米国駐日大使、ヒロシマ訪問への期待
8月に着任したばかりの米国のジョン・ルース駐日大使が4日、広島を訪問した。
平和公園を訪れた大使は原爆慰霊碑に、駐日大使ではなく<ジョン・ルース家族一同>の花輪をささげて参拝した。
同席した広島文化センターのリーパー理事長に聞くと、この日、大使一家はご夫人があいにく帰国中だったが、来日中のご両親と17歳の長男の4人の家族連れでの来広だった。じっくりと見学する為新聞TVの取材は距離を置く形で応じ、2時間を超える熱心さだった。
秋葉市長夫妻と昼食を共にした後、市長の案内で公園内を見学し、慰霊碑の碑文についての説明に聞き入り、公園内の碑巡りをした。
原爆の子の像では、息子のデービスさんと自分が親子をイメージして折った2羽の大小の鶴を捧げた。
この後、原爆資料館では、被爆前後のパノラマや遺品などの解説や説明文を読みながらの見学をし、「広島は『核兵器のない世界』の実現に向けて協力することの大切さを感じさせてくれる」などと記帳し、「展示にとても心を動かされた」と報道されている。
周辺の時期尚早の声を押しての広島訪問は異例で、市をはじめ各方面から求めている“オバマ大統領の広島訪問の事実上の下見”であり期待を込めた憶測を呼ぶのは当然の事だ。
オバマ大統領は11月シンガポールAPECに出席の途中、初めて日本へ立ち寄る予定だ。
核抑止論のオバマ氏は’07年12月10日シカゴのデュポール大学で開催中の「原爆展」を偶然見学し、この後「核兵器のない世界」発言が生まれ…プラハ宣言に繋がった経緯?があり、核保有国首脳のトップを切って広島訪問すれば核廃絶への機運を高める効果は大きい。
見学後の大使は明確な回答は避けているが「広島での体験をオバマ大統領に伝えたい」と話している。プロの外交官ではなくオバマ氏の信頼が高い友人として直言は期待したい。
大使も米国政府も今のところ大統領の被爆地訪問については何も触れていないが、先日の国連安保理決議から来年のNPT再検討会議に向けたスケジュールを考える時、決して早すぎるタイミングではない。むしろ11月の広島訪問の可能性は否定できない状況にある。
リーパー理事長によると随行した大使館員の一人はルース大使が自らの目で見て肌に感じた広島の空気や態度で大統領の広島訪問を真剣に考えてえている…と感じ、理事長は「一歩前進した」と漏らしている…点でも期待可能性が膨らむ思いだ。<10月6日:記>
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