まり、第1回LRT都市サミットが広島国際会議場で開かれた。

LRTとはLight Rail Transitの略で、まあ要するに路面電車のことだ。
LRTと横文字になったことで、何か新しい交通機関に生まれ変わったように感じるが、そういう部分もあることは確かだ。
広電のグリーンムーバーは低床式になり、乗りやすくなっただけでなく、何両も連結され、長くなって多くの人が乗れるようになった。
そのLRTを運行する広電の路線は総延長35.1km。宮島線16.1キロは専用の軌道を走っているので、路面電車ではなく鉄道となるので、厳密にいえば路面電車の延長は19キロになる。
1日の輸送人員は約16万人になる。
路面電車としては、国内で1番長い距離を運行しているということと1番多い乗客がいるということで、広島市が第1回会議の開催地となったようだ。

「富山市は、JRの走っていた路線をLRT化したことで、街が大きく活性化した」
「鹿児島市では、路面電車の軌道を緑化したり、センターポールも設け、あの網のように張り巡らされた架線がなくなった」
「自動車の街、豊橋市でも路面電車が活躍している」
等がそれぞれの都市の市長から報告された。

1

今、全国各地でLRTの価値が見直されようとしているのだ。
ヨーロッパでもLRTがどんどん復活しているという。
あの車社会のアメリカでもLRTが導入されているという。

なんで今、LRTがそんなに持て囃されているのだろうか。

LRTがバスに比べてそれほど輸送力に優れているとは思えない。
広電が近年導入したグリーンムーバーマックスは5両連結で定員149人(着席56人)とバスより多いといえばいえるが、それが道路の真ん中の軌道を占拠して走る等のことを考慮すれば、それほど多いわけではない。

道路の利用効率から考えたら、バスのほうが優れているとすらいえるだろう。
バスだったら、道路のあるところなら、どこだって走れる。
多分そうした理由からだろうと思うが、東京初め全国の都市で路面電車が撤去されてきた。
しかし路面電車の残った広島市にあっては、路面電車の乗客はこれまでほとんど減らなかった。
しかしバスの利用客は半分以下に減ってしまった。
バスの利用客の減少は、全国的に起こっている。
路面電車に対しては確かに様々の方策がされたが、バスに対しても、時間は限定されているがバス専用レーンを設けたりと、様々のことがされてきている。
にもかかわらず、バスの利用客は減り、路面電車の利用客は減らなかったのだ。

路面電車の価値は、その輸送力とはまったく次元の違うところにあったのだと思われる。

バスは、いつも乗る路線ならこのバスがどこにいくかわかるが、どこか別のところに行こうかとすると、どのバスに乗ればいいのか、どこで乗ればいいのか探すのが厄介だ。
対して路面電車なら、軌道があるから走っているところがどこかわかるし、駅(停留所または電停)がどこにあるかもわかる。
利用客にとってはこのわかりやすさが路面電車の良さの最大のポイントになっているのではないだろうか。

LRT、グリーンムーバーは街中でよく目立つ。
今目の前を通って行ったのがグリーンムーバーだと誰でもがわかる。
グリーンムーバーは街のオシャレなファーニチャーになっている。

路面電車とバスの違いは、デパートの中の移動手段のエスカレーターとエレベーターの違いと同じような面もある。

エスカレーターは大抵お店の真ん中に設けられており、エスカレーターに乗って下の階をみることは結構楽しみでさえある。
エレベーターは大抵お店の隅に作られており、ショッピングカートでもなければ、まず使うことはない。
エレベーターの中のあの気まずい雰囲気は何ともいえず嫌なもんだ。

路面電車の窓は低いせいもあって、車窓から街を見ることが結構楽しい。
また電停で待っている人は街の賑わいの一部にもなっている。

路面電車は街のエスカレーターのようなもんだといえそうだ。

鹿児島市では路面電車の軌道の芝生化を進めている。
目に優しいだけでなく、路面の気温を10~20℃下げているという。
それだけ下げれば、車内のクーラーへの影響もあるだろうし、いま問題になっているCO2削減にも大きく寄与しているだろうと思う。
芝生はコンクリートや石の軌道敷より見た目にもいい。
LRTは環境的にもいい交通機関だといえる。

こうした様々の違いが路面電車とバスにはあるようだ。

東京等大きな都市では地下鉄がどんどん作られ主要な移動手段となっている。
もう今や地下鉄なしでは、東京という大都会は成り立たなくなっているとさえいる。

しかし
地下鉄の駅の前には、不思議と駅前商店街というのはない。
ここに駅がありますとわかるようなものは、駅の名前を書いた看板以外にはない。
それも駅が数百Mも長いと、駅の看板がポツン、ポツンととんでもなく離れてある。
来たとき出てきた出入り口を通り越そうものなら、駅を探すのは大変だ。

広電の電停は中心市街地ではそれこそ100~200M先にはある。
駅前だけでなく、それこそ線路の脇はすべて商店街といっていい。

どこを走っているか、どこに駅があるのかは、見ればわかるというのは、公共交通機関にとって重要な要素のようだ。

地下鉄はどうもエレベーターと同じ類の乗り物だといえるようだ。

だからといって、路面電車が万能だということでは決してない。
半径数KMという大きさの範囲で、都市の街づくりを考えるなら、路面電車が優れていることであり、
都市の郊外と中心市街地とを結ぶならアストラムラインのような新交通システムとか、いわゆる電車のほうが優れている。
宮島線だって路面電車というより、JRと同じ電車といったほうがいい。
中山間地域や郊外とか、人口の少ないところではバスのほうがはるかに有効な交通機関だ。
何事も万能というわけにはいかない。
上手く各種の交通機関を使い分け、そしてさらにそれらを上手くつなげていくことが必要だ。

富山市はLRTを導入し、コンパクトシティーを目指すという。
郊外に暮らす人々を都心に移ってもらうために、補助金を出しているともいう。
都心に移ってもらったほうが医療費等の行政の費用が少なくなるから、補助金をだしてもそのほうがいいのだという。
広島市ではそんな補助金をださなくとも、ごく自然に都心回帰が起こっている。

広島の街はデルタで狭いから、都市としての発展の余地がすくなく、岡山に置いていかれるといいうこともいわれてきた。
しかし今その狭いことが、逆に有利に働こうとしているようだ。
路面電車でちょっと乗れば市役所、球場、港等どこにでもすぐいける。
車の駐車場を探す心配もいらない。

路面電車が広島市のまちづくりに果たしてきた役割は大きい。
このLRT都市サミットは、LRTの良さを世界に知らせるいい機会だ。
次は外国からの参加も呼びかけたらいい。

そのLRTをさらに充実すべく、LRT研究会の山根氏から西広島駅から、平和大通りを通って広島駅までの間に、LRT、路面電車を走らせたらどうかという提案があった。

平和公園の前に路面電車が走るということについては、反対意見もあるようだ。
祈りの場である平和公園の静けさを妨げるからということが理由のようだ。
そうしたことに対しては、できるだけ配慮すべきだろう。

平和公園からできるだけ離して作るということで、土屋病院側にある側道に、軌道を作るようにしたらどうだろうか。
架線も鹿児島の路面電車のようにセンターポール化すれば、道路上に網の目のような電線を張らずに済む。
軌道面だって、芝生化すれば見た目にも優しい。
そうしたことがされれば、今以上に奇麗な環境ができるのではないだろうか。

広島駅・西広島駅間が路面電車で結ばれれば、東京から来た人も、宮島から来た人も平和公園にアクセスしやすくなる。
平和公園を訪れることがより容易になる。
平和公園を訪れる人を増やすことにもなるだろう。

お金のことでいえば、LRT導入の工事費はKM当たり約30億円程度でできるようだ。
対して地下鉄にするとなると、東京都内の工事でも200億円位かかっている。
広島市内の地盤は悪いから500億円くらいかかるだろうという人もいる。

西広島駅―広島駅間については、すでに観音東の交差点までは広電が走っているから、そこから先約4.5KMをLRT化するとすれば、4.5KM×30億円→135億円程度の建設費でできる。
途中、川を渡る部分もあるが、その工事費を含めても多分このくらいの金額でできるだろうと思う。
アストラムラインを延長して地下鉄化にすれば、既存の線路も使えないから距離も伸び、最低でも5.5KM×200億円→1100億円ということになる。

通常よく言われる国、市、広電がそれぞれ3分の1負担ということになれば、LRT化した場合、広電の負担は45億円程度ということになる。
最近は国の補助制度もLRTに対してかなり手厚くなってきているから、多分もっと少なくて済むだろう。

ということであれば、ビジネスとしての採算性は十分見込めるだろうと思う。
地下鉄は工事費が膨大にかかることもあって、東京のような大都会は除いてどこの都市でも大赤字で苦しんでいる。
広島市程度の規模の都市にあっては、採算性を考えたら、地下鉄建設はとても無理な話だと思う。

広島市の街づくりの面からも、工事費の面からも、西広島駅・広島駅間のLRT化は意味のある提案だと思う。
そろそろ着工すべきときにきたようだ。

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