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2009年10月 7日 (水)

中沢啓治の証言記録映像の制作

 非営利活動法人ANT-Hiroshimaの活動のうち、映像制作はまだ新しく放送局や映像制作会社では考えられない、全く利益を追求しないで貴重な記録を残す…役割を果たそうと言う強い思いが支えになっている。

 「はだしのゲン」の作者・中沢啓治さんは一年の内半分を故郷の広島で過ごす生活をはじめて、今年で12年目になる。市内の中心部でマンション暮らしをしている。
 
 昭和36年('61年)22歳で漫画家を志して上京した。小学校3年生の時、手塚治の「新宝島」に出会い、鉄くずや廃品を売って貯めて買った手塚の作品を模写して漫画家を目指した。作家デビューは意外に早く、二年後の夏に少年画報で「スパーク1」を連載した。 
 
 27歳で結婚し、順調に漫画家の道を歩んできたが、同じ年の秋母が亡くなり帰郷した。
火葬された母の骨が無く“放射能にやられた骨は脆く粉々になって、原爆は母の骨まで奪ってしまった”と怒りに震えた。原爆・広島と言えば「放射能がうつる」などと言う東京で、広島出身とか被爆者を隠していた。しかし、母の死は一気に戦争と原爆への怒りを「黒い雨にうたれて」に書かせた。激しいセリフの政治批判と原爆と言う重いテーマの為、商業誌での掲載は難しく、各社に持ち込んだが2年後にやっとアダルト系の「漫画パンチ」に掲載された。初めて原爆マンガの存在が認められ、黒のシリーズと言われる原爆ものを次々に発表した。

 原爆ものを書くと精根尽きて次は娯楽ものと交互に取り組み、昭和48年に当時発行部数170万部と言われた「週刊少年ジャンプ」に、「はだしのゲン」の連載が始まる。戦争はどうして起こるのか。誰が戦争を仕掛けるのか。日本が暗い恐怖の政治に突っ込んでいく歴史を踏まえて自身の自伝的漫画に挑戦した。

 この日のインタビューでは渡辺代表と久しぶりに「ゲン」を読み直したと言う事務所を手伝う渡辺さんの娘さんも加わった。二日目には新聞の取材も絡んで、中沢さんの今の気持ちを深く聞き出す機会になった。  
 何で「ゲン」はこんなに強く生きられたのか?こんなに読み続ける子供に何を伝えたいか?「ゲン」は今一番したい事は何だろうか?…とたたみこんだ。

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 中沢さんは「ゲン」は自分であり、踏まれても踏まれても地に根を張って真っ直ぐ強く伸びる麦のように生きる人間に育つという父の思いを受け継いだ…。
奇跡的に生き伸びた私に、母が死をもって『この惨状を世界に伝えるよう…』促された宿命を感じる…と言う。
 戦争がもとで核が使われる恐れが強いだけに、どんなことがあっても戦争をしない、させないように、日本はの法9条を守り抜く…ことの大切さを伝えたい。
 父の教えた天皇制について、今も「戦争の開戦、終結も出来た天皇が、天皇の扱いや位置がはっきりしない為、ポツダム宣言の受託を遅らせ、原爆投下を招いた」天皇の戦争責任は放置されてきたが、今からでも遅くない…明確にしておく意味がある…と考えている。

 続く質問の中で「ゲンは東京に出、更にフランスで画家を目指す…」第二部の構想は何故実現していないのかと言う疑問を投げかけた。
 これに対して、中沢さんは意外な答えを示した。「ゲンがどんな大人になっているのか…余韻を持って皆さんの頭の中で想像して欲しい…」その方が、一部で描いたゲンを読者がそれぞれに核兵器の廃絶に結びつけて考えてもらえる…と気がついた。
実はその裏には持病の糖尿病の悪化と白内障で苦しんでいた。この春 手術をして改善されたが「小さい線が引きにくい」等の不安が付きまとい、「ゲン二部」の執筆を断念した。

 中沢さんはこの夏「2020議定書の絵本」に取り組む黒田征太郎さんとの交流をはじめ
た。「ゲン」は一部10巻で終わるが、黒田さんが「ゲン」を活かしたコラボレーションに意欲的で、中沢さんは黒田さんの企画に全面的に協力を約束した。新しい「ゲン」の活躍の場が出来ることが期待される。

 「はだしのゲン」にピリオドを打った中沢さんは一年の内半年を過ごす広島で、証言活動や趣味の油絵を通じて『ヒロシマ応援団』を積極的に果たす覚悟を披瀝した。

 中沢さんがこれまで取り組んだ作品の原画やアニメ・劇映画など、沢山の作品資料を今後、広島で活かす方策の検討も考えている。
 新たな中沢啓治の古里回帰の旅立が始まった。 
 広島のNGOや草の根活動グループなどに新しい息を吹き込むために最大限に生かされる方策を期待したい。

 「ゲン」が生まれた真相と背景を巡る中沢啓治の迫真の証言DVDは年末には完成する。

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